恋のフーガ
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「恋のフーガ」(こいのフーガ)は、1967年に発表されたザ・ピーナッツの楽曲。
「恋のオフェリア」/「恋のロンド」などの「恋」シリーズの楽曲の一つであった。
2003年8月に小柳ゆき、2005年2月にはW(ダブルユー)がカバーした。このため本項では便宜上それらのカバーバージョンについても記述する。
概要
この曲はタイトルに「フーガ」とあるが、音楽学上の定義ではフーガの形式をとっていない。編曲を担当した宮川泰は当初、フーガのイメージを出すアレンジを試みたが行き詰ってしまい、吹っ切って「少し怖い感じ」にアレンジした。
イントロダクションの演奏にティンパニを使用したことによる切れのいい音と、これにピーナッツの伸びのあるダイナミックな歌唱が加わった結果、恋に破れた悲しい歌詞の情景をズタズタに「破壊」してしまうまでに至った。
作曲したすぎやまこういちもこの功績を認め、すぎやまは作曲で得た印税の一部を宮川に分けた。通常、日本で編曲のみ手がけた場合は、契約で一定の報酬額しかもらえないため、このような事例は異例である。また作詞のなかにし礼はこの年、この作品の功績で1967年の日本レコード大賞作詞賞を受賞する。
ザ・ピーナッツ盤には英語バージョンも存在していた。これは2004年6月にキングレコードより発売されたザ・ピーナッツ レア・コレクションなどに収録されている。
ザ・ピーナッツ盤は1967年の『第18回NHK紅白歌合戦』でも歌われ、その映像はNHKにモノクロ映像が保管されており、特別番組でその部分が放送されたこともあった。
オリジナル
- 1967年8月発売
- 作詞:なかにし礼、作曲:すぎやまこういち、編曲:宮川泰
- 演奏:レオン・サンフォニエット
- 発売:キングレコード
- レコード・マンスリー歌謡曲ベストセラーランキング12位(1968年1月)
- オリコンシングルチャートで最高20位(1967.11.23付/オリコンが正式に開始する以前の非公式のチャート)
小柳ゆきバージョン
- 2003年8月6日発売
- 編曲:PCR
- 発売:ワーナーミュージック・ジャパン
- カップリング曲は沢田知可子の『会いたい』、ヘイゼル・ディーン(カイリー・ミノーグ・Winkもヒットさせた)の『愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜』、李仙姫の『J』。
- オリコンシングルチャートで最高36位
- アルバム「KOYANAGI the COVERS PRODUCT 2」にも収録。
W(ダブルユー)バージョン
- 編曲:馬飼野康二
- 発売:アップフロントワークス(zetimaレーベル)
- カップリング曲は同じくザ・ピーナッツの『ふりむかないで』
- Wのデビューシングルは同じくザ・ピーナッツの『恋のバカンス』。
- ハロー!プロジェクトが発売したシングル(A面)曲の中で再生時間が最も短い。
その他のカヴァー
- 木の実ナナ(1967年10月28日公開の映画『クレージーの怪盗ジバコ』)
- 劇中で英語バージョンを歌唱。オリジナル版発売直後の、ほぼリアルタイムでのカヴァーとなった。
- キャンディーズ(1977年、アルバム『Candy Label』)
- The JG's(1987年、リミックスアルバム『D.C.レトロ』)
- GO!GO!7188(2000年、シングル『ジェットにんぢん』)
- ARAHIS(2006年、ミニアルバム『ARAHIS』)
- 松尾ヒロコ(2007年、アルバム『ノスタルジア~哀愁舞踏~』)
- 茉奈 佳奈(2009年、アルバム『ふたりうた』)
- 岩崎宏美(2010年、アルバム『Dear Friends V』)
- ハウス食品のCM 「追いかけて」の部分を「お湯かけて」に替えて歌われた。
- 1990年代に放映されていた大森屋のCM「しらすふりかけ」や2001年に放映された宝酒造「タカラ缶チューハイ」のCMでもこの曲の替え歌が使われていた。
- 浅羽悠太(内山昂輝)& 浅羽祐希(木村良平)(2012年、君と僕。2 第6巻 Blu-ray&DVD 完全生産限定版特典 キャラクターソングCD⑤)
参考文献・出典
- ザ・ピーナッツ メモリーズBOX(キングレコード、2004年11月26日発売)解説書
- ザ・ピーナッツ レア・コレクション(キングレコード、2004年6月発売)解説書
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