アイアン・メイデン
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アイアン・メイデン(テンプレート:Lang-en-short)は、イギリスのヘヴィメタルバンド[1]。現在までのレコードセールスは8500万枚を超え、世界で最も成功しているヘヴィメタル・バンドの一つである。1975年にロンドンで結成され、1980年代初頭にイギリスで巻き起こった新しいロックの潮流NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)を牽引し、1980年代から1990年代初頭におけるヘヴィメタル・ブームの立役者となった。幾度にもわたるメンバーの変更を経ながら、21世紀に入ってもなお精力的に活動している。バンド名は、中世ヨーロッパの拷問器具「鉄の処女」に由来する。
目次
年譜
- 1975年(1976年と記述されている資料もある[2])、ロンドンでスティーヴ・ハリス (B) が中心となり結成される。結成当初は頻繁にメンバーチェンジを繰り返していたが、1978年にポール・ディアノ (Vo) 、デイヴ・マーレイ (G) 、ドウグ・サンプソン (Dr) が加入することで、メンバーが安定。このメンバーで、最初のデモテープを録音する。
- 1979年、二人目のギタリストとしてトニー・パーソンズを迎え、12月にメジャーレーベルEMIと契約する。メジャー契約後すぐに、健康上の理由でドウグが脱退し、トニーも同時に脱退するも、クライヴ・バー (Dr) 、デニス・ストラットン (G) が加入する。1980年1月に1stシングル「ランニング・フリー - Running Free - 」を、4月に1stアルバム『鋼鉄の処女 - Iron Maiden - 』をリリース。
- 1980年、デニス・ストラットン (G) に変わりエイドリアン・スミス (G) が加入。
- 1981年、2ndアルバム『キラーズ - Killers - 』発表後、ヴォーカルのポール・ディアノが脱退。サムソンのブルース・ディッキンソンを迎える。
- 1982年、クライヴ・バー (Dr) が脱退、ニコ・マクブレイン(Dr) が加入。
- 1983年、4thアルバム『頭脳改革 - Piece Of Mind - 』をリリース。
- 1984年、5thアルバム『パワー・スレイヴ - Powerslave - 』で世界的なメタルバンドとして名を馳せることとなる。
- 1985年、ライヴアルバム『死霊復活 - Live After Death - 』リリース。
- 1986年、6thアルバム『サムホエア・イン・タイム - Somewhere In Time - 』リリース。
- 1988年、7thアルバム『第七の予言 - Seventh Son Of A Seventh Son - 』リリース。イギリス・ドニントンで行われた『モンスターズ・オブ・ロック』にメイン・アクトとして出演。
- 1990年、ギターのエイドリアン・スミスが脱退[3]、代わりにイアン・ギラン、ブルース・ディッキンソン等と活動していたヤニック・ガーズが加入、8thアルバム『ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング - No Prayer For The Dying - 』をリリース。
- 1992年、9thアルバム『フィア・オブ・ザ・ダーク - Fear Of The Dark - 』リリース。ドニントンでのモンスターズ・オブ・ロックに再びメイン・アクトとして出演。
- 1993年、音楽的な衝突によりブルース・ディッキンソンが脱退[4]。後任にブレイズ・ベイリーが加入。
- 1998年、11thアルバム『ヴァーチャル・イレヴン - Virtual XI - 』をリリース。
その後、ヘヴィメタル停滞という時代の流れなどにより、バンドの活動はスケールダウンしたため、ソロ活動に行き詰まっていたブルース・ディッキンソン、エイドリアン・スミスにオファーをし1999年に再加入。それにしたがってブレイズが脱退する形となった(マネジメントはサンクチュアリで残った)。これにより、バンドはトリプル・ギターの全6人編成になる。
- 2000年、12thとなる『ブレイヴ・ニュー・ワールド - Breve New World - 』をリリース。
- 2006年、14thアルバム『ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記 - A Matter Of Life And Death - 』をリリース。
- 2010年、15thアルバム『ファイナル・フロンティア - The Final Frontier - 』をリリース。本国イギリスを含む世界28ヶ国で第1位を獲得した。
2024年現在も精力的に活動中である。近年ではアルバム発売後のワールド・ツアーに加え、初期アルバムからの選曲のみのツアーも行っており、2008年2月にはパシフィコ横浜、幕張メッセでの来日公演が実現。初期〜中期の曲を中心に演奏した。幕張メッセでのライブは、日本では初のオールスタンディングのライブとなった。このセットリストはワールドツアーの特別なものだったが、2008年にはドイツのメタルフェス「ヴァッケン・オープン・エア」で特別ゲストとしてこのセットリストで出演。ヴァッケンの初日のトリを務めた。2011年3月12・13日にはさいたまスーパーアリーナでのライブが予定されていたが、東日本大震災の影響により中止となった[5]。
