ムルチ
ムルチは、特撮テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』を始めとするウルトラシリーズに登場する架空の怪獣。別名「巨大魚怪獣」(きょだいうおかいじゅう、きょだいぎょかいじゅう)。
直立する魚の怪獣であり、鮭の成魚に顔が酷似し、鼻曲がりになっている。腕、脚、尾に水色の斑点模様がある。
目次
『帰ってきたウルトラマン』に登場するムルチ
『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」に登場。
- 身長:48メートル
- 体重:1万トン
- 出身:地中
川崎の河原に出現して暴れていたところを、善良な宇宙人であるメイツ星人の超能力で高速道路付近の地中深くに封印されていたが、公害による大気汚染で衰弱したメイツ星人が宇宙人を恐れる民衆から良少年を助けようとして警官に射殺されたため、封印が解け復活する。
設定では魚が環境汚染によって突然変異したことで生まれた怪獣だが、劇中での描写はない。戦力として口からは赤い破壊光線を吐く他、尻尾でビルを叩き壊す。復活後はまるでメイツ星人の無念を晴らすかのように人間たちを襲い、周囲の工場を壊滅させる。郷はこれを自業自得として戦うのを拒むが、僧に扮した伊吹隊長の檄を受けウルトラマンに変身、豪雨の中でムルチと戦う。激しい格闘戦の末、動けなくなったところをウルトラリフターで炎の海の中に投げ込まれ、スペシウム光線でとどめを刺される。
『ウルトラマンA』に登場するムルチ
『ウルトラマンA』第7話「怪獣対超獣対宇宙人」、第8話「太陽の命! エースの命!」に登場。
- 身長:48メートル
- 体重:1万トン
- 武器:鋭い牙
第7話でドラゴリーとメトロン星人Jr. にAが苦戦しているところに突如地中から出現し、戦いに加わる。弾き飛ばされたAを投げ倒すなどして、共にAを苦しめる。しかし、第8話の冒頭でAに突進しようとして誤ってドラゴリーに激突し、逆上したドラゴリーに投げ飛ばされた後、下顎から腹を引き裂かれ、左足をもぎ取られ惨殺される。
- 初代と比べて体系は痩せており、シルバー系の体色、目つき、尻尾の先が魚の尾鰭(おびれ)のような形状をしているなどの違いがある。
- なぜ突然地中から出現したのかは不明で、妖星ゴランの接近によって目覚めたという説と、ヤプールが目覚めさせたという説がある。
- ビデオ及びDVDで発売された『ウルトラ怪獣大百科 ウルトラマンA編』のナレーションの解説では初代ムルチの同族、『続ウルトラマン大百科』(ケイブンシャ)や『週刊ウルトラマンオフィシャルデータファイル』では鰭が小さいことから初代ムルチの息子と記述されている。
- 脚本の段階では登場する怪獣はシーゴラスだったが、ムルチに変更されている[3]。放送当時に連載された『幼稚園』ではこれに準じた展開になっている。
- 着ぐるみは、前作の撮影終了後に怪獣ショーなど多方面で使用されていたオリジナルを借り受けたもの。しかし、八つ裂きにしたことで使用不能となったため、スタッフはイベント担当セクションから大目玉を食ったという[3]。
- 『ウルトラマンメビウス』第25話では「ムルチ二代目」としてドキュメントTACに記録されている。同話ではドラゴリーに引き裂かれたことをテッペイが語っている。
巨大魚怪獣 ゾアムルチ
『ウルトラマンメビウス』に登場するゾアムルチ
『ウルトラマンメビウス』第32話「怪獣使いの遺産」に登場。
- 身長:48メートル
- 体重:1万トン
GUYSのドキュメントMATに記録されている、怪獣ムルチの別個体をメイツ星人ビオが改良。地球にやってくる際一種の冬眠状態のままで、あくまでも万が一の武力手段として円盤に積まれてやって来る。過去の個体ではただの模様であった青い斑点模様は、青い結晶のようなものに変って下半身や尻尾に埋め込まれている。ビオの脳波によって操られ、円盤による破壊活動を止めようとしたメビウスに対抗した彼によって覚醒。青い破壊光線を口から吐きながらメビウスと戦うが、園長とリュウの説得に思い留まったビオの願いを受けたメビウスのメビュームシュートを受けて倒される。
- 口から吐く青い破壊光線の威力は高くなく、メビウスに胸で受け止められる。
- 小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』ではTV版とは異なり、地球人という存在全体を見極める道を選んだビオの手によって地中深く封印されるという結末を辿っている。同作では「ゾア」は「憎悪」を意味するとされている。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に登場するゾアムルチ
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第9話「ベンドラゴン浮上せず!」に登場。
- 身長:48メートル
- 体重:1万トン
惑星ボリスの海底に生息。スペースペンドラゴンを襲うとするがレイの放ったエレキングと海中で対決。エレキングの放電攻撃により倒される。
- 着ぐるみは『ウルトラマンメビウス』で使用された物の流用。
『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するゾアムルチ
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。
ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力で怪獣墓場から復活し、ベリアル軍団の一体となる。怪獣墓場でウルトラ戦士やレイの怪獣達を迎え撃つ。ウルトラマンメビウスと戦うが、最後はメビウスのメビュームシュートを受けて倒される。
また、ベリュドラの左腕を構成する怪獣の一体として、初代ムルチの姿が確認できる。
- 着ぐるみは『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』までに使用された物の流用。
『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場するゾアムルチ(SDI)
映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場。
ライブパッドを使った「ウルトライブシミュレーション」でヒカルがライブし、健太がライブしたドラゴリー(SDI)、友也がライブしたゼットンと戦い、ドラゴリーとは互角に戦うも最後は乱入してきた千草がライブしたザムシャー(SDI)にドラゴリー、ゼットン共々倒される。
- ドラゴリーとの戦いは『A』第8話を再現しているが、勝敗は異なる[4]。
その他
- 漫画『かがやけ ウルトラの星』では怪獣軍団の一員として登場。巨大ヤプールに率いられて四国に出現し、ウルトラマンAと戦う。
- 漫画『ウルトラマンSTORY 0』第5話「失われた光」では普通の食用魚として登場する。
脚注
関連項目
- ウルトラ怪獣一覧
- 帰ってきたウルトラマンの登場怪獣
- ウルトラマンAの登場怪獣
- ウルトラマンメビウスの登場怪獣
- メイツ星人
- カムルチー - 朝鮮半島などに生息する雷魚の一種、ムルチの名の由来とする説もある。
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book
- ↑ 3.0 3.1 『僕らのウルトラマンA』(辰巳出版・2000年)p.49
- ↑ テンプレート:Cite book