メイス・ウィンドゥ

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テンプレート:出典の明記 メイス・ウィンドゥ (Mace Windu) は、映画『スター・ウォーズ・シリーズ』の新三部作(『エピソード1/ファントム・メナス』『エピソード2/クローンの攻撃』『エピソード3/シスの復讐』)に登場する架空の人物。演じるのはサミュエル・L・ジャクソン。日本語版の吹き替えは玄田哲章が担当した。

概要

ハルウン・コル出身の人間種族の男性。肌の色は褐色で頭髪はない。ジェダイ・マスターのなかでもヨーダにならび尊敬されるジェダイ評議会の長[注釈 1]。またジェダイの騎士のなかで最高峰の剣術を習得した実力者の一人でもある。

規律に厳しく冷静な判断を行うことで知られる。強大な戦闘能力を持ちながら、平和主義を重んじる人柄。元老院議会や議長のオフィスにも足繁く通い意思の疎通を図り、「政治」とジェダイ騎士団のパイプ役としても、その外交術を活かした。クローン大戦でも勇敢に戦い、その激しい戦線から生き残った一人である。

ライトセーバーの色はジェダイにしては異色の紫であるが、その原因はライトセーバーのクリスタルにある。普通のジェダイはライトセーバーを作るとき、自然のクリスタルを自分で採掘するが、メイスが使うライトセーバーのクリスタルは友に友情の証としてもらったもので、そのクリスタルが紫だったためである。

彼が評議会に籍を置くようになって約10年後、マスター・クワイ=ガン・ジンがタトゥイーンでシス卿と思われる戦士、ダース・モールと交戦したという報告を受けたマスター・ウィンドゥは驚きを隠せなかった。彼は他のジェダイたちと同様に、1,000年前にシスが絶滅したと信じていたのである。また、彼は「選ばれし者」の予言を信奉しており、クワイ=ガンがその可能性のあるアナキン・スカイウォーカーのテストを要求したときにもためらいを見せた。予言では選ばれし者がフォースにバランスをもたらすとされているが、それはダークサイドの一時的な増大をも意味していたのである。メイスはアナキンの巨大な潜在能力を認めたが、この少年が歳を取りすぎていることを理由に一度は訓練を禁止する。しかし、クワイ=ガンの死後、ナブーの戦いにおけるアナキンの活躍を知ると、彼が選ばれし者であるという確信は強まり、アナキンをオビ=ワン・ケノービの弟子とすることに同意したのだった。

それから10年後、ドゥークー伯爵によって先導された分離主義運動が銀河系に拡大していったときも、彼はパルパティーン議長による交渉を強く支持していた。しかし、この対立はやがて共和国と分離主義勢力との武力抗争へと発展し、メイスは囚われの身となったオビ=ワンを救出するため200人のジェダイを率いてジオノーシスへと向かう。彼はジオノーシアンの処刑闘技場で無数のバトル・ドロイド軍団と交戦し、その戦いのなかでドゥークーの雇った殺し屋ジャンゴ・フェットと対峙した。しかし、銀河系最強の賞金稼ぎもメイスの敵ではなく、最強のジェダイ・マスターは難なくフェットの首を斬り落としたのだった。やがて無尽蔵に現れるドロイド軍との戦いは劣勢となり、一時は追い詰められるが、共和国のクローン軍団を引き連れたヨーダの加勢によって形勢は逆転し、彼は無傷でこの戦いを生き延びたのである。だが、メイスはこのときもはや交渉の時代が終わりを告げたことを思い知らされたのだった。

クローン大戦末期、共和国軍の指揮官として前線で戦争に直面する間、ウィンドゥは共和国の行く末に確信が持てなくなっていった。戦争は泥沼化して何年も続いていたが、その間もパルパティーン最高議長は保安を名目に銀河憲法を修正し、さらに多くの権力を自らに集中させていた。ヨーダやメイスはパルパティーンに疑いの目を向け、彼がジェダイ評議会を直接の統制下におくのではないかという懸念を抱くようになったのである。

これを裏付けるパルパティーンの最初の行動は、ジェダイ評議会に彼の個人的な代理人を送り込むことだった。議長は彼と親しいアナキンをジェダイ評議員の1人として指名する。悩んだ末に評議会もそれに同意したのだった。彼らは議長の動向を知るために、アナキンを情報源として使うことを望んでいたのだ。それは緊張の時代を反映する難しい決定でもあり、同時にメイスは深い懸念をも抱いていた。彼は、アナキンとパルパティーンを近づけたままにしておくことが極めて危険だと感じていたのである。

