奇譚クラブ

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テンプレート:性的  『奇譚クラブ』(きたんくらぶ)は、昭和22年(1947)11月創刊のカストリ雑誌の不定期刊行時代を経て月刊誌として昭和58年(1983)まで出版されたSM系の雑誌

 昭和23年(1948)1月の通刊3号でGHQによる本格的な検閲[1]を受けエログロから一般的な風俗誌への軌道修正を余儀なくされた。昭和23年(1948)3月の通刊5号でグラビアが検閲違反[1]となり、昭和23年(1948)4月の通刊6号が刑法175条わいせつ物頒布罪で摘発され提訴、昭和27年(1952)4月1日最高裁への上告棄却でわいせつ物頒布罪の有罪確定、昭和28年(1953)1月に発禁処分[2]となり、次いで昭和29年(1954)3月[3]と昭和30年(1955)5月の三度に渡り発禁処分を受け廃業するが、半年後に出版社を換えて出版を再開。出版社は、曙書房天星社暁出版(大阪)きたん社と変わっている。

 SM性行動を扱った文学作品としては古典の部類に入る団鬼六の『花と蛇』、沼正三の『家畜人ヤプー』はこの雑誌に発表されたもの。昭和22年(1947)12月号には男娼、男妾の記事があり、創刊年の頃から男色や男性同性愛について取り上げ、更に昭和25年(1950)1月号には女性同性愛の記事も掲載されている。

 平成9年(1997)11月(出版50周年)に 平成版 奇譚クラブユニ報創より出版され、不定期ながらも翌年7月(新装3号)までの出版が確認されている。新創刊ではなく新装刊としており復刊を意識した巻頭挨拶文が掲載されている。内容はSMも扱う風俗誌としており昭和40年代の奇譚クラブに掲載されていた記事やモノクロ写真を幾つか再掲載している。

関連項目

外部リンク

脚注

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  1. 1.0 1.1 プランゲ文庫に通刊3号~10号まで行われた検閲の記録が残されている。
  2. KK通信 昭和28年(1953)1月号 P4 読者間の私信転送が売春斡旋行為と判断された為、転送を中止した。
  3. KK通信 昭和29年3月号 P4に記載有り
  4. 森下小太郎「『家畜人ヤプー』の覆面作家東京高裁倉田卓次判事」(『諸君!1982年11月号)