四連装砲塔

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テンプレート:独自研究 四連装砲塔(よんれんそうほうとう)は砲塔への大砲の装備方法の一つで、1基の砲塔に4門の砲を装備した形式を指す。一般には同口径の砲4門を水平に並べたものが多い。

ファイル:Richelieu en route to New York 1943 bow.jpg
リシュリュー級の38cm(45口径)4連装砲の写真

戦艦ではフランス海軍の超弩級戦艦「ノルマンディー級」(未成)、「ダンケルク級」「リシュリュー級」、イギリス海軍の「キングジョージ5世級」のみが採用している。アメリカ海軍ノースカロライナ級でも14インチ4連装砲塔を搭載予定であったが、これは当初から16インチ3連装砲への換装を考慮しており、結果として建造途中で換装したために4連装砲塔は搭載していない。

4連装砲塔の利点は、同数の砲を備えた他の砲塔より軽いことである。たとえば4連装砲塔2基(8門)の重量は同口径の連装砲塔3基分(6門)と同等とされ、装備門数を8門とすると、4連装にしたほうが連装砲塔1基分軽いことになる。

しかし、砲搭数が連装、3連装と比べて少なくなるため、砲塔1基が破壊された時の戦力減少が激しく、また、砲塔を支えるターレット径が大きくなるので工作が困難になり、艦体全幅の増大につながる等、さまざまな弊害が出るため、主砲口径が増大するにつれ各国とも採用をやめていった。

また構造上、砲座重量が大きく、揚弾機構が複雑化するため、工作・設計が困難で技術的な問題も多いと言われる。しかしながら、本家フランスでも未成艦ノルマンディーの主砲設計を流用したダンケルク級戦艦の4連装砲塔では、最初の半年間こそ故障の対処に追われたが、単なる初期故障の範囲に収まり、以後は除籍の日まで大きなトラブルは発生しなかったと言う。続く2番艦のストラスブールでも細かい故障が出たものの、1ヶ月で解決した。これは技術的冒険を避けるためと砲塔内部のレイアウトの問題が大いに関係している。フランス式4連装砲塔は中央部を装甲隔壁が砲室を左右に分断しているため、実際は連装砲2基が隔壁を挟んで並列に2基配置した4連装砲塔となっている。この方式の利点としては、敵弾が砲身に被弾した時や砲弾不良で故障した際の喪失門数も最大2門に限定できる利点があった。ダンケルク級2隻の実戦経験はメルセルケビール海戦のみであるが、平時の砲術演習でも不具合なく行えた事を見逃してはならない。さらに、後続の「リシュリュー級」2隻も基本的に同構造でありこれら4隻の戦闘実績を考慮すれば戦闘経験は充分である。だが、リシュリュー級「リシュリュー」では砲弾の製造時の不良から戦闘時に爆発事故を起こし4門中2門が使用不能となったが、前述の装甲隔壁により反対側の2門は射撃続行可能であった。また、格上の40.6cm砲戦艦と戦った「ジャン・バール」では船体自体が未完成であったため、砲塔を駆動させるための電路を切断され砲戦に敗北したが、後日に電路を修復し、「ジャン・バール」が戦闘不能と勘違いした米重巡洋艦に対し砲撃を行い撤退させた事からもフランス製4連装砲塔自体の信頼性は高いと言える。

ファイル:HMS Anson (79) at Devonport, March 1945.jpg
キング・ジョージ5世級「アンソン」の写真。イギリス初の四連装砲塔であったために故障が絶えなかった。

対照的なのはイギリス式4連装砲塔で、こちらは純粋な4連装砲形式となっており、狭義的意味合いではこれを正しい4連装砲塔と説明する資料もあるが、反面、設計段階での設計ミスから来る竣工当時から故障が続出し、最初の数年間は故障の対処で追われ、実戦どころではなかったと言う。無論、砲弾の製造不良や船体の工事未了のない、竣工した後の状態で故障が続発し続けたのであり、イギリス式4連装砲塔の信頼性も実戦により証明されている。

テンプレート:要出典範囲

参考図書

  • 「世界の艦船増刊第22集 近代戦艦史」(海人社)
  • 「世界の艦船増刊第30集 イギリス戦艦史」(海人社)
  • 「世界の艦船増刊第38集 フランス戦艦史」(海人社)
  • 「世界の艦船増刊第38集 第2次大戦時のイギリス戦艦」(海人社)
  • 「世界の艦船増刊第22集 近代戦艦史 2008年10月号(海人社)
  • 「世界の艦船 列強最後の戦艦を比較する 2006年2月号」(海人社)