Intel 80387
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Intel 80387は、インテルの32ビットCPUである80386用のFPU。インテルでの呼称はNDP (Numeric Data Processor)。インテル最初のIEEE 754対応品となった(8087、80287はIEEE 754との間に非互換の部分を有する)。
80386はこれ以前のプロセッサである8086や80286と同じく、整数計算の命令しか備えていないため、80386だけで浮動小数点演算を行うには、浮動小数点演算ルーチン群ライブラリを用意する必要があった。
80387を80386に接続すると、浮動小数点計算の命令を扱うことができるようになり、浮動小数点計算の命令は、自動的に80387に送られて処理され、プログラム上は、浮動小数点演算機能が追加されたように見える。80387は演算処理専用のハードウェアとして稼動するため、ライブラリを使う場合に比べ演算速度が向上する。
80386を搭載したコンピュータには、80387を挿すことができる専用のソケットが用意されていた。80386SX用には80387SXがある。
コプロセッサとのインターフェイスには特許が取得されていなかったため、IDTやサイリックスが、さらに高速に演算を行う互換品を製造していた。