棺桶の錠
テンプレート:Pathnav 棺桶の錠(かんおけのじょう)は『必殺仕置人』に登場したキャラクターで、沖雅也が演じた。他に『必殺仕事人』スペシャル版の『仕事人大集合』や『仕事人アヘン戦争へ行く』にも出演(後者はフィルムバンクによる出演のみ)。
出身地は琉球で、ときおり琉球民謡であるユンタを口ずさむ。江戸の観音長屋に居を構え、船大工としての技術を使い、棺桶作りを生業としていた。ある事件をきっかけに、念仏の鉄(山崎努)、鉄砲玉のおきん(野川由美子)、おひろめの半次(津坂匡章)、中村主水(藤田まこと)と仕置人を結成する。必殺シリーズファンクラブとらの会会長の山田誠二著による『必殺シリーズ完全大百科』による解説では琉球王朝の独立運動に加わり、捕らえられて佐渡送りになった際に鉄や主水と知り合ったことになったとされているが、第21話「生木をさかれ生地獄」にて鉄に「お前は佐渡を知らない」と言われており、矛盾が生じるため真偽は不明である。
仕置人としてはアタッチメント式の手槍(ローチン)を武器とし、琉球空手によるダイナミックな殺陣を披露した。時には手製の手甲で刀を受け止める芸当も見せている。この手槍は後に『必殺仕事人V・激闘編』以降のシリーズで鍛冶屋の政(村上弘明)の武器として再登場する。政も手製の手甲で刀を受け止めたことがある。
口数が少なく一匹狼的だが、胸の奥底には若者らしいまっすぐな正義感を秘めている。侍・役人嫌いでもあり、ときには主水相手にすら役人への嫌悪と不信をあらわにしていた。
女性関係は、当初錠に言い寄っていたおきんが「あの人はメスと名のつくものは猫の子一匹近寄らせない」と言ったようにストイックだが、その実、不器用ながら優しく接することもしばしばで、純情な性格の裏返しだったようだ。
そもそも主水、鉄たちと仕置人チームを組むことになったのも、父親を殺された娘に同情した錠が持ち込んだ、偽の依頼がきっかけだった。なお、劇中で文盲であったことが語られている。
最終回、チームは解散し、仲間たちとも別れ江戸を離れた。その後は消息不明だったが、スペシャル版『仕事人大集合』で長崎にいたことが判明する。彼自身のほんの気まぐれではあったものの、外道のセクンデ一味との戦いに参加を決意。死闘の淵に立っていた仕事人たちに大きな貢献を果たした。なお、スペシャルにおける主水との再会シーンはなかった。仕事を終えて終盤、おりく(山田五十鈴)と三味線屋の勇次(中条きよし)の二人に別れを告げてオランダの商船に潜り込みバタヴィアに密航の旅に出る。その後『仕事人アヘン戦争へ行く』にて帰国しており、香港へ向かおうとする仕事人たちを付け狙う異人集団を撃退し、またもや大役を果たした。