看護学
テンプレート:出典の明記 看護学(かんごがく)とは、「新生児から高齢者まで人間の発達段階にある全ての人や家族、地域、それぞれ固有の健康問題の理解やその援助、もしくは健康の維持、増進について研究する学問」のことである。最近では、「生きる希望と力を与え、生まれたそのときから最期の瞬間までその人らしく生きることを支援するミクロからマクロまでを包含した学際的な学問」であるといわれる。
概要
英語ではnursing scienceといい、看護学を自然科学の一分野であると考え、看護科学と称されることもある[1]。また、看護学をサイエンスとアートが結びついたものとして捉え、人間科学の一分野であると考えている研究者もいる[2]。
世界で初めての4年制看護学部は、アメリカニューヨーク市のコロンビア大学看護学部であり、1889年の創立である。ヨーロッパでは、1956年創設のエディンバラ大学健康社会学部看護学科が最も古い。また、日本では1952年に開設された高知女子大学家政学部看護学科が最も古い。これらは、4年制学部であるが、アメリカの看護学部の中には学部であっても、3年制のところや他大学の卒業を前提として入学させ、1年半から2年程度の課程で卒業させる大学(ジョンズ・ホプキンス大学など)など、教育形態はさまざまである。
看護学の諸分野
看護学が対象とするテーマは広範であり対象やテーマごとに、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、助産学、精神看護学(ここから枝分かれして、イギリスでは学習障害看護学という分野を設定している大学もある。オックスフォード大学、ヨーク大学など>Bob Gatesの "Oxford Handbook of Learning & Intellectual Disability Nursing (Oxford Handbooks in Nursing)" Oxford University Press 2009などを参照のこと。)、地域看護学、在宅看護学、看護管理学等の分野に大別されることが多いが、最近では看護学の学際化に鑑み、看護栄養学、看護倫理学、看護情報学、看護社会学、看護政策学、看護教育学などの領域を研究している研究者も多く、さらなる細分化が必要となっている。将来的には、スポーツ看護学や看護経営学などの分野も注目されていく領域であろう[3]。
脚注
- ↑ 日本国内には、日本看護科学学会と称する学会がある。1981年に発足。http://jans.umin.ac.jp/ アメリカ看護協会(ANS)は、「Advances in Nursinf Science」という季刊誌を刊行している。http://journals.lww.com/advancesinnursingscience/pages/default.aspx
- ↑ 北海道文教大学では人間科学部に看護学科は所属している。上智大学大学院では総合人間科学研究科の中に看護学専攻がある。同様の例は他にも多数ある。
- ↑ 河合塾学園が運営するトライデントスポーツ医療看護専門学校という専門学校がある。2009年発足の日本健康運動看護学会という学術団体がある。また松下博宣他によって看護経営学をテーマとした研究書が刊行されている。