国際刑事警察機構

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テンプレート:Infobox 組織

国際刑事警察機構(こくさいけいじけいさつきこう、テンプレート:Lang-en-short略称ICPO)は、国際犯罪の防止を目的として世界各国の警察機関により組織された国際組織である。インターポール(INTERPOL[† 1][† 2][† 3][† 4])とも呼ばれる。2014年時点の加盟国は190か国(地域)を数え、国際連合に次ぐ[1]

概要

犯罪捜査や犯人逮捕に携わる各国の警察の連携を図り、各国間の情報の伝達ルートの役割を果たす。主な活動は、国外逃亡被疑者や行方不明者、盗難美術品などの発見、身元不明死体の身元確認などに努める「国際手配制度」や、国際犯罪および国際犯罪者に関する情報のデータベース化とフィードバックなど。運営は、2つの非常設機関(総会および執行委員会)と、2つの常設機関(事務総局および加盟各国に設置された国家中央事務局(NCB))により行われる。NCBは自国の警察と事務総局や加盟各国の警察とをつなぐ窓口機関にあたるもので、日本では警察庁が指定されている[2]

リヨンに事務総局、ハラレアビジャンナイロビブエノスアイレスサンサルバドルに地域局、バンコクに連絡事務所がある[1]。2015年にシンガポール総局(INTERPOL Global Complex for Innovation)が開設予定となっている。シンガポール総局では、犯罪捜査の訓練の他、サイバー犯罪対策も行う[1]

国際刑事警察機構は、サイバー犯罪に関する取り組みが遅れており、2013年までサイバー犯罪に専従する職員は4人しかいなかった。本部の約700人に次ぐ70人規模となるシンガポール総局を設置する。初代局長には警察庁の中谷昇が就任する[3]

映画・テレビ・漫画などのフィクションでは「国際警察」のような描かれ方をするが、実体はそのような大規模な組織ではなく、各国法執行機関の連絡機関・協議体としての性格が強い。司法警察権は各国の主権事項に属する[4]ため、たとえば『ルパン三世』の銭形警部のような、世界中で捜査活動をする「国際捜査官」は存在しない。

テンプレート:要出典ただし最終的に犯罪者の身柄拘束を行なうのは国家主権上の問題から、その国の警察である。なお事務総長は、フランス政府より外交特権を与えられ[5]、係官などの職員は、国際活動中に個別に外交特権を受けることがある。

年に1000件を越える捜査依頼があり、2008年現在6000人の手配者を追跡している。

歴史

1923年国際刑事警察委員会(ICPC)として創設された[1]。はじめ本部はオーストリアウィーンにあったが[5]1938年アンシュルスナチス・ドイツによるオーストリア併合)後には本部がベルリンに移され、以降は第二次世界大戦でのドイツの敗戦までICPCは、ゲシュタポの下部組織に過ぎなかった。ラインハルト・ハイドリヒアルトゥール・ネーベエルンスト・カルテンブルンナーなど親衛隊(SS)国家保安本部幹部たちがICPC総裁を務めていた。

1956年に国際刑事警察委員会を発展的に解組し、国際刑事警察機構を設立した[1][6]。当時の加盟国数は57ヶ国[5]。事務総局は1946年に再建されてからフランスパリにあったが、1989年以降はリヨンにある。国際連合、特に経済社会理事会とは協力関係にあったが、1996年には国際連合総会オブザーバーの資格を得た[5]

日本

日本1952年(昭和27年)の第21回総会で加盟し、国家中央事務局は警察庁[2]

1967年(昭和42年)9月27日 - 10月4日の間、京都市で第36回総会が開催された[7]1975年(昭和50年)から事務総局に警察庁職員を派遣している。1996年(平成8年)から2000年(平成12年)まで兼元俊徳(警察庁国際部長。退任後は内閣情報官)が第15代総裁を務めた[8]

なお、ICPOから国際指名手配を受けている日本人は、2012年5月時点で16人存在する。ただし、国際指名手配はあくまで捜査への協力要請にすぎないため、国際指名手配を受けたからといって日本の警察がそれだけで逮捕することはない。相手国と犯罪人引渡し条約を結んでいたり、国内法に違反していない限り、普通に生活している者もいる。これは、日本だけに限らない[9]