メンバーチェンジの多いバンドとしても知られるが、ブルースとエイドリアンの復帰以降は10年以上同じメンバーで安定している。現在のメンバー構成での活動期間が、トータルでも連続でもアイアン・メイデン史上最も長い。
サウンド面での特徴
初期にはハードロックに強く影響されながらも、ディアノの歌唱法のようにパンクロックの荒々しさを取り入れたサウンドを身上としており(ただし、スティーヴ・ハリスはパンクを嫌っており、影響を明確に否定している)、NWOBHMの黎明期からシーンの牽引力として同時期の代表格バンドとなった。 3rdアルバム『魔力の刻印 - The Number Of The Beast - 』では、前任者よりはるかに広い声域を持つヴォーカリストのブルース・ディッキンソンが加入し、メロディアスかつ整合性を重視する傾向が強まった。以降はパンクの要素、殊にストレートなアプローチが大きく減少し、豊かな展開と流麗なギターワークを主軸とした音楽性に固定化が図られる。2000年代からはデイヴ・エイドリアン・ヤニックら看板ギタリスト三人が揃い踏みとなった編成でより重厚なサウンドとなっている。
プレイにおける特徴としては、まずベースがアンサンブルを牽引する、ないしベースが中核として構築される特異なスタイルが挙げられる。強力な2フィンガー奏法によるペンタトニックスケールを基本としたフレーズや3連譜を主体とするソロによって組み立てられたスティーヴのプレイは後述するギターの構成の補強のみならず、スティーヴ自身の存在感を強くアピールしている。ギターにおいては音数多く刻まれる硬質なリフや、叙情的で勇壮なツイン・リードのコンビネーションなどが総ての時代を通じての特徴であり、時に過剰なほどにインタープレイが盛り込まれもする(必然的にリフを担当するプレイヤーが不在となるため損なわれる低音の音圧をスティーヴが補うことで可能となる)。ヘヴィメタルの性質上総じてアップテンポな楽曲が多い反面、リーダーでメイン・ソングライターのスティーヴがジェネシスやジェスロ・タルといったプログレッシヴ・ロックのファンであることを公言しており、影響を受けていることから、複雑な展開と動静の変化を盛り込んだ長尺の楽曲も多い。そうした独特の音楽性ゆえ、ラッシュやカンサスらプログレッシヴ・ハードロックとは別個に、後輩のメタリカなどと同様にプログレッシブ・メタルの源流のひとつとされることもある。
逆に『第七の予言 - Sevens Son Of A Sevens Son - 』以降のアルバムにおいては、歌詞の面で同じフレーズを多用するようになり、歌詞の長さが短くなる傾向にある。
エディ
エディ・ザ・ヘッド(Eddie the Head、通称エディ)はデビュー時からのバンドのキャラクターであり、アルバムやシングル盤のジャケットにデビュー時から常に登場する。またライヴのステージ上に巨大なエディが出現することもある。ゾンビであり、『死霊復活』のジャケットに描かれた墓碑銘には"Edward T.H."とある。過去には凍結されたり、復活したり、ピラミッドになっていたり、宇宙へ向かったりしたこともある。2008年にはワールドツアー用にチャーターされたアストライオス航空のボーイング757の垂直尾翼にペイントされ、そのB757を同社の操縦士でもあるディッキンソンが自ら操縦している。ちなみに、同機は"エアフォース1"に掛けて"Boeing666 Ed-force 1"[6]と呼ばれていた。
作者はイギリス人アーティスト、デレク・リッグス。
メンバー
- 現在のメンバー
- ブルース・ディッキンソン – ボーカル (1981–1993, 1999–現在)
- デイヴ・マーレイ – ギター (1976–現在)
- エイドリアン・スミス – ギター, バッキング・ボーカル (1980–1990, 1999–現在)
- ヤニック・ガーズ – ギター (1990–現在)
- スティーヴ・ハリス – ベース, バッキング・ボーカル, キーボード (1975–現在)
- ニコ・マクブレイン – ドラムス, パーカッション (1982–現在)
- ライヴ・メンバー
- マイケル・ケニー – キーボード (1986–現在)
- 元メンバー
- ポール・ディアノ – ボーカル (1978–1981)
- ブレイズ・ベイリー – ボーカル (1994–1998)
- デニス・ストラットン – ギター, バッキング・ボーカル (1979–1980)
- ドウグ・サンプソン – ドラムス, パーカッション (1977–1979)
- クライヴ・バー – ドラムス, パーカッション (1980–1982)
アルバムごとの編成
担当楽器 | アルバム | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鋼鉄の処女 (1980) |
キラーズ (1981) |
魔力の刻印 (1982) |
頭脳改革 (1983) |
パワースレイヴ (1984) |
サムホエア・イン・タイム (1986) |
第七の予言 (1988) |
ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング (1990) |
フィア・オブ・ザ・ダーク (1992) |
X ファクター (1995) |
ヴァーチャル・イレヴン (1998) |
ブレイヴ・ニュー・ワールド (2000) |
死の舞踏 (2003) |
ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記 (2006) |
