トップハム・ハット卿

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トップハム・ハット卿(トップハム・ハットきょう)は、絵本シリーズ『汽車のえほん』およびその映像化作品テレビシリーズ『きかんしゃトーマス』において、トーマスのいるソドー島の鉄道の局長。

基本情報

名前の変遷

最初期の原作はモデルになった鉄道が4大私鉄(ちなみにトーマスからトービーまではLNERがモデル)時代だったので「ふとっちょのじゅうやく」(Fat Director)と訳されていた。3巻「赤い機関車ジェームズ」の時に国有化(1948年)で局長「ふとっちょのきょくちょう」(Fat Controller 直訳:デブの取締人)に役職名が変わった。和訳された際にも注記が付加されている。

原作6巻「みどりの機関車ヘンリー」の前書きで初めて「「サー・トッパム・ハット」(Sir TopHam Hatt 直訳:シルクハット卿)の名前が登場している。しかし人形劇では局長の名は全く使われず(テレビ絵本では使われている)、イギリス版人形劇では絵本と同じ「ふとっちょ…」、アメリカでは「サー・トップハム・ハット」を使っている。日本語版はアメリカ版をベースにしているので、「トップハム・ハット卿」もしくは「ハット卿」となっている。

絵本と人形劇共通の説明

  • 若い頃に鉄道技師としてソドー島へやって来て、今はソドー鉄道の局長。黒いシルクハットがトレードマーク。優しい人なのだが、とても仕事に厳しく、彼の大目玉はとても恐ろしい。若いころは髪の毛がたくさんあったと推定される。
  • 妻のジェーン、母(人形劇のみ)、弟のローハム・ハット(人形劇のみ)、孫のスティーブン(原作はステファンと訳される)とブリジットがいる。
  • 高山鉄道(スカーロイ鉄道)の経営を、原作ではサー・ハンドル・ブラウンとほっそりじゅうやくが担当しているが、人形劇の第1~8シーズンまではハット卿が経営していた。第9シーズンからはミスター・パーシバルに任せているが、ときおり高山鉄道にやってきているので彼らとの関係は続いている。
  • 自分専用の車があり、絵本シリーズとテレビシリーズ第1~4シーズンまでは黄色のセダン、第5シーズン以降は青のセダンを使用している。

汽車のえほん

テンプレート:Main 3人の局長が登場する。3人は直系の親子で、まず、大西部鉄道のエンジニアであった初代(1888年-1956年)が出向でソドー島に赴任し、路線の設計・建設を行いソドー島の鉄道の初代重役に就任。初代の死去により2代目チャールズ(1914年-1997年)が後を継ぎ、彼の手によってちんまり鉄道が共同建設された。そして、3代目のスティーブン(1940年-)は初代の孫として子どもの姿で初登場し、後に成人して3代目局長(1984年着任)として登場する。分割民営化後の状況は、執筆が中断されているので不明。

きかんしゃトーマス

テンプレート:Main

  • 時代設定が曖昧な為、絵本のような代替わりはない。
  • 若い頃の彼は車の運転が下手で、蒸気トラックのエリザベスからトラックの運転を学ぶ。
  • ソドー島再開発を推し進め、多くの産業遺構を観光地として商品化に成功する等、現在のハット卿は、積極的で優秀な経営者に変貌している。
  • 一時期、機関車たちに理解のあるところを見せた事もあったが、いつの間にか定時運行至上主義者になっていて「お前は、混乱と遅れをまねいてる」が最近の口癖、第9シーズンでも同じことをいうが、翻訳家が変更されたためか、「君のせいで列車に遅れが出たぞ。」「君のしたことでとても大変なことになった」等になっている。「みんなあつまれ!しゅっぱつしんこう」では、放送局が変わってから久しぶりに「混乱と遅れを招いた」と言っている。
  • 中に黄色いチョッキを着たタキシードにシルクハット姿での登場が殆どだったが(整備士の制服を着用し、自ら運転室に乗り込み不調のヘンリーの状態を見たこともあった)、製作体制が変わってからはパジャマ水着で登場したり、ハロウィンのときに仮装したりしている。
  • 第7シーズンでは、ペットとしてネコを飼っていたが、そのシリーズ以外では登場しない。
  • 日本版では、第1シーズンから第8シーズンまでは機関車達を「お前」「君」と両方呼んでいたが、翻訳家が変更された第9シーズンからは、機関車達を「君」だけになった。
  • 第1シーズンから第5シーズンまでは眉毛があったが、第6シーズンの途中から第11シーズンでは眉毛がなくなり、CG化した第12シーズンからはまた眉毛が付け加えられた。
  • 第13シーズンからは彼の弟であるローハム・ハット卿が登場し、彼を悩みの種のように思っている。(また、弟は彼の家族なので、当然ながら第1シーズンから第8シーズンまでの機関車達同様、呼び方は「お前」。)
  • ファーストネームは「バートラム(Bertram)」であるとされている(英語版で母親からそう呼ばれるシーンがある)。

