ハイチオールC

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ハイチオールCエスエス製薬から発売されているL-システイン製剤である。

概要

もとは1970年代にL-システインを主成分とする医療用医薬品「ハイチオール」として発売され、その後大衆薬として1972年5月に発売され、どちらも現在に至っている。

医療用発売に際し種々の臨床試験が行われているが、湿疹などの皮膚科領域、肝機能改善などの内科領域、リウマチやアトピーなどのアレルギー領域などスタンダードなものから放射線障害の防止軽減やホルムアルデヒド解毒、発毛など実際に薬効を得ていない領域にも有意な効果があるとされている。

なお、医療用は事業譲渡により久光製薬より発売されているが、医師によっては市販薬と同等の症状で、保険診療として処方してもらえれば大衆薬と同等の「ハイチオール」などが非常に廉価で入手出来る。(転売・譲渡すると薬事法により処罰の対象となる)

一般薬としてはL-システインの肝臓に対する解毒効果で「二日酔い」に効くために繁用されてきたが、その肝臓への作用でメラニンの生成を抑え、メラニンを無色化するとともに肌の新陳代謝を助ける効果が注目され、1998年7月に全面改良を行う。錠剤の小型化が図られるとともに、1日の服用量も12錠から6錠に半減、パッケージも見直され「しみ・そばかす」に重点を置いた訴求内容となった。さらには1990年代後半からの「美白ブーム」も追い風となり、売り上げを伸ばしていくようになる。この頃から、女優を起用したCMや雑誌・新聞広告が例年春から初秋頃にかけて数多く出稿されるようになる。

「ハイチオールC」の人気は他のメーカーにも波及するようになり、武田薬品工業第一製薬(現第一三共ヘルスケア)・資生堂薬品(資生堂の子会社)・明治製菓など大手各社から、「ハイチオールC」と殆ど同一成分が含まれ、内容量も同一で、市場価格では「ハイチオールC」よりも廉価な製品が数多く発売。新たな市場を創造することとなった。

市場が活性化していることを受け、エスエス製薬は2006年3月から従来の内用薬(錠剤)と新たに肌に塗るクリームの2タイプで、成分の配合量を従来より多くした「ハイチオールC プルミエール」を発売。

また、肝臓に作用する医薬品ではあるが、指示量より多く服用しても水溶性ビタミンと同じく成分が過剰若しくは不要となると尿などで体外に排出されるため、過敏症を除いて害のある副作用は殆ど無い。また、効果を期待して過剰に服用しても余分なものは効果を発揮せずに体外に排出されてしまうため、無駄である。

また、従来の薬理作用であった肝臓に対する解毒効果、すなわち二日酔い、全身怠感症状の改善を謳った「アルケシクール」という商品も2007年11月に同社から発売されている。成分は「ハイチオールC」と全く同一であるが、ターゲットを男性に絞っており、黒いパッケージである。但し、「ハイチオールC」の他社類似品では一切、「二日酔」という効果効能の記載がない。これは、薬効標榜のためには各品目毎に許可申請が必要であるが、それを各メーカーが行っていないためである。

2010年7月には「二日酔」と共に他社類似品では記載がない「全身倦怠(疲労・だるさ)」にも着目し、12年ぶりの全面改良により、商品名を「ハイチオールCプラス」に変更。ビタミンC(アスコルビン酸)の含有量を300mgから500mgに増量した。

効能・効果

以下の効能・効果は「ハイチオールCプラス」・「ハイチオールCプルミエール」共通である。

ラインナップ

ハイチオールCプラス【第3類医薬品】
肌の代謝(ターンオーバー)を助けてしみ・そばかすにも、体の代謝(体内エネルギーの産生)を助けることで体の疲れやだるさにも効くL-システイン製剤。
ハイチオールCプルミエール【第3類医薬品】
9mmの小粒錠剤にL-システインを凝縮したことで、1日2回の服用を可能に。同時に配合されているビタミンCとの相乗効果で3段階にアプローチしてシミ・そばかすを改善する。もちろん、二日酔や全身倦怠にも効果がある。
ハイチオールB【第3類医薬品】
2009年6月発売。L-システインが肌代謝に、ビタミンB2が脂質代謝にそれぞれ働きかけ、肌あれやニキビなどを緩和する。1日2回服用。2010年に270錠の大容量サイズが追加された。
ハイチオールC プルミエール薬用ホワイトスポッツ【医薬部外品】
浸透力が高いビタミンC誘導体と保湿成分としてL-システイン誘導体を配合したシミ・そばかすを防ぐ薬用クリーム。
ハイチオールC プルミエール デイリープロテクトUV
強力紫外線をブロックする日焼け止めクリーム。ノンケミカル・ノンパラベン処方で、紫外線吸収剤不使用のため、化粧下地としても使える(SPF40/PA+++)
ハイチオールCドリンク【第3類医薬品】
1本にビタミンC1000mg配合したドリンク剤。1日2回まで服用可能。また、カフェインフリーで就寝前にも服用可能。
ハイチオールECドリンク【指定医薬部外品】
ビタミンCとビタミンEを配合した栄養補給ドリンク。コンビニエンスストアやスーパーで入手可能。

製品名の由来

  • 「ハイチオール」は「High」と「チオール」。主成分のL-システインを構成するチオール基に因む。
  • 末尾のアルファベットはビタミンのうち、主な効能に関係するものに由来する。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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