アイガモ

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日本で行われる水稲作の合鴨農法

アイガモ(合鴨)は、野生マガモとそれを家禽化したアヒルとの交雑交配種のこと。また「アイガモ農法」等では、マガモアヒルの交配種のほか、カルガモアヒルとの交配種にも用いられる用語である。

尚、アヒルはマガモを品種改良した家禽品種であり、アヒルも生物学的にはマガモであるため、その交配であるアイガモもまたマガモであり、「マガモ」、「アヒル」、「アイガモ」という呼び変えは生物学的なものではなく慣例的・歴史的伝統な認識または商業的な理由によるものである。

マガモアヒルの交雑個体では、羽色や(大きさは大きく異なるが)外観は野生のマガモと類似する。特に欧米では頻繁に、また日本でもしばしば狩猟用のおとりに用いられる。愛玩鳥として飼養する場合もある。すなわちこれらは、日本ではなきアヒルなき鴨、英名でDecoyと呼ばれる品種や個体の意味である。なおこの英名は鳥類の彩色木彫を意味するデコイの語と由来(どちらも狩猟用のおとりに使われた)を共にする。

日本ではアイガモの名は食肉用としてよく耳にするが、上記の定義に基づいた本来のアイガモは交雑種であるため、家禽であるアヒルに比較すると体が小さくなり肉量が少ない。他にも繁殖力が劣っており、かつ成長に時間がかかるといった欠点を抱えているため、実際に食肉用に飼養されるケースはほとんどない[1]。合鴨肉は鴨肉に比べると一般に脂身が多く、赤身は癖がなく柔らかいが味はやや薄い。

さらに日本では1990年代ごろから、合鴨を水田に放して雑草を食べさせ除草剤の使用を減らす合鴨農法が行われている。人間によって作られた野生に存在しない雑種のために、放鳥などは固く禁じられており、合鴨農法のシーズン終了後は食用とされる。


参考文献

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関連項目

  • http://www.torishin.jp/knowledge/dack/