根津神社

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根津神社(ねづじんじゃ)は、東京都文京区根津にある神社旧社格府社で、元准勅祭社(東京十社)

古くは「根津権現」とも称された[1]

概要

日本武尊が1900年近く前に創祀したと伝える古社で、東京十社の一社に数えられている。境内はツツジの名所として知られ、森鴎外夏目漱石といった日本を代表する文豪が近辺に住居を構えていたこともあり、これらの文豪に因んだ旧跡も残されている。

現在の社殿は宝永3年(1706年)の創建である。宝永2年(1705年)江戸幕府第5代将軍徳川綱吉の養嗣子に家宣(第6代将軍)が入ったため、元の屋敷地が献納され、「天下普請」と言われる大工事で社殿が造営されたものである[2]権現造(本殿、幣殿、拝殿を構造的に一体に造る)の傑作とされている[2]。社殿7棟が国の重要文化財に指定されている[2]。また、例大祭は天下祭(江戸の代表的な祭礼)の1つに数えられている。

祭神

主祭神
相殿

歴史

1900年ほど前に日本武尊が千駄木に創祀したとされる。文明年間(1469年-1486年)には太田道灌により社殿が造られた。

万治年間(1658年-1661年)に同所が太田氏の屋敷地となったため東方に移り、のちさらに団子坂上(現文京区立本郷図書館周辺、元根津)に遷座した[3]

宝永2年(1705年)江戸幕府第5代将軍徳川綱吉が兄綱重の子・綱豊甲府藩主。のちの第6代将軍・家宣)を養嗣子に定めた。綱豊が江戸城に移ると、当社が家宣の産土神とされていたことから、綱豊の屋敷地(旧甲府藩邸、現在地)を当社に献納して普請を開始した[3]。社殿は宝永3年(1706年)に完成し、同年遷座した。

根津権現」の称は明治初期の神仏分離の際に「権現」の称が一時期禁止されたために衰退したが、地元では現在も使われる場合がある。単に「権現様」とも称される[4]。文学作品では「根津権現」として出てくることが多い。

東京大学の移転にともない、門前に形成されていた根津遊郭は廃され、江東区の州崎遊郭へと移転した。

境内

社殿

社殿は江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉による造営で、本殿・幣殿・拝殿が1つにまとめられた権現造の形式である。

その他

境内には「徳川家宣胞衣塚」として、第6代将軍・家宣の胞衣(胎児を包んだ膜と胎盤)を埋めた塚がある。当地が甲府藩邸であった時に家宣が生まれたことに由来する。

また、塞大神碑として、本郷追分(東大農学部前の中山道日光御成街道分岐路)に祀られていた道祖神が立っている。境内のつつじは、徳川綱重が屋敷の庭に植えたことに始まる。そのほか、境内には6代家宣公の産湯井戸(非公開)や庚申塔などがある。

摂末社

祭事

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つつじまつりの様子
  • 1月
  • 2月
  • 4月-5月
    • つつじまつり
  • 6月
    • 大祓
  • 9月
  • 10月
    • 根津・千駄木下町まつり(10月20日頃)
  • 11月
  • 12月

文化財

重要文化財(国指定)

建造物
  • 根津神社 7棟
    • 本殿・幣殿・拝殿(1棟)
    • 唐門
    • 西門
    • 透塀(3棟)
    • 楼門
    • (附として)銅灯籠2基
工芸品
  • 太刀 銘長光
  • 太刀 銘備州長船秀光 康暦二年二月 日

文京区指定文化財

  • 神楽面 16面(彫刻) - 平成6年指定
  • 神輿 3基(附 獅子2頭)(工芸) - 昭和55年指定
  • 徳川氏朱印状 8通(古文書) - 昭和49年指定
  • 徳川家宣胞衣塚(有形民俗) - 昭和49年指定

登場作品

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  • 岡本綺堂『深見夫人の死』 - 下記引用以外にも多数の記述あり

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  • 佐々木味津三『旗本退屈男(第三話)後の旗本退屈男』

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  • 林不忘『丹下左膳(乾雲坤竜の巻)』

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  • 三遊亭圓朝(鈴木行三校訂・編纂)『敵討札所の霊験』

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現地情報

所在地
  • 東京都文京区根津一丁目28番9号
交通アクセス
周辺
  • 日本医科大学
  • 団子坂上 - 現在の文京区立本郷図書館や東洋大学のある辺りが当社の旧鎮座地で、「元根津」とも呼ばれる。

脚注

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参考文献

  • 『日本歴史地名大系 東京都の地名』(平凡社)文京区 根津神社項

外部リンク

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  1. 江戸時代は山王神道の権現社であった。
  2. 2.0 2.1 2.2 根津神社 - 境内・ご由緒
  3. 3.0 3.1 『東京都の地名』根津神社項。
  4. ただし、現在では山王権現は祭神とはされず、大山咋命が祀られている。