入院患者
テンプレート:Portal テンプレート:Infobox 「入院患者」(にゅういんかんじゃ、The Resident Patient)は、イギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイルによる短編小説。シャーロック・ホームズシリーズの一つで、56ある短編小説のうち21番目に発表された作品である。イギリスの「ストランド・マガジン」1893年8月号、アメリカの「ハーパーズ・ウィークリー」1893年8月12日号に発表。同年発行の第2短編集『シャーロック・ホームズの思い出』(The Memoirs of Sherlock Holmes) に収録された[1]。
あらすじ
1880年代後半(詳細な年は正典に記載されていない)10月、ホームズは開業医であるトレヴェリアン医師からの依頼を受ける。
トレヴェリアンは開業の際、投機のためスポンサーになりたいと申し出たブレシントンの提案に乗って開業し、ブレシントンは彼の病院の入院患者として病院に住むことになった。数週間ほど前、ブレシントンは近くで強盗事件が起こったと取り乱した様子で話し、部屋の錠をもっと丈夫なものにするように言った。
2日前に、トレヴェリアンは強硬症の父を診てもらいたいという手紙を受け取り、その翌日患者の親子がやってくる。診療中に発作が起こったが、トレヴェリアンが薬を取ってくる間に患者は息子ともども消えてしまう。だがその翌日、つまり今日、彼らは再びやってきて、診療の続きを受ける。その晩、ブレシントンは自分の部屋に誰かが侵入したと、取り乱した様子でトレヴェリアンを問いつめた。第三者の足跡があったのだ。おそらく今日来た患者の息子のほうが侵入したとしか思えず、医師はホームズに事件の真相解明を依頼する。 ホームズは調査のために病院を訪れたが、「自分を狙う人物に心当たりはない」というブレシントンの主張に対してホームズが態度を硬化させ、捜査を打ち切ってしまう。
翌朝、ブレシントンが首吊り死体で見つかり、ホームズは事件の謎に挑む。警察は自殺ではないかと推測するが、ホームズは周到に計画された殺人であると断定し、足跡や葉巻の吸い殻などから3人の犯人がいたことをつきとめる。
脚注
- ↑ ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、243-244頁