カルパッチョ
カルパッチョ(Carpaccio)は、生の牛ヒレ肉の薄切りに、チーズもしくはソースなどの調味料をかけた料理の総称である。
起源
イタリアの画家であるヴィットーレ・カルパッチョが薄切りの生牛肉にパルミジャーノ・レッジャーノをかけた料理を好んだことから、その料理は彼の名を取ってカルパッチョと呼ばれているという説がある。また、彼の独特の赤色を基調とした作風が、皿に並べられた薄切りの生牛肉の色彩に類似しているためにその名があるとする説もある。第3の説としてテンプレート:要出典範囲、ヴェネツィアでのヴィットーレ・カルパッチョ生誕500年回顧展の期間中に、同地のレストラン「ハリーズ・バー」(Harry's Bar)で考案された料理との説も知られている。前の2つの説がヴェネツィアの伝統料理であるとの前提にたっているのに対し、第3の説は近年の創作料理であると主張している。
本国イタリアでは第3の説が定着している。イタリア版ウィキペディアでは、ハリーズバーのオーナーシェフで、カクテル「ベッリーニ」「ロッシーニ」の考案者としても知られるジュゼッペ・チプリアーニが、ヴェネツィアで開催されたヴィットーレ・カルパッチョ生誕500年回顧展に因んで、カルパッチョ絵画の特徴とされる美しい赤と白の対比を、生牛肉とマヨネーズベースのソースで表現したものとされている。チプリアーニが<カルパッチョ絵画の赤>を表現する素材として生のサーロインを選んだ理由として、彼の友人、アマリア・ナーニ・モチェニーゴ伯爵夫人が、医者から加熱調理した肉料理を禁じられていたことがあげられている。生牛肉にニンニク、オリーブオイル、グラナ・パダーノチーズ、アルバ産白トリュフをかけたピエモンテ州ランゲ地方の伝統料理にヒントを得たとの記述もある。(en:it:Carpaccio (gastronomia))
日本においては、生の牛ヒレ肉の代わりに、マグロやカツオ、サケなどの刺身を使用したカルパッチョが和洋折衷料理(西洋料理の日本風アレンジ)の代表例となっており、その創作者はレストラン「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」の落合務だといわれている[1]。カルパッチョの発祥国イタリアにおいても、世界的な刺身ブームの影響を受け、生の魚肉を使ったカルパッチョが多くなってきている。
注釈
- ↑ 重金敦之「すし屋の常識・非常識」朝日新書・104P