零点
零点(れいてん、ぜろてん、zero)とは、ある関数<math>f</math>によって、<math>0</math>に移される点、すなわち<math>f(z) = 0</math>を満たす<math>z</math>のこと。複素解析や代数幾何学などにおいて、方程式の解や根と呼ばれるものを幾何学的に取り扱う際に、しばしばこの表現が用いられる。
関数<math>f(z)</math>の零点全体のなす集合<math>\{z|f(z) = 0 \}</math>のことを零点集合と呼ぶことがある。2つ以上の関数が零点を共有するとき、その零点を共通零点とよぶ。多変数多項式系の共通零点集合はザリスキー位相などの位相構造を入れて代数多様体となる。
<math>f(z)</math>が解析関数で、その零点集合が集積点を持てば、一致の定理から<math>f(z)</math>は恒等的に 0 となるので、一般に定数でない解析関数の零点は孤立点となる。
解析関数 <math>f(z)</math>が
- <math>f(z) = (z-a)^k g(z)</math>
(ただし、<math>k</math>は正の整数で、<math>g(z)</math>は<math>g(a)\neq 0</math>となる正則関数)と表せるとき、<math>z = a</math>は関数<math>f</math>の<math>k</math>位の零点であるといい、<math>k</math>を零点<math>z = a</math>における重複度 (multiplicity) または位数(order) と呼ぶ。また、このとき<math>f(z)</math>と<math>g(z)</math>は点<math>z = a</math>において<math>k</math>位の接触を持つという。