有斐閣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2013年12月7日 (土) 10:54時点におけるNOBU (トーク)による版 (その他の人文系書籍)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 株式会社有斐閣(ゆうひかく、テンプレート:Lang-en-short)は、日本の人文社会系の学術書を中心とした出版社

概説

1877年(明治10年)、旧忍藩士・江草斧太郎が神田一ツ橋通町(現在の千代田区一ツ橋2丁目)で古書店として創業。当時の名前は「有史閣」といった。その2年後の1897年に、現在の「有斐閣」の名称に改め、出版業に転進。1950年、四代目店主の時代に法人化して、株式会社有斐閣として設立される。

現在は、東京都千代田区神田神保町救世軍日本本営・神田小隊の隣)に本社を構えている。京都府左京区には京都支店、東京都文京区東大正門前には雑誌編集部がある。2代目以降の店主・代表取締役社長は、二代目・江草重忠、三代目・江草四郎、四代目・江草忠充、五代目・江草忠敬。

現在では、社会科学(特に法学経済学)と、人文科学の大学向け教科書や、各年度版の六法全書、人文社会系の一般教養書の出版を主な業務としている。

なお、社員は原則として縁故採用によって補充されている。

社名の由来

出典は『大学』で、努力し学に励んだ衛の武公の徳を「有斐君子」と讃えたことから。 「武公のように学者と一心同体となって努力精進するように」という創業者の師の助言による。


取扱書籍

法令集

明治34年に『帝國六法全書』を刊行。昭和になってから刊行を中断したが、昭和23年に、創業70周年事業として『六法全書』の刊行を再開した。以後用途に応じ、『小六法』(昭和24年、平成19年版を最後に休刊)、『ポケット六法』(昭和53年)、『判例六法』(平成元年)、『判例六法プロフェッショナル』(平成20年)を刊行し、現在でも代表的な本となっている。

『法律学全集』

法律学全集』は、1957年(昭和32年)に創業80周年記念出版として刊行が始まった全60巻[1]からなる全集。一部は現在でも改訂されており、当初の執筆者が故人になった場合などは、その弟子に当たる学者が改訂に当たっている。

『注釈民法』

『注釈民法』は、1964年(昭和39年)に刊行が始まった民法の逐条解説書(コンメンタール)。全26巻。現在は、全面改訂された『新版注釈民法』が出版中。同様の企画としては、『注釈会社法』、『注釈刑法』などがあり、このうち『注釈刑法』については2010年12月より新版(全3巻予定)が刊行されている。

雑誌

その他の人文系書籍

法律学以外にも、経済学社会学社会福祉心理学など、人文系全般の学術書や大学テキストも刊行している。大学生向けには「New Liberal Arts Selection」や「有斐閣大学双書」など、教養科目と専攻科目、入門書と専門書など、レベル別に複数のシリーズが存在する。

また近年では、一般市民向けや生涯学習用を謳った「有斐閣Insight」や「有斐閣選書」など、一般教養書のシリーズも立ち上げている。

関連会社

  • 株式会社有斐閣学術センター(旧有斐閣出版サービス株式会社。平成3年完全子会社化、平成9年商号変更)
  • 株式会社有斐閣アカデミア(平成9年設立)
  • 株式会社有斐閣サービスセンター(平成14年設立)

脚注

  1. 改訂にあたり分冊されたものを2巻と数えると、全78巻となる。例えば、初版は谷口知平幾代通戸籍法不動産登記法』〈法律学全集25〉(1957年)として出版されたが、分冊され、谷口知平『戸籍法[第3版]』〈法律学全集25-I〉(1986年)、幾代通・徳本伸一『不動産登記法[第4版]』〈法律学全集25-II〉(1994年)となっている。

関連項目

外部リンク