ジェネシス (探査機)
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テンプレート:宇宙機 ジェネシス (Genesis) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画の一環として宇宙に送られた探査機である。2年間にわたり太陽風に含まれる粒子を採取した後、地球に持ち帰った。月以遠の場所では初めて行われたサンプルリターンミッションである。
概要
ジェネシスはNASAジェット推進研究所 (JPL) が2億6000万ドルの予算をかけて開発した。設計、建造はロッキード・マーティン社が行った。
ラグランジュ点 (L1) で、4枚の太陽風サンプル収集アレイを展開して、2年3ヶ月間太陽風のサンプルを採取した後、地球へ帰還し、サンプル回収カプセルを突入させた。なお、衛星本体は地球を通過して太陽周回軌道へ入った。
計画では、回収カプセルのパラシュートが開き十分減速された後、映画などでスタント飛行を行う専門のパイロットが操縦するヘリコプターが、機体に取り付けたフックで、パラシュートを引っかけて回収するはずだったが、実際にはパラシュートが開かずに、300km/hで地面に激突した。 パラシュートが開かなかった原因は、設計図のミスでパラシュート起動用のスイッチが上下逆さまに設置されていたためであったと確認された。
2004年9月現在、試料の受けた損傷を分析しているが、大部分のデータは破壊されてはいないだろうと予想されている。
ミッションの過程
(日付は米国時間)
- 2001年8月8日:ケープカナベラル空軍基地からデルタIIで打ち上げ。
- 2001年12月3日:この日から2004年4月1日まで、探査機は太陽と地球の間のラグランジュ点 (L1) にとどまり、太陽風の採取を行う。
- 2004年9月8日:ヘリコプターでカプセルの回収を試みるが、カプセルのパラシュートが開かず地面に激突。
外部リンク
- Genesis Mission Home Page
- 衝突の映像(6.4 MB、要QuickTime Player)テンプレート:Space-stub