円光寺
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テンプレート:日本の寺院 円光寺(えんこうじ)は、京都市左京区一乗寺にある臨済宗南禅寺派の寺院。山号は瑞巌山(ずいがんさん)、開山は閑室元佶(三要)、開基(創立者)は徳川家康。
当寺では徳川家康の命により、日本における初期の活字本の一つである「伏見版」の印刷事業が行われた。
十牛の庭と呼ばれる庭園には洛北で最も古いと言われる栖龍池(せいりゅうち)と水琴窟がある。秋は紅葉の名所となり、夜間ライトアップも行われていたが、2008年以降は休止となっている。
歴史
家康の命により慶長6年(1601年)に足利学校の第9代の庠主(しょうしゅ、学頭)であった閑室元佶を招き伏見城下に円光寺を建立したことに始まる。その後、京都御所北辺の相国寺内に移る。
文化財
円光寺は学校の役割も果たし、家康から与えられた木活字を用いて、『孔子家語』(こうしけご)『貞観政要』(じょうがんせいよう、貞観参照)、『三略』などの儒学・兵法関連の書物を刊行した。これらの書物は伏見版、あるいは円光寺版と呼ばれ、そのとき使用された木製の活字が保存されている。その数は約5万個にのぼり日本最古の活字であり重要文化財となっている」[2]。
他に本尊の千手観音像や開山像、円山応挙筆の雨竹風竹図屏風などがある。
境内奥の山には、家康を祀った東照宮がある。
重要文化財
- 紙本墨画竹図(雨竹風竹図) 六曲屏風一双 円山応挙筆
- 絹本著着色元佶和尚像 自賛あり
- 伏見版木活字 52,320個(附 摺刷盤2面)
近隣
脚注
参考文献
- 竹貫元勝『京都の禅寺散歩』、雄山閣、1994
- 「新指定の文化財」『月刊文化財』346号、1992
- 「京都の出版」(京都市歴史資料館サイト)