豊橋鉄道1800系電車 (2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年6月26日 (木) 23:14時点におけるShfuienef (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Mboxテンプレート:鉄道車両

豊橋鉄道1800系電車(とよはしてつどう1800けいでんしゃ)は、2000年に登場した豊橋鉄道(豊鉄)渥美線通勤形電車東京急行電鉄(東急)7200系を譲り受けた車両。

概要

渥美線では、1997年に架線電圧を600Vから1,500Vに変更する際、親会社である名古屋鉄道(名鉄)から7300系の譲渡を受け、すべての車両を入れ替えた。しかし、加速性能の低さから昇圧と同時に実施された増発(15分間隔→12分間隔)に伴うスピードアップに対応できず、昇圧前のダイヤに戻すことになってしまった。そこで、加速性能の向上と乗降時間の短縮を図るため、2000年に導入されたのが本系列である[1]。なお、本系列の導入により7300系を全廃し、渥美線の列車はすべて3両編成で運行されることになった。

地上設備の関係上、回生ブレーキを使用停止としたほか、一部車両で台車[2]やパンタグラフ[3]、補助電源装置[4]、列車無線アンテナ[5]が交換された。

全編成で運転台のガラス(モ1811 - 1813・1860を除く)[6]が交換されデフロスタが使用可能になった。

電装品のメーカーによる番号の区別はなくなったが、編成別に同一メーカーに揃えられている。

行先表示機は、通常使用される新豊橋三河田原高師のほか、大清水老津の表示が可能である。通過標識灯は使用されていない。

赤を基調とした基本デザイン、青を基調としたなぎさ号、黄を基調としたなのはな号、緑を基調とした新デザインの4種があったが、イベント期間を除き特に区別なく運用されていた。通常は10編成のうち7編成が使用され、予備車両及び検査車両の3編成は高師駅、車両区で留置されている。なお、2013年1月12日より三河田原駅周辺整備事業と連動し、順次それぞれ異なるラッピング装飾をして現在は全編成が「渥美線カラフルトレイン」として運行されている[7]

ク2800形に車いすスペースが設置されているが十分な広さとは言い難い。車いす利用者は別の場所に乗車しているのが現状である。

沿革

  • 2000年:東急からデハ7200形15両、デハ7300形3両、デハ7400形3両、クハ7500形9両の計30両の譲渡を受け、部品取り車のデハ7200形3両を除く27両を3両編成9本とした。
  • 2001年:車両区の火災によって2両が使用不可能となったため、部品取り車のうち2両が営業用に整備された[8]。新たに整備された2両には被災車と同じ番号が与えられている[9]
  • 2008年:同じ元東急7200系で上田電鉄7200系として使用されていた2両(元デハ7200形、元クハ7500形各1両)の譲渡[10]を受け、残る部品取り車1両とともに営業用に整備した。これにより3両編成10本の陣容となった。

車両形式

モ1800形
元デハ7200形のうち、下り寄り先頭車として使用するもの。例外として、モ1800形のなかでモ1811 - 1813・1860は中間車として使用する。[11]
モ1850形
元デハ7300形およびデハ7400形で、中間車として使用。
ク2800形
元クハ7500形で、上り寄り先頭車として使用。

編成

編成名
電装品メーカー
写真
(カラフルトレイン化前)
写真
(カラフルトレイン化後)
テンプレート:TrainDirection
豊鉄での車両番号
(東急での車両番号)
備考
(カラフルトレインの愛称は運行中のものを表記)
1801F 日立 100px モ1801
(デハ7204)
モ1811
(デハ7209)
ク2801
(クハ7502)
ばら号
モ1801-モ1811は2代目
1802F 日立 100px モ1802
(デハ7206)
モ1812
(デハ7207)
ク2802
(クハ7507)
はまぼう号
1803F 日立 100px モ1803
(デハ7201)
モ1813
(デハ7210)
ク2803
(クハ7504)
つつじ号
1804F 日立 100px モ1804
(デハ7212)
モ1854
(デハ7301)
ク2804
(クハ7501)
ひまわり号(元・なぎさ号)
1805F 日立 100px モ1805
(デハ7208)
モ1855
(デハ7302)
ク2805
(クハ7508)
菖蒲号
1806F 日立 100px モ1806
(デハ7205)
モ1856
(デハ7401)
ク2806
(クハ7505)
しでこぶし号(元・パークベルクリニック号)
行先表示機が電動式
全車に側面行先表示器を搭載
1807F 東洋 100px モ1807
(デハ7251)
モ1857
(デハ7351)
ク2807
(クハ7554)
菜の花号(元・なのはな号)
行先表示機が電動式
モ1807-モ1857に側面行先表示器を搭載
1808F 東洋 100px モ1808
(デハ7260)
モ1858
(デハ7452)
ク2808
(クハ7560)
椿号
1809F 東洋 100px モ1809
(デハ7256)
モ1859
(デハ7451)
ク2809
(クハ7552)
桜号
1810F 東洋 100px モ1810
(デハ7255)
モ1860
(デハ7257)
ク2810
(クハ7551)
菊号(元・しばざくら号)
デハ7257-クハ7551は上田電鉄から移籍[12]
新デザイン編成

その他

テンプレート:節stub

軌条塗油装置設置車両
ク2801、ク2806、ク2808
セラミック噴射装置設置車両
1802F、1804F、1805F、1807F
低圧ツナギ箱改修車両

脚注

テンプレート:Reflist テンプレート:脚注ヘルプ

テンプレート:豊橋鉄道の車両

  1. ただし、このダイヤでは途中に交換設備のない杉山駅 - 神戸駅を12分以内で行き来しなければならず、これは本系列によっても困難である。したがって、ダイヤは現在に至るまで昇圧前とほとんど変わっていない。
  2. ク2801 - 2803・2806 - 2810がPIII-708形からTS-815T形に交換された。ク2804・2805のTS-839形はそのまま使用されているが性能及び形状がほぼ同一のため名称はTS-815T形に統一された。(台車枠の銘板参照)
  3. モ1812号は運行開始後しばらくしてパンタグラフ破損のため舟体形状の異なる同系統の菱形パンタグラフに交換された。1804F - 1806Fはシングルアーム式に交換された。
  4. ク2806・2810は50kVAのSIVから、ク2807 - 2809は90kVAのMGから、それぞれ90kVAのSIVに交換された。
  5. 東急時代の逆L型アンテナから7300系で使用されていたアンテナへの交換。使用周波数帯からいえば問題ない為、詳細な理由は不明。
  6. デフロスタ付きガラスへの交換、車両によりデフロスタの電源が100Vと200Vがある。
  7. カラフルトレイン 豊橋鉄道ホームページによる。
  8. 被災したモ1801(デハ7203)は解体され、モ1811(デハ7202)は車両区で保管されている。
  9. テンプレート:Cite journal
  10. 上田電鉄、豊橋鉄道共に公式には譲渡の件を公表していない。
  11. 2008年に登場したモ1860は元デハ7200形であるが、当初より運転台の機器が撤去され運行を開始した。モ1811 - 1813は後年、運転台の機器が撤去された。(車両形式は元運転台内に掲示された形式番号を参照)
  12. 上田電鉄での車両番号はモハ7251-クハ7551。なお、クハ7551の側面行先表示器は上田交通への移籍時に撤去された。