アルプス社

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株式会社アルプス社(アルプスしゃ)は、かつて日本に存在した地図の製作・販売会社である。

概要

アルプス社は、「アトラスRD」シリーズなどの地図の出版と「プロアトラス」シリーズなどのPC向け地図ソフトの制作、販売などを行っていた。しかし、売上の減少により2004年に民事再生法の手続きを申請。ヤフーが支援に乗りだし、ヤフー100%出資の子会社となった。その後も、道路地図帳や「プロアトラス」などソフト製品の製作、法人向けのGISによるソリューションなどの事業を続けていたが、2007年に「プロアトラス」シリーズの販売を株式会社クレオに移行[1]。2008年にヤフーに吸収合併され、解散した。

現在、事業はヤフーがすべて継承している。なお、2009年7月にヤフーが名古屋支社を設立したのに伴い、旧アルプス社の人員はヤフー名古屋支社のある名古屋プライムセントラルタワーへ移転し、引き続き地図作成業務を行っている。

なお、「アトラスRD」シリーズは、「アトラスRDX[2]」の一部が継続して発売されていたが、2011年3月発行のアトラスRDX東海2011年版を最後に発行終了となる。

沿革

  • 1936年:名古屋市にて清正堂書房として地図の制作出版を開始
  • 1962年:資本金200万円にて株式会社アルプス社を設立
  • 1984年:東海地方広域道路地図「地図のデータバンク アトラスRD」を出版
  • 1990年:地図データベース構築・地図帳作成システム「ALPS」を開発、「アトラスRD近畿」を出版
  • 1994年:道路地図「アトラスRD首都圏」を出版
  • 1996年:電子地図ソフト「アトラスRD首都圏 for Windows95」を発売
  • 1997年:日本発のDVDメディア供給ソフト「プロアトラス97DVD」を発売
  • 1998年:「プロアトラス97開発キット」「プロアトラスサーバ」を業務用として発売
  • 2004年12月:民事再生法の手続きを申請。
  • 2005年1月:ヤフーの100%子会社化
    • 電子地図ソフト「プロアトラス」シリーズが「Yahoo! JAPAN」のサービスと連携するバージョンアッププログラムを公開
  • 2005年3月:Webで地図帳の立ち読みができるサービスを開始
  • 2005年9月:ヤフーと共同で、利用者から地図の更新情報を収集するシステムの試験運用を開始・公開。
  • 2006年3月:次世代地図サービスの実験サイト、ALPSLABを公開
  • 2006年6月:株式会社イー・ソリューション・サービスの株式取得
  • 2006年8月:利用者から投稿された地図の更新情報が、最短3日で更新される「Yahoo! 地図情報」の日次更新システム「みんなでつくろう”Yahoo! 地図情報”」をヤフーと共同で開始。
  • 2006年9月:株式会社イー・ソリューション・サービスを吸収合併
  • 2007年5月:実際の歩行者の目線で前後・左右・上下あらゆる方向の映像を地図と連動して表示するサイト「ロケーションビュー」を株式会社アイディーユーアジア航測株式会社と共同で開始。
  • 2007年7月:「プロアトラス」シリーズの販売を株式会社クレオに移行
  • 2008年1月:ヤフーがアルプス社を4月に吸収合併することを発表。
  • 2008年4月1日:ヤフーに吸収合併、解散。

脚注

  1. その後、2011年に同社が持株会社となったのに伴い、現在は株式会社筆まめが継承している。
  2. 1984年創刊の「アトラスRD」の後継シリーズとして、2003年頃創刊。東海地方の他に、当初は関東や関西地方の地図も発行されていた。

外部リンク

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