ICPOが登場するフィクション

映画

  • ゴジラ対メカゴジラ』では、南原・田村の2人の捜査官がブラックホール第三惑星人基地の破壊工作に活躍している。なお、続編の『メカゴジラの逆襲』には正式名称が「国際警察」という組織が登場する(上述のように「国際警察」はICPOの正式名称ではない、ただし劇中ではこの組織の捜査官も「インターポール」を名乗っている)。
  • メダリオン』に登場するワトソン。
  • デッドヒート』に登場するキャノン捜査官他
  • ロード・オブ・ウォー』では、武器商人の主人公を追跡する実働部隊の警察官が登場する。
  • バタリアン5』に登場する2人組の男。バタリアン(ゾンビ)の壊滅を目指す間抜けな2人組。
  • SPY N』では藤原紀香が素性を隠して犯罪組織に潜入している。
  • デイジー』(2006年・韓国)では、ヒロインの恋人であるジョンウ(イ・ソンジェ)がインターポールに属している設定であり、財布の中の身分証が登場する場面もある。
  • ザ・バンク 堕ちた巨像』 2009年。 アメリカドイツイギリスによる共同製作。

漫画・アニメ

  • ゴルゴ13』に登場するバニングスとその部下。
  • ルパン三世』に登場する銭形警部は、警視庁からインターポールに出向していることになっている。詳しくはICPO (ルパン三世)を参照。
  • CITY HUNTER』には、「インターポール」で働くとされる人物が槇村香に近づくストーリーがある。
  • DEATH NOTE』に登場するLは、ワタリを通じて指示を出した。
  • ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には「国際警察機構」という組織が登場する。ただし超常的な力を持つメンバーにより構成され、世界を守るために戦うなど通常の捜査組織ではない。
  • 名探偵コナン』では、ICPOに工藤優作の友人がいるということになっている。またアニメ映画第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』で、阿笠博士が国際指名手配されていたスコーピオンという犯人の特徴を、ICPOのサイトを使って調べるシーンがある。上記の『ルパン三世』とのコラボ作品ではインターポールの警官として銭形幸一が登場。
  • まじっく快斗』では、ICPOが謎の計画師「ナイトメア」を追う組織として登場。
  • タンタンの冒険旅行』ではデュポンとデュボンが登場する。
  • ツーリング・エクスプレス』1981年から白泉社で連載されている長編コミックス。連載当初は主人公のシャルル・オージェがICPOの新米刑事として登場。また、シャルルの育ての親であるエドアール・ティリエもまたフランス・パリ市警の敏腕警部で、出向したICPOの捜査官である。後に、両者とも辞職した。
  • GS美神 極楽大作戦!!』に登場する西条輝彦はICPOのオカルトGメンに所属する。
  • 人造昆虫カブトボーグ V×V』に登場する西山はICPOに所属する少年刑事で、ワシントン条約違反を犯した山田一郎を逮捕した。
  • キャッツ・愛』に登場する女性刑事・浅谷光子はキャッツ・アイを捕らえられなかった責を負ってインターポールへの研修を命じられ、2年前から出向中とされている。

小説

テレビドラマ

  • ケータイ刑事 銭形シリーズ』の銭形四姉妹の父はICPO所属の警察官である。
  • イナズマンF』の副主人公・荒井誠はICPO秘密捜査官という設定。劇中には同僚の捜査官も何名か登場する。
  • 仮面ライダーX』の第3話にインターポールの捜査官・ダボスが登場。GOD機関の怪人・ヘラクレスを追って日本に訪れるが、ヘラクレスに殺害される。
  • 仮面ライダーBLACK』には、ICPO捜査官・滝竜介が登場する。
  • ウルトラマン』に登場する科学特捜隊は、ICPOをモデルとした「国際科学警察機構(ISPO)」の下部組織だと設定されている。
  • レスキューポリスシリーズ』では、度々ICPOの名前が登場する。このうち『特警ウインスペクター』のメンバーである香川竜馬、ウォルター、バイクル、藤野純子、野々山真一の5人が、物語ラストにてICPOへと出向している。
  • 西部警察』では、度々国際テロ組織および香港マフィア等が登場し、事件を起こす際に登場している。桐生一馬(演:加納竜)はインターポールへの出向という形で降板。
  • Gメン'75』#307以降に登場する草鹿刑事(演:鹿賀丈史)は、インターポール捜査官出身でGメンのメンバーに抜擢されるという設定である。インターポール本部はパリにあるという設定で、草鹿がフランス語で秘書や同僚と会話する場面がある。

ゲーム

脚注

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注釈

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出典

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関連項目

外部リンク

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 2014国際刑事警察機構,警察庁資料
  2. 2.0 2.1 2004年(平成16年)3月14日『官報』資料版No.2357「知っておきたい国際・外交キーワード」
  3. テンプレート:Cite news
  4. A国でテロリスト認定された人物が、対立するB国では政治犯と認定される、という状況さえ起きているのが実情。
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 ICPOの沿革,警察庁資料
  6. 1965年(昭和40年)9月22日『官報』資料版No.388「閣議決定等事項の解説」
  7. 1968年(昭和43年)8月28日『官報』資料版No.539「麻薬犯罪の実態と取締り」
  8. 1999年(平成11年)12月15日『官報』資料版No.2142「警察白書のあらまし」
  9. テンプレート:Cite news