黒田治之

黒田 治之（くろだ はるゆき、1753年1月4日（宝暦2年12月1日）- 1781年10月8日（天明元年8月21日））は、筑前福岡藩の第7代藩主。

御三卿・一橋徳川家の初代当主・徳川宗尹の五男。母は側室・細川徳時の娘。正室は榊原政永の娘。側室は鈴木氏。子は1男（早世）。実家の一橋家を継いだ兄・治済の子である第11代将軍徳川家斉や、福岡藩第9代藩主黒田斉隆の叔父にあたる。官位は従四位下侍従、筑前守。

宝暦2年（1752年）12月1日、江戸一橋の屋敷で生まれた。幼名は隼之助。宝暦13年（1763年）11月23日、先代藩主黒田継高の養嗣子となり、「高」の字を与えられて初名の高満（たかみつ）を名乗る。明和2年（1765年）12月15日、従兄弟で10代将軍の徳川家治に御目見し、その偏諱を受けて治之に改名（「之」は忠之、光之、綱之、吉之が使用した字である）。明和3年（1766年）7月18日、従四位下侍従・式部大輔に叙任。後に筑前守に改められる。明和6年（1769年）12月10日、養父継高の隠居により家督を相続した。なお、これによって藩祖・黒田長政以来の黒田本家の血統は途絶えることとなった。

明和8年（1771年）に国内を巡見した。また、亀井南冥を抜擢した。天明元年（1781年）8月21日、福岡にて死去した。享年30。嗣子が無かったため、その死はしばらく隠された。同年11月20日、黒田治高を末期養子として迎えることが決定し、喪を発している。なお、天明4年（1784年）、治之の遺言により学問所が設置されている。法号は鳳陽院典山紹靖。墓所は崇福寺。