日亜化学工業
日亜化学工業株式会社(にちあかがくこうぎょう)は徳島県阿南市に本社を持つ化学会社。略称として、日亜・日亜化学等と言われる。
発光ダイオードなどの電子デバイスや蛍光灯などに使われる蛍光体を扱う。以前はストレプトマイシンの製造にも携わっていた。
概要
1956年、小川信雄が徳島県阿南市に設立。 高輝度青色発光LEDを製品化以降は、製品の方で会社が世界的に知られるようになった。なお現在の主力製品は青色LEDと蛍光体を組み合わせて製品化した白色LEDであり、主に携帯電話のバックライト用として生産されている。
ダイオード開発
日亜化学工業は、20世紀中には困難と言われていた高輝度の青色発光LEDを1993年11月に製品化した。そのほか、青色LEDと蛍光体を組み合わせた白色LEDを開発し、携帯機器のバックライトや車載照明などへの利用が進んだ。また、次世代DVDに不可欠の青紫色LDも開発するなど、同分野の技術開発は大きく進展した。
ツーフローMOCVD技術特許訴訟
中村修二は在職時に発明した、窒化ガリウム系化合物単結晶膜の製造に利用可能な「ツーフローMOCVD技術」(通称404特許)の特許権帰属確認と後に譲渡対価請求を求めて日亜化学工業を提訴し、注目を集めた。最終的に和解で終結した。またこの訴訟を機に職務発明の扱いが社会問題にもなった。同時期に特許法の改正も行われた。
なお、本訴訟中に日亜化学工業は404特許を「量産には必要のない技術」であるとして無価値であることを幾度も述べており、事実、その特許権を2006年2月に放棄している。
偽装請負問題
2006年10月、日亜に就業していた労働者7名が、偽装請負であるとして徳島労働局に申告した。翌11月、徳島県の仲介もあって、日亜は同社工場で働く請負労働者1600人ほぼ全員について、採用選考の後に順次直接雇用するなどと提示したため、労働者側は申告を取り下げた[1]。
しかし、上記7名が就業していた職場は廃止され、2007年1月と5月から行われた選考試験でも全員不採用になり、職を失った。そこで同年7月23日、上記7名は、日亜に対し直接雇用と契約解除の撤回を指導、勧告するよう、徳島労働局に申告したテンプレート:要出典。
日亜化学は2007年中に日本共産党議員調査団との協議の中で、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)との間で交わした「請負労働者の直接雇用」の合意内容を撤回し、請負労働者の直接雇用を行わないことを発表した。 [2]