やがて、彼の懸念は現実のものとなる。パルパティーン議長こそ、ジェダイによるあらゆる捜索を回避してきたシス卿ダース・シディアスだったのだ。この事実を忠実にウィンドゥへ知らせたのはアナキンだったが、メイスはこの若者をまだ完全には信用していなかった。メイスは議長を逮捕するため、聖堂に残っていた最高の戦士、セイシー・ティンエージェン・コーラー、そしてキット・フィストーを召集する。スカイウォーカーも同行を求めるが、メイスはそれを禁止した。彼はアナキンに、この問題が解決するまで、評議会の会議室に留まるよう命じたのだった。

メイスはパルパティーンのオフィスに踏み込んだ。そして、メイスが議長に逮捕を宣告すると、パルパティーンは突如として反撃に出る。長い間溜め込んでいたジェダイに対する憎悪を開放するかのごとく奇声を上げて跳躍しながらジェダイに襲い掛かった。シスのシンボルである赤いライトセーバーはティン、コーラー、フィストーを一瞬にして葬り去ると、メイスに襲い掛かった。だが、メイスは少しも怯まず、パルパティーンを追い詰め、パルパティーンの武器を弾き飛ばし、シス卿を議長オフィスの窓枠の隅へと追い詰めた。その直後、メイスの命令に背いたアナキンが元老院に到着したのだった。

アナキンはパルパティーンを裁判にかけるべきだと主張したが、この暗黒卿は未だに元老院と法廷を自在に操ることができ、このまま囚人とするにはあまりにも危険な存在だった。ウィンドゥは止めを刺すべくライトセイバーを振りかざす。だが、慈悲を乞うパルパティーンの言葉によって冷静さを欠いたアナキンに腕を切り落とされる。勝機を得たパルパティーンはジェダイ・マスターに恐るべきエネルギー流を解き放つ。丸腰となったメイスにはもはやシスの電撃を防ぐ術はなかった。最後に彼の体は空へ舞い上がると、コルサントの上空へと飛ばされ、身動きすることもなく広大な都市景観の闇の彼方へと落ちていったのである。

彼の死はジェダイの、そして共和国の死に直結した。結果的にこのメイスたちによるパルパティーン暗殺未遂劇は、ジェダイが共和国転覆を狙ったという確固たる証拠と扱われ、共和国崩壊とジェダイ抹殺を世論に位置付けた決定的な所業となってしまった。

能力

メイスがダース・シディアスと戦う場面について、ジョージ・ルーカス監督は次のように述べている。

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ジェダイ騎士の中でもヨーダドゥークー伯爵に並び最も尊敬されるジェダイの一人であり、その中でも最高の剣士であると考えられている。ジェダイ・マスター、コールマン・トレバーをたやすく倒すジャンゴ・フェットをあっさり倒し、後にヨーダをも退けたダース・シディアスをライトセーバーの戦いにおいては完全に上回ることすらできたのだ。メイスのフォームはヴァーパッドと呼ばれている。これは習得難易度が最も高く、全てのフォームを極めた者だけが修得しうる究極のフォーム・ジョヨーをさらに発展させたものである。彼はこのフォームによって、短期決戦において絶対的なライトセーバーの実力を発揮することができた。[注釈 2]。反面、その性質は暗黒面に近い上に、長期戦には甚だ不向きなフォームである。その為、常に最強の剣士としての実力を発揮し続ける事もできない欠点があった。

フォース

四面楚歌の状況で数百体のスーパー・バトル・ドロイドをフォースにより吹き飛ばす、鉄拳により一撃で粉砕する、ヨーダとともにコルサントを襲撃した大隊を一蹴するなど、ライトセーバーを用いずとも驚異的な実力を持つ(『スター・ウォーズ クローン大戦』)。

映画版・小説版の違い

映画・小説ともに全編を通じてジェダイのあり方について苦悩し続けた人物であり、笑顔もエピソード2の1シーンでしか見せていない。

ストーリーや行動は映画・小説版ともにほぼ共通していながら、キャラクターについては大きな違いがみられる。映画版はコワモテかつ信念を貫く人物として描かれ、アナキンには一貫して嫌悪と不信感を示しており主張がブレる様子は全く見られなかった。しかし小説版ではより苦悩が進行し、平静さを失いつつある愚直な人物として描かれており、剣の型ジュヨーの設定[注釈 3]からか、ジェダイの理想を見失いかけていることを伺わせる描写が見られる。

アナキンがダークサイドへ陥落しかけていたことについては映画版ではジェダイの人数が減る中、シスの探索の仕事に忙殺され感知できなかったことになっている[注釈 4]が、小説版では疑心暗鬼のあまりシスを見分ける力をほとんど失った状態に陥ったことになっており、アナキンの告発に強い衝撃を受ける描写がある。

映画ではメイス殺害に成功したパルパティーンの背後に、航空機が何事もなかったかのように、不気味なほど通常の飛行を続ける映像が表現されている。パルパティーンの勝利・皇帝即位、そしてジェダイ滅亡が既に共和国にとって既定路線となっていたことを強調している[1]

脚注

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出典

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注釈

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参考文献

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  1. キネマ旬報 2005年8月上旬号