身体装飾
テンプレート:出典の明記 身体装飾(しんたいそうしょく)とは、身体に直接、もしくは身につける下着、服飾などで、身を飾り立てることを言う。化粧することや、衣類・装飾品から始まり、身体に穴を開けたり、入れ墨や焼き印をしたりすることまで含む。木の板や枝を体に空けた穴に通すなど道具を使う身体装飾もある。
概要
人間の歴史に於いて、こういった自身の体を飾ることが始まったのがいつ頃からになるのかは定かではない。しかしこういった装飾がしばしば「他に見られること」を前提としたため、ほぼ人類が社会を形成するようになって以降の遺構からはその痕跡が見出される。
こういった装飾は、身体を飾り付けるだけではなく、これを見るものにとって個人ないし集団を同定し得るシンボル(目印)ともなる。いわゆる制服は、集団を同定する記号にもなり、その一方で強制を伴う装飾は、個人を集団として扱うための目印にも使われ、後述の入れ墨のように「前科者」(→前科)として他に認識させる一種の懲罰的な身体装飾もみられる。
ただこういった身体装飾は、時代を下るとより個人の価値観によって自身を飾る傾向(→個人主義)や意味合いが強まり、身体装飾のうちで身体への侵襲(人為的に傷つけること)を伴う身体装飾を強要したり自意識が発達する以前に施すケースは人権の範疇で当人に選択権がないものが問題視される傾向も見られる。
身体装飾の例
自然崇拝や精霊崇拝の盛んな地域では動物と同じ能力や精霊の力を手に入れるために、その対象物の一部を模した模様や紋章などを、自らの体に入れ墨や傷跡をつけることもあった。日本でも縄文時代の土偶などに入れ墨が残っており、男女ともに身体装飾に使用されていた歴史が明らかになりつつ有る。
近代以前の中国では、女性の足を型にはめて極端に小さくし、自分では歩行困難にしてしまうようなものも行われたことがある。これを「纏足」という。
日本ではお歯黒と呼ばれる歯の身体装飾の文化があった。
アフリカには瘢痕模様と呼ばれる、意図的に傷を化膿させて盛り上がらせ、これの連続で皮膚上に模様を形成する風習が見られる。
なお極端に体の形状を変形させるなどの行為に関しては身体改造を参照。