韓国陸軍士官学校
大韓民国における陸軍士官学校(りくぐんしかんがっこう)は、韓国軍の陸軍将校を養成する4年制軍事学校である。愛称は“花郞臺”(ファランデ、화랑대)。 韓国での正式名称はたんに陸軍士官学校(ユックン・サグァン・ハッキョ、육군사관학교)という。 ソウル特別市蘆原区孔陵洞に所在し、現任学校長はパク・チョンソン中将。
概要
入学資格は、大韓民国国民の未婚男女で、満17歳から21歳の間の高等学校卒業資格者となっている。4年間の教育終了後、専攻により人文科学(国語・哲学・英語・外国語学・心理学)・社会科学(経済学・法学)・理学(数学・物理学・化学)・工学(電子情報工学・環境土木工学)・軍事学(軍事史学、安全保障管理学・武器機械工学・体育学)の学士号を授与され、陸軍少尉に任官する。在学中の生徒への待遇は、日本の防衛大学校や他の士官学校2校と同様に、被服・寝食・学費が支給され、所定の給料を受ける。
学校敷地は約226万平米(ゴルフ場約82万平米を含む)。建物176棟、延べ床面積20.5万平米の規模を有する。生徒寮である花郎館、教会・聖堂・法堂等の宗教施設や陸士病院もある。5月1日を創立記念日とし、2006年に創立60周年を迎えた。
儀礼服としては、いまなおシャコー帽を着用している。
沿革
1945年12月5日に、南朝鮮国防警備隊の創設要員を育成するためにソウル西大門区冷泉洞に開校した軍事英語学校(Military Language School)を前身とする。これはアメリカ軍を顧問として軍事組織を創設するにあたり、アメリカ軍との連絡調整の中核となる幹部は英語に通じている必要があったためである。入学したのは日本軍、満州国軍で経歴を積んだ者がほとんどで[1]、教育期間は40日、最終的に110人が卒業したが、中途からは入隊のための資格を付与するための名目上の機関となり、試験に合格したり、推薦を受けるだけでそのまま卒業扱いとなる例もあった。
1946年5月1日、ソウル東北方10キロにある泰陵(テヌン)で朝鮮警備士官学校(Korean Constabulary's Center)へ再編され、同年9月に陸軍士官学校に改称された。初期の履修期間は1ヶ月半だったが、徐々に3ヶ月、6ヶ月、1年と改められた。
1950年6月の朝鮮戦争勃発により臨時休校したが、1951年10月31日慶尚南道鎮海で4年制正規士官学校として再開し、1954年6月23日泰陵に復帰、1957年所在地一帯は花郎台と改名された。
軍政時代には、卒業生が政界の要職を独占したことから、「学士より博士 博士より陸士」とも言われた。
1998年には女性にも門戸を開放している。2004年の新入生に対する意識調査では韓国の敵対国家の第1位はアメリカであるとの衝撃の事実を受け、思想教育を積極的に行うこととなった[2]。
観光
学校は国民及び外国人に開放されており、土日や公休日には在郷軍人会による個人向けツアーも実施されている(ガイド料金2,000ウォン)。校内には歴史記念館もあり、近くには泰陵国際射撃場もある。
脚注
参考文献
関連項目
外部サイト
- 韓國陸軍士官學校(韓国語及び英語)
- ↑ 光復軍出身者は入学していない
- ↑ 「韓国の敵は米国」に衝撃受け教科書執筆(上) 朝鮮日報 2008/04/20