いまを生きる
テンプレート:Infobox Film 『いまを生きる』(原題: Dead Poets Society)は、1989年のアメリカ映画である。ロビン・ウィリアムズ主演、ピーター・ウィアー監督。ナンシー・H・クラインバウムによるノヴェライゼーションが出版されている。アカデミー脚本賞受賞作。
原題の「Dead Poets Society」は劇中の教師ジョン・キーティングがウェルトン校在学中に結成した読詩サークルで、すべて没した古典的詩人の作品[1]のみ読むことからつけられた。また邦題の「いまを生きる」は劇中でキーティングが発するラテン語「Carpe Diem」の日本語訳。厳密には「いまを生きろ」ないしは「いまを掴め」といった意味になる。アメリカのノーベル文学賞受賞者ソール・ベローの作品に同名の『Seize the Day(その日をつかめ)』(1956年)がある。
ストーリー
1959年、バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーの新学期に、同校のOBという英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してきた。ノーラン校長(ノーマン・ロイド)の下、厳格な規則に縛られている学生たちに、キーティングは「教科書なんか破り捨てろ」と言い、詩の本当の素晴らしさ、生きることの素晴らしさについて教えようとする。このキーティングの風変わりな授業に、最初はとまどうものの、次第に行動力を刺激され、新鮮な考え、規則や親の期待に縛られない、自由な生き方に目覚めてゆくのだった。キーティングは授業中に突然机の上に立って宣言する。「私はこの机の上に立ち、思い出す。つねに物事は別の視点で見なければならないことを! ほら、ここからは世界がまったく違って見える」。生徒も立たせ、降りようとした時に「待て、レミングみたいに降りるんじゃない! そこから周りをきちんと見渡してみろ!」と諭す。
ある日、生徒のニール(ロバート・ショーン・レナード)は学校の古い年鑑に、キーティングが学生時代に『デッド・ポエッツ・ソサエティ』というクラブを作っていたことを見つけ、ダルトン(ゲイル・ハンセン)やノックス(ジョシュ・チャールズ)らと共に、近くの洞窟でクラブを再開させる。ニールの同室である転校生のトッド(イーサン・ホーク)も、誘われるままそれに加わった。そして彼らは自らを語りあうことで自分がやりたいものは何か自覚してゆくのだった。ノックスはクリス(アレキサンドラ・パワーズ)という娘との恋を実らせ、ニールは俳優を志し『夏の夜の夢』の舞台に立った。しかし父親(カートウッド・スミス)に反対され、陸軍士官学校に転校させられることになったニールは自ら命を絶った。この事件を捜査する学校側は、退学処分を切り札にデッド・ポエッツ・ソサエティのメンバーに証言を強要し、やがてそれは煽動者としてキーティングの責任問題に結びつけられ、彼は退職を余儀なくされる。キーティングが学院を去る日、一度はキーティングを裏切って告発書にサインした生徒たちが、裏切った後ろめたさを吹っ切るように、口々に"Oh Captain, My captainn"といいながら、1人ずつ机の上にすっくと立つ。 "Oh Captain, My captainn"とはキーティングが最初の授業で引用したウォルト・ホイットマンの詩の一節である。彼は、私をキーティング先生と呼ぶのもいいが、よかったら"Oh Captain, My captainn"と呼んでくれないかなあ、と生徒たちを笑わせるのだ。生徒たちは、その言葉を覚えていたのである。 トッドたちは校長の制止も聞かず机の上に立ちキーティングを見送る。それは彼らのせめてもの抵抗の証しであった。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
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VHS・DVD | テレビ | ||
ジョン・キーティング | ロビン・ウィリアムズ | 堀勝之祐 | 江原正士 |
ニール・ペリー | ロバート・ショーン・レナード | 古田信幸 | 宮本充 |
トッド・アンダーソン | イーサン・ホーク | 松本保典 | 鳥海勝美 |
ノックス・オーバーストリート | ジョシュ・チャールズ | 山寺宏一 | |
チャーリー・ダルトン(ヌワンダ) | テンプレート:仮リンク | 堀内賢雄 | |
リチャード・キャメロン | ディラン・カスマン | 星野充昭 | |
スティーヴン・ミークス | アレロン・ルジェロ | 小野健一 | |
ジェラルド・ピッツ | ジェームズ・ウォーターストン | 山口健 | |
ノーラン校長 | テンプレート:仮リンク | 上田敏也 | 田口昂 |
ニールの父 | カートウッド・スミス | 仁内建之 | 宝亀克寿 |
クリス・ノエル | テンプレート:仮リンク |
ビデオ版その他、深見梨加、増岡弘、石森達幸、鈴木勝美、巴菁子、佐々木るん、松井菜桜子、桜井敏治、荒川太郎、稲葉実、西村知道、伊井篤史、さとうあい、小形満、亀井芳子
脚注
- ↑ この映画で出てくる詩はウォルト・ホイットマンの「おお、船長!わが船長よ!」(Oh Captain! My Captain!)、ロバート・ヘリック(en:Robert Herrick (poet))の「時を惜しめと、乙女たちに告ぐ」(To the Virgins, to make much of Time.)、ジョージ・ゴードン・バイロンの「かの女(ひと)は美に包まれて歩む」(SHE WALKS IN BEAUTY)。ロバート・フロストの「行かなかった道」(THE ROAD NOT TAKEN)などである。
関連項目
- セント・アンドリューズ・スクール - 映画のロケ地
- 宮本恒靖 - サッカー選手。この映画に感動し、モットーとして「いまを生きる(Seize the Day)」をあげている。
- 1812年 (序曲) - 何故かキーティングが口笛で吹いているのがこの曲の旋律。
- その日を摘め