ヒューレット・パッカード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年7月11日 (金) 22:19時点におけるToto-tarou (トーク)による版 (カッコよりNYSE除去)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox

ファイル:20020306-hp-garage-in-palo-.jpg
創業場所に転用した、パロアルトにあるパッカードの車庫(en:Packard's garage)。2007年にアメリカ合衆国の史跡に指定された。

ヒューレット・パッカードHewlett-Packard Company)は、主にコンピュータプリンターなどコンピュータ関連製品の開発・製造・販売・サポートを行うアメリカ合衆国の企業である。HP(エイチピー)の略称で呼ばれることが多い。本項でもHPと記す部分がある。スローガンは「invent」。

日本法人として日本ヒューレット・パッカード株式会社を持つ。

概要

1939年に、ウィリアム・ヒューレットデビッド・パッカードにより米国カリフォルニア州パロアルトで創業された。現在も同地に本社を置く。当初は計測器メーカーとして創業したが、計測器部門は1999年アジレント・テクノロジーへ分割され別会社となった。

社員の多様性を尊重した社風"HP WAY"でもよく知られる。

2006年11月16日に発表した2006年会計年度(2006年10月まで)によると、HPの年間売上高は917億ドルに達し、IBMが発表した2006年度の決算(売上高914億ドル)を上回り、当時の売上高で世界第1位のIT企業になった(2012年はアップルの売上高はHPを上回って売上高で世界第1位のIT企業になった)。HPは、サーバやPCといったハードウエアの拡販が進み、コンシューマ市場でもPC、プリンタでの売上の強化を図っているための結果である。一方IBMは、企業向けのシステムインテグレーションアウトソーシング事業に傾注し、売上高よりも利益重視の経営へと進んでいることによる。両社の事業ポートフォリオは分かれつつあるが、企業向けのシステムインテグレーションやサーバ製品では、これまで通りの競合状況にあり、今後も業界盟主の座をかけた競合状況は進むと予想される。

2008年5月、ITサービスの分野で世界第2位のElectronic Data Systems(EDS)買収し、この分野でもIBMへの追撃を図る。さらに同年10月には、無線LAN、無線ネットワークセキュリティを手がけるコルブリス・ネットワークス(Colubris Networks)[1]も買収し、同社の製品を、有線・無線ネットワーク機器のブランドである「HP ProCurve」に統合した。

2009年11月に、スリーコム社を27億ドルで買収すると発表した。

2011年現在では売上高が世界最大のIT機器メーカーであり、パソコンサーバプリンターなどで世界的シェアを持つ。2002年にコンピューター大手コンパックコンピュータ (COMPAQ) を買収し、大規模合併で話題を呼んだ。この合併後、PC事業についてはデルに次ぐ2番手の地位に甘んじていたが、2006年第3四半期におけるPCの販売台数が世界1位となり、2009年現在も1位を維持している。[1]

2011年8月18日に、オートノミーを102億ドルで買収することと、WebOS搭載携帯機器(携帯電話機やタブレット機器)の開発の中止(WebOSのソフトウェアとしての開発は継続)、パソコン事業部門の15ヵ月以内を目途とした再構築を発表。特にパソコン部門の再構築についてはすなわちHPのパソコン分野からの撤退と直結的に受け止められ、翌日の株価は20%下落した。この時点において、パソコン市場では世界的にトップシェアであり、大半の報道では収益性の低さからパソコン分野から撤退するものと決定的に報じられているが、HPはパソコン分野からの撤退は決定事項ではなくあくまでも数ある選択肢のひとつであるとしている。

2011年9月22日に、レオ・アポテカーからメグ・ホイットマンにCEOが交代になり、それをうけ方針転換し、10月27日にパソコン部門は継続されることが発表された。

歴代CEO

関連企業

製品群

コンピュータハードウェア

ファイル:Jornada 690 HP.jpg
Jornada690 かつて展開していたHandheld PC

(企業向け OpenGL 対応グラフィクス機能を強化したPC)

コンピュータソフトウェア

マイクロプロセッサ

  • IA-64
    インテルと共同で開発した64ビットプロセッサ。
  • PA-RISC
    HPが独自に開発したRISC型プロセッサ。HP-UXを動かすHP-9000シリーズで使用。
  • DEC Alpha
    DECが開発したプロセッサ。当時の他のプロセッサより高速な上、Windows NTなど対応するシステムもバラエティに富んでおり、当時は人気があった。しかし、HPはIA-64を提供しているため、Alphaは既存顧客のためだけに維持していた。開発はすでに終了した。

プリンター

テンプレート:Main HP製のインクジェットプリンターは、一部の機種(シリーズ)を除き、プリントヘッドとインクカートリッジが一体となっている のが特徴であった(現在テンプレート:いつはインクカートリッジとヘッドが分離し、各色独立インクカートリッジを持つ機種が主力となり、ヘッド一体型インクカートリッジは廉価機種に限られる)。世界的にはトップシェアを誇っているが、日本においては、エプソンキヤノンブラザーの次のグループに甘んじている。

小規模オフィス(SOHO)向けに強みがあり、USBプリントサーバ(有線・無線LAN)などのインターフェース、 スキャナFAX等の機能を搭載した複合機を他社に先駆けて積極的に導入している。

写真画質に対する取り組みに関しては元々は熱心ではなかったが、2002年にフォトインクの追加、6色カラー印刷への対応を行った。その後、ラインナップを印刷専用機から複合機へシフトさせた。2008年現在、コンシューマ向けのラインナップのほとんどが複合機となっている。

電卓

HPの電卓は逆ポーランド記法を採用している。1972年に世界最初のポケットサイズの関数電卓であるHP-35を発売して以来、エンジニア向け、金融計算向けの関数電卓を発売している。

HP-65は世界初のポケットサイズのプログラム可能電卓である。HP-41Cでは初めてアルファベットも表示可能になった。金融電卓のHP-12Cは、金融業界ではロングセラーとなっている。プログラマむけのHP-16Cは多彩なビット演算が可能、HP-48シリーズは高機能なグラフ電卓である。

HPは一時電卓の新規開発を休止したが、2003年より再び電卓事業を再開した。2006年には、HP-12C Platinum 25th Anniversaryが、2007年にはHP-35の誕生35周年を記念したHP-35sが発売された。 再開後に発売された一部の機種には、逆ポーランド記法ではないものや、逆ポーランド記法をメインにしつつ、一般的な代数記法(AGL)方式をサポートしたものがある。

脚注

  1. 2000年にマサチューセッツ州で創立した無線LANに特化した企業。この時点で、世界で唯一旅客機用デュアル無線Wi-FiIEEE 802.11n/a/b/gとa/b/g)を手がけている。そのほか、鉄道ホテル病院公共施設ISPなど、エンタープライズ向けWi-Fiソリューションを得意とする。

外部リンク

テンプレート:Commons category

テンプレート:ダウ平均株価