マイケル・ムアコック
テンプレート:Infobox 作家 マイケル・ジョン・ムアコック(Michael John Moorcock, 1939年12月18日 - )は、イギリスのファンタジー作家、SF作家、編集者。1978年に離婚した前妻との間に、二人の娘と一人の息子がいる。なお日本語訳の主な出版元の一つである早川書房では Michael のカタカナ表記をマイクルとしているため、マイクル・ムアコックという著者名表記も同社の出版物を初めとして多く見られる。
経歴
1939年にイギリス、ロンドン南部のサリー州Michamで生まれる。
1956年ころ(17歳)編集、創作を始める。
1961年にイギリスのSF雑誌『Science Fatasy』誌6月号に、エルリックを主人公とする中篇「夢見る都」を発表。多元宇宙、永遠の戦士といった概念によって繋がれた英雄達の物語(エターナル・チャンピオンシリーズ)で人気を馳せた。
1964年には25歳の若さで、雑誌『New Worlds』の編集長となる。ムアコックは編集長就任後、「ニュー・ウェーブSF」と呼ばれることになる作品を多く掲載するようになり、その過激な編集方針で、カリスマ的な地位を占めた。
1966年に発表した「この人を見よ」(中編版)で1967年のネビュラ賞受賞。
「ホークウインド」というイギリスのサイケデリック・ロックのバンドと親交があり、彼らのライブに度々ゲスト出演している他、1975年「ホークウインド」のメンバーなどとともに「マイケル・ムアコック アンド ディープ フィックス(MICHAEL MOORCOCK AND THE DEEP FIX)」名義で、英UNITED ARTISTSよりアルバム「ニュー・ワールズ・フェア(THE NEW WORLDS FAIR)」を発表している(なお、2008年に日本版のCDが発売された)。
また、アメリカのハード・ロック/ヘヴィ・メタルバンドブルー・オイスター・カルトとも親交があり、"The Great Sun Jester"、"Black Blade"、"Veteran Of The Psychic War"などの作詞を手がけている。
1994年にイギリスを離れ、アメリカに移住。2003年現在は妻とともに、テキサス州オースティン郊外に在住。
作品
ロバート・E・ハワードの「英雄コナン」シリーズを愛読し、ヒロイック・ファンタジーの独自路線を構想。彼の作風は後に「アンチ・ヒロイック・ファンタジー」と呼ばれた。これは彼の描くヒーローが、従来の筋肉にものをいわせるタイプではなく、生まれつき虚弱であったり(例:エルリックはアルビノである)、身体的ハンディキャップを持っていたり(例:コルムは義眼と義手であり、ホークムーンは額の宝石が活性化すると激しい頭痛の発作に悩まされる)、平凡な一般人として生活していたり(例:エレコーゼは20世紀の英国で知識階級の若者ジョン・デイカーとして生活していた)するところから付けられた。
『グローリアーナ』で1979年度世界幻想文学大賞長編部門大賞を受賞。
著作リスト
長編
- エターナル・チャンピオンシリーズ
- 「暗黒の廻廊」The Black Corridor (1969) :ヒラリー・ベイリー(Hilary Bailey) との共著
- 「この人を見よ」 Behold the Man (1969)
- 「白銀の聖域」The Ice Schooner (1969)
- 「グローリアーナ」Gloriana (1978)
CD
- ニュー・ワールズ・フェア(紙ジャケット仕様) 2008