男性器
男性器(だんせいき)とは、体外と骨盤周辺に位置する男性の生殖器官である。男性器で作られた精子は女性の卵子と受精すると受精卵(接合子)を形成し、細胞分裂を繰り返して胎児へと成長する。男性器に含まれる諸器官のうち、陰茎と陰嚢は体外に露出している。
二次性徴
男性器は思春期に第二次性徴によってTannerによる段階で成長する[1]。精巣容量が4mlに達した頃が第二次性徴・思春期の起点となり、起点の年齢は平均して11歳6ヶ月前後である。精巣容量は第1段階が4ml未満、第2段階が4ml以上である以外は特に定義が無い[2]。思春期開始時は男性器の発達のみが起き、他の体位の発達開始はそれより後となる[3]。
- 第1段階 - 幼児型、思春期前
- 第2段階 - 陰嚢、精巣は大きさを増し、陰嚢はきめ細かくなり、赤みを帯びる。思春期が始まる。
- 第3段階 - 陰茎はやや長く、太くなる。陰嚢、精巣は大きさを増す。
- 第4段階 - 陰茎は長く、太くなり、陰茎亀頭が発育する。陰嚢、精巣はさらに大きさを増し、陰嚢は黒ずんでくる。
- 第5段階 - 成人型となる。
交尾・性交
男性器を女性器に挿入し、男女の性器を結合させることを性交という。動物は子孫を残すために(本能的に)交尾を行うが、人間の性交では必ずしも妊娠・出産を目的とせず、男女相互のコミュニケーションのため、あるいはもっぱら快感を得るために行われる場合も多い(性交は基本として「膣性交」を指すが、当人の性嗜好などによっては「口交=口唇性交や、肛交=肛門性交などや、同性同士の性交もある)。
性的興奮すると陰茎と亀頭内の海綿体が充血、肥大し長さや硬さが増し膣内に挿入しうる状態になる。性交をするときには、男性の勃起した性器を女性の膣口にあてがい亀頭部分で膣口をゆっくり押し広げるように挿入し性器同士を結合させる。快感を得るために陰茎を膣内で前後に抜き差しする性交運動により、男性は陰茎や特に亀頭冠が、女性は膣壁が摩擦刺激されしだいに性感が高まる。性器同士の密着感を味わうために性交運動の間に体位を変えることも行われる。数分間の性交運動によってお互いの性器から受ける快感が最高潮に達すると絶頂感とともにオーガズムを迎える。
妊娠・出産
男性が性交運動により受けた快感でオーガズムに達すると、射精が起こる。
男性はコンドーム装着などで性器からの快感があまり阻害されずに直接膣内に射精し精液を送り込むという満足感、女性は男性の射精に伴う亀頭や陰茎の律動感や膨張感を味わうことができる。このように、避妊をせず直接膣内に射精した場合、精液内に含まれる精子が、女性の卵巣から排出された卵子と卵管膨大部で結合し、受精が完了する。その後、子宮内で受精卵が育ち、新たな生命となる。