ブリット

この項目では、1968年のアメリカ映画について説明しています。その他の用法については「ブリット (曖昧さ回避)」をご覧ください。

イギリスの監督ピーター・イェーツのハリウッド第1回作品。マックイーンのクールな演技と、イェーツのシャープな演出が絶妙なコラボレーションを奏でている。

マックイーンが運転する1968年型フォード・マスタングGT390と敵の1968年型ダッジ・チャージャーによるサンフランシスコの急斜面を利用したカー・アクション、クライマックスの空港での追跡劇が印象的。

ストーリー

サンフランシスコ市警察本部捜査第一課のブリット警部補（スティーブ・マックイーン）は、チャルマース上院議員（ロバート・ヴォーン）から裁判の重要証言者の保護を命じられる。その証言者とは、ジョー・ロスというマフィア組員。ロスは組の金を横領し、組のヒットマンから狙われていた。

ブリットは、部下のデルゲッティ部長刑事・スタントン刑事と交代でホテルの一室にてジョー・ロスを保護する。ところが、ロスはスタントン刑事が目を離した隙に部屋のドアを開け、それと同時に部屋に入ってきたヒットマンに射殺されてしまい、スタントン刑事も重傷を負う。

スタントン刑事の証言により、ロスがヒットマンと示し合わせたかのようにドアを開けたことを知るブリット。ブリットは裏になにかあることを感じ取り、ロスが死んだことを報告せず、デルゲッティ部長刑事と捜査を開始する。

翻訳：木原たけし、演出：小林守夫、調整：前田仁信

現役レーサーのマックイーンと元レーサーのイェーツ監督の作品であり、サンフランシスコのロケでもジョン・フォード、黒澤明作品で見られるスピード感を出すためカメラの撮影スピードを落とす方法は採らず、カーチェイスは実際に猛スピードで展開された。撮影監督のウィリアム・フレイカーはドライバーの主観で撮影するアイディアを発案。構造の堅牢なアリフレックスを車内に持ち込んでいる。撮影に使える区間が限られていたため撮影ははかどらず、撮影には5週間が費やされた。