深日海運
深日海運(ふけかいうん)は、かつて大阪府泉南郡岬町の深日港と淡路島洲本港間に航路を持っていた海運会社。
沿革
昭和40年代後半、関西汽船より深日-洲本航路と船舶「たんしゅう丸」を譲り受ける(たんしゅう丸は現在フィリピンにてSAN JANと船名を変え活躍している)。
1980年代にはホバークラフトが就航し、1980年代~1990年代初頭には、ひかり1号、ひかり2号(1号と同型船)、ひかり3号が在籍していた。ひかりシリーズの水冷空調による冷房はしっとり心地よく船酔いし難いと評判であった。
また、Ship Of The Year'92を受賞した 石川島播磨重工業と東京大学との共同研究で開発された超細長双胴船SSTH(Super Slender Twin Hull)の実験船「とらいでんと」を所有していた(52総トン、定員68名、速力26、2ノット [1]。現在は内海フェリーに所属、サンオリーブシーに改名、2003年6月1日から四国高松港-小豆島草壁港で運航している)。
その後、関西国際空港の開港にあわせ、1994年(平成6年)9月に社名を「えあぽーとあわじあくあらいん」に改め、航路も洲本港-関西空港-津名港を開設し、日立造船の開発した水中翼付双胴高速客船 「SUPER JET-30」 の一番船 「とらいでんとえーす」をはじめ「あるてみす」「あぽろーん」の3隻を投入した。
運航開始以降、終夜運航は実施せず、日を跨いで運行する便もなかった。
1997年(平成9年)2月、経営悪化により廃業、深日-洲本航路はシャトルサービスに譲渡されたが、同社も明石海峡大橋開通後の淡路島島外へのバス路線の開設による旅客離れを食い止めることができず、また泉州・和歌山県方面への旅客が減少したことから、1999年(平成11年)9月末で廃業した。
なお、深日港駅へは高速艇の出発時間に合わせて、南海電鉄が難波駅より多奈川駅まで、淡路連絡の急行淡路号を運行させていた。