シトロエン・XM

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ファイル:Citroen61.jpg
ブレーク後期型
ファイル:Shokigata-XM-2.JPG
初期型、オイルが抜けて車高が完全に落ちている状態

シトロエン・XMCitroën XM )は、フランスの自動車会社シトロエンがかつて製造販売したハッチバック型、およびステーションワゴン型の乗用車

歴史

シトロエン・CXの後を受け、1989年に登場したシトロエンの最上級車。ステーションワゴン型のブレークは1991年に登場。ブレークは1998年、標準モデルのハッチバックは2000年まで生産された。

最上級車としての地位は、2000年に発表されたエグザンティアの後継車種C5に譲るかたちになったが、正式な後継車種は2005年に発表されたC6となる。

1990年欧州カーオブサイヤーに輝いた。これはシトロエンとしてGS、CXにつづいて3度目の受賞であった。

サスペンションは、前輪がマクファーソン・ストラットで、後輪がトレーリングアーム、スプリングはこのモデルから、それまでシトロエンの上級モデルに採用していたハイドロニューマチックに替わり、電子制御を組み込んだハイドラクティブを採用した。1993年にはさらに進化したハイドラクティブIIを導入した。なお、左ハンドルモデルにはセルフセンタリング機構が搭載されている。

デザインは、外装をイタリアカロッツェリアベルトーネが、内装をPSA・アドバンスドデザインが担当した。

前モデルのCXはセダンであったが、XMでは最上級車でありながらハッチバックとなった。しかし、リヤシートと荷室の間にもう1枚ガラスの仕切りがあり、リヤハッチを開けても室内の気密性を保つことができた。

1994年には、大規模なマイナーチェンジが施されメーターまわり及びダッシュボードの形状が大きく変わった、これによりDS、CX等から受け継がれていた1本スポークステァリングが消滅した。またロゴマークもXMからXmに変更されている。外装はほとんど変わらなかったが、フロントグリルの形状が変更されると共に左側によっていたダブルシェブロン(シトロエンのエンブレム)が中央に移動した。

エンジンは、排気量2.0Lで水冷直列4気筒SOHC、排気量3.0Lで水冷V型6気筒SOHC(PRVエンジン)のガソリンエンジンと2.1Lと2.5Lで水冷直列4気筒SOHCのディーゼルエンジン。2.0Lのガソリンエンジンと2.1L、また2.5Lのディーゼルエンジンにはターボ付きもあった。また3.0LでV6のガソリンエンジンは、1991年に24バルブバージョンが追加され1998年にはDOHC化された。それらをシトロエン伝統のFF方式で駆動した。

ATは速度指令式であり、速度に応じてギアチェンジを行うのでタコメーターには各ギアに変速される速度にマーキングが施されている。ちなみにDモードは2種類(D3、D4)のモードがありD4がオーバードライブ状態になるのに対してD3は3速までしか変速が行われない、3速→4速は時速約80kmで変速されるので日本の路上ではかなり変速が煩わしなり、低速の渋滞などでは若干違和感と燃費に響いた。しかし巡航維持には現在の学習型AT機構より好ましい挙動を示す。

ボディサイズは全長4,710mm×全幅1,795mm×全高1,395mm、ホイールベース2,850mm。ブレークは全長4,965mm×全幅1,795mm×全高1,465mm、ホイールベース2,850mm。

ハイドラクティブ サスペンション

テンプレート:MainDS、CXと続いたハイドロニューマチックは良好な乗り心地とタイヤの接地性を両立していたが横方向のロールに対しては全く無意味でありハイドロシトロエンの特徴ともいえる「コーナーで大きくロールしながらクリアしていく」という走行性しか得られなかった。スフェア内のガスを少なくすればロールを抑えられるが、これは同時に乗り心地の悪化に繋がり本末転倒になってしまう。そこで考え出されたのが前後サスペンションの頭頂部に備えられた4個のスフェアに前後1個ずつスフェアを足して(合計6個のスフェアを持つことになる)それらを電子制御でコントロールするハイドラクティブサスペンションである。以前からある4輪に付いた「ホイールスフェア」とハイドラクティブで前後のホイール間に追加された「アディッショナルスフェア」はオイルラインで繋がっており、通常走行では6個のスフェアによる良好な乗り心地を生み、急加速、急ブレーキや高速コーナリング時には「アディッショナルスフェア」は「ホィールスフェア」よりのオイルが遮断され、ハードモードとなりノーズダイブやロールを抑える働きをし、乗り心地と走行性の両立を達成している。初期型にはシート間に「ノーマル」と「スポーツ」のモード切り替えスイッチが存在し、ノーマルを選択すればアディッショナルスフェアは走行条件により接続、遮断をコンピューターがコントロールし、スポーツを選択すればアディッショナルスフェアは常に遮断されロール等を抑えたハードな乗り心地に固定される。

日本での販売

正規輸入代理店であった西武自動車販売とユーノスにより、1990年から3.0L水冷V型6気筒SOHCでガソリンエンジンのXMと豪華装備でサンルーフ付きのXM-Xが輸入された。

  • 1991年からはハンドル位置の左右選択が可能となった。
  • 1992年には、同じエンジンを積むステーションワゴンのXMブレークが、1993年にはXMの装備を省いたXM-S(右ハンドルのみ)が加えられた。
  • 1994年からは、XM-Xに替わりフロントグリルや内装の変更を受けたマイナーチェンジ後のXMエクスクルーシブが、1995年にはマイナーチェンジ後のステーションワゴンモデルのXMブレークが輸入された。また、サスペンションのハイドラクティブがより改良されたハイドラクティブIIに変更されていた。
  • 1996年にユーノスが消滅したため、西武自動車販売のみの輸入になり2001年まで販売された。
  • 日本に正規輸入されたのはすべてトランスミッションはZF4速のATであったが、このトランスミッションは非常に効率が悪く、かつ故障を引き起こす可能性が高いためフランス本国より5速MTを取り寄せ換装を行なった車両も存在する。

外部リンク

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