レンジファインダー
レンジファインダー(Range Finder )とは本来距離計一般のことであるが、日本では光学視差式距離計に限定して指すことが多い。大型のものは測距儀ともいう。対物レンズの後ろにある鏡(またはプリズム)の傾斜角度で距離を測定する。
原理
左右に離れた2個の対物レンズで取り込んだ画像を、距離計に連動して回転する鏡(またはプリズム)によって、合成プリズムに送る。接眼レンズから覗いた左右の画像を重ね合わせて、距離を測定する。覗いたときの画像は上下に分断して見えるものと、二重に重なって見えるものとがある。回転する鏡(またはプリズム)が片側だけのものと、両側とも回転するものがある。
かつてこのような距離測定はほとんど光学視差式距離計によっていたが、近年は他の原理を採用したものも出現するようになった。 テンプレート:Main
基線長
左右の対物レンズ間の距離を基線長といい、これが長いほど精度を高くしやすい。カメラに組み込んである光学視差式距離計の基線長は長くとも10cm程度であり、船舶用などで手持ちの光学視差式距離計の場合30~40cm程度である。
基線長に光学系の倍率を掛けたものを有効基線長と呼ぶ。基線長が1/2でも倍率が2倍であれば理論的には同じ精度が得られるが、実際には倍率は誤差にも掛かるため理論そのままの精度にはならない。
軍用測距儀
弾は放物線を描いて飛んで行くため、対象までの距離を測定する目的から測距儀が必要とされた。
当初日本海軍はイギリスのバー&ストラウド製を使用した。戦艦三笠に搭載されたものは基線長1.5mのF.A.2型[1]である。射程距離の伸長に伴い基線長を長く取るため次第に大型化した。戦艦大和の測距儀は日本光学工業(現・ニコン)製で長短2種が収められており基線長は長が15.72m、短が15.28mあった。
カメラ
光学視差式距離計が組み込まれていて、撮影用レンズの焦点距離調節機構が内蔵距離計に連動しているため、焦点合わせに距離計を利用できるカメラをレンジファインダーカメラという。
脚注
参考文献
- 小倉磐夫「新装版 現代のカメラとレンズ技術」写真工業出版社 1995 ISBN 4-87956-043-X
- ↑ 日本名「武式1米半測距儀」。