札幌市交通局330形電車
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札幌市交通局330形電車(さっぽろしこうつうきょく330がたでんしゃ)とは、札幌市交通局が1958年に導入した札幌市電の路面電車車両である。
概要
車両番号 | 製造年月 | 製造元 | 廃車年月 | 機器供出 |
---|---|---|---|---|
331号 | 1958年4月 | 日立製作所 | 2001年11月 | 3305号 |
332号 | 1999年12月 | 3303号 | ||
333号 | 1999年3月 | 3302号 | ||
334号 | 1998年3月 | 3301号 | ||
335号 | 2000年11月 | 3304号 |
1958年(昭和33年)に登場した。331~335号の5両。登場当初の塗色は上半部がデザートイエロー、下半部はライトグリーンであり、この塗色は他形式も含めた当時現役の全車両に拡大採用された。また、前面と車体裾にはステンレスの飾り帯も付けられた。
東急デハ200形をモデルに軽量車体、小径車輪による低床化が図られ、また、後に札幌スタイルと呼ばれることになる、丸みの強い、正面1枚窓のデザインが採用された。この設計は210形以降の道産電車の基にもなった。
当初からZ形パンタグラフ、ドアエンジン、大型方向幕が装備された。在来車よりも軽量で電動機出力も向上したため、運転しやすく、乗務員の評価は高かった。
1998年(平成10年)から2001年(平成13年)にかけて廃車され、3300形に主要機器を譲った。
改造
ワンマン化
1971年(昭和46年)に、全車が電車事業所でワンマン化改造され、識別のため、車体に蛍光色の赤帯が入れられた。
制御器
ワンマン化と同時に制御器を東京都電8000形の廃車発生品に交換し、直接制御から間接非自動制御に改造された。
車体更新
1980年(昭和55年)~1981年(昭和56年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化は無いが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾のステンレス製飾り帯は撤去された。
塗色変更
- 1986年(昭和61年)に331~333号が「'86さっぽろ花と緑の博覧会」PR塗装に変更された。
- 1992年(平成4年)に331~333号が姉妹都市のドイツ・ミュンヘン市電を模した上半部クリーム、下半部ブルーの塗色に変更された。
- 1994年(平成6年)頃の一時期、334号車の車体に熱帯魚のイラストを描いた、「マリン電車」というペイント車両で運転されたことがある。
保存車
335号の車体は札幌市西区の児童図書館に寄贈され、先に同施設に置かれていた216号と車体だけを交換した状態で再利用されている。