ハット卿の秘密

  • 肩書き(役職)の謎、原作では当初私鉄として設定されていたが、イギリス国鉄の支局へ設定が変化し、肩書きは重役から局長に変わった。人形劇ではその辺の設定を明確に描かずに、単にハット卿の鉄道としている。局長の呼び名も使用されない、最近ではソドー鉄道と人形劇内の台詞でも呼んでいる。
  • 鉄道の本社か局舎(原作5巻3話や12巻2話では"Controller's Office"「きょくちょうしつ」)、すなわちハット卿の「わしのオフィース」の所在地の謎、原作ではティッドマウスにあるが、人形劇では設定が変更され、ナップフォード駅に在る様に描かれている。しかし機関車たちの塒はティッドマウス機関庫とよばれ、パジャマ姿のハット卿が現れるところを見るとティッドマウス付近に「わしのオフィース」が存在する事になる。(実際に、「ゴードンみぞにはまる」や「ダックしごとをもらう」では「わしのオフィース」らしき場所から、ティッドマウス機関庫での事件を目撃している)
  • 原作では前述の通り3人のハット卿がいることになっていて、時間の経過と共にハット卿も老い死を迎えているが、人形劇ではハット卿はいまだ健在である。
  • 先述の通り、ハット卿は定時運行主義者で仕事に厳しい反面、穏和で優しい人柄なのだが、事故や失態を起こした機関車に対し、いい加減な解釈をしたり、話の前後で理論が矛盾することもある。時として信号士の職務怠慢(居眠り、ポイント転換誤り)や保線区の整備不良、天災、貨車たちの悪戯が原因でも、人員ミスや貨車の悪行は棚上げして機関車を叱ることも多い。例として
    • 貨車に押されてオーバーランしたり脱線したトーマスやオリバーを「貨車は悪戯が好きだから」の一言で片づける。しかしほぼ同じ事例で床屋に突っ込んだダックに対しては、床屋の店主に「ダックは恐ろしい大事故を防いでくれた」「危機一髪だったんだ」というあまりにも強引かつ理不尽な言い訳をしており、当のダックにも怒ることなく「修理が終わったら帰ってこい」と話している(これは、もし床屋に突っ込まなかったら、ジェームスの客車に衝突して、関わった為と思われる。)。そして貨車に対しては何も叱らない。
    • レールが滑りやすくなっており、信号所へ突っ込んでしまったドナルドを批判。
    • 復讐の念もこもっていたが、勢いでブレーキ車を破壊してしまったダグラスを批判するが、エドワードの「ダグラスはジェームズの分まで頑張ったんですよ?」という一言で急に態度を覆して叱るのをやめる。
    • ゴードンがポイント転換ミスで支線に入ってしまった結果速度超過で脱線、ポイント転換ミスは棚上げしゴードンの速度超過を批判。
    • ゴードンの機関室の中でゴードンのブレーキが故障しているのを目の前で見ていたにも関わらず駅の壁に突撃したゴードンを批判している、どうみても事故に巻き込まれて(人形劇としては珍しく)自身が怪我をした事への八つ当たりにしか見えない。
    • ディーゼルに至っては「最初から信用していなかったから送り返してやった」という台詞があるのに、その後「あいつしかいなかったんだ」とディーゼルを助っ人として呼んではトラブルが起き、送り返すという事象が発生している。
    等が挙げられる。
  • また、年をとった保線社員の代わりとして新型機械を導入するエピソードがあるのだが、ハット卿が導入した新型機械が原因で落石事故が起き「やはり機械よりも人にやってもらった方がよい」と自己解決させるという、なんとも虫のよい一面がある。
  • そのほかにも機関車が事故を起こしても、それを即座に現状回復できる底知れない財力がある。

テンプレート:きかんしゃトーマス・汽車のえほん