ファイナル・フロンティア (2010) | |
ボーカル | ポール・ディアノ | ブルース・ディッキンソン | ブレイズ・ベイリー | ブルース・ディッキンソン | |||||||||||
ギター | デイヴ・マーレイ | ||||||||||||||
ギター | デニス・ストラットン | エイドリアン・スミス | ヤニック・ガーズ | ||||||||||||
ギター | N/A | エイドリアン・スミス | |||||||||||||
ベース | スティーヴ・ハリス | ||||||||||||||
ドラムス | クライヴ・バー | ニコ・マクブレイン | |||||||||||||
キーボード | N/A | マイケル・ケニー | マイケル・ケニー & スティーヴ・ハリス | スティーヴ・ハリス |
一覧表
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ディスコグラフィー
ここに記した他、ライブ盤やコンピレーション、ボックス・セットが存在する。
スタジオアルバム
年 | タイトル(邦題) | タイトル(原題) | 英 | 米 | 認定 |
---|---|---|---|---|---|
1980 | 鋼鉄の処女 | Iron Maiden | 4 | - | イギリス: Platinum カナダ: Platinum ドイツ: Gold |
1981 | キラーズ | Killers | 12 | - | イギリス: Gold アメリカ: Gold カナダ: Platinum ドイツ: Gold スウェーデン: Gold |
1982 | 魔力の刻印 | The Number Of The Beast | 1 | 150 | イギリス: Platinum アメリカ: Platinum カナダ: 3×Platinum ドイツ: Gold |
1983 | 頭脳改革 | Piece Of Mind | 3 | 70 | イギリス: Platinum アメリカ: Platinum カナダ: 2×Platinum ドイツ: Gold |
1984 | パワースレイヴ | Powerslave | 2 | 21 | イギリス: Gold アメリカ: Platinum カナダ: 2×Platinum ドイツ: Gold |
1986 | サムホエア・イン・タイム | Somewhere In Time | 3 | 11 | イギリス: Gold アメリカ: Platinum カナダ: Platinum ドイツ: Gold |
1988 | 第七の予言 | Seventh Son Of A Seventh Son | 1 | 12 | イギリス: Gold アメリカ: Gold カナダ: Platinum ドイツ: Gold |
1990 | ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング | No Prayer For The Dying | 2 | 17 | イギリス: Gold アメリカ: Gold カナダ: Gold |
1992 | フィア・オブ・ザ・ダーク | Fear Of The Dark | 1 | 12 | イギリス: Gold アメリカ: Gold |
1995 | X ファクター | The X Factor | 8 | 147 | - |
1998 | ヴァーチャル・イレヴン | Virtual XI | 16 | 124 | - |
2000 | ブレイヴ・ニュー・ワールド | Brave New World | 7 | 39 | イギリス: Gold ブラジル: Gold カナダ: Gold スウェーデン: Gold |
2003 | 死の舞踏 | Dance Of Death | 2 | 18 | イギリス: Gold ブラジル: Gold ドイツ: Gold スウェーデン: Gold |
2006 | ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記 | A Matter Of Life And Death | 4 | 9 | イギリス: Gold ブラジル: Gold カナダ: Gold スウェーデン: Gold |
2010 | ファイナル・フロンティア | The Final Frontier | 1 | 4 |
売上枚数
アメリカでのアルバム販売枚数の10位までを記す。
(アメリカSoundScan社集計による)
- 死霊復活 - Live After Death (1985年、558,578枚)
- フィア・オブ・ザ・ダーク - Fear Of The Dark (1992年、421,786枚)
- 魔力の刻印 - The Number Of The Beast (1982年、357,463枚)
- 頭脳改革 - Piece Of Mind (1983年、347,400枚)
- パワー・スレイヴ~死界の王、オシリスの謎~ - Powerslave (1984年、299,022枚)
- サムホエア・イン・タイム - Somewhere In Time (1986年、291,420枚)
- ブレイヴ・ニュー・ワールド - Brave New World (2000年、282,460枚)
- ベスト・オブ・ザ・ビースト (ベスト盤) - Best Of The Beast (1996年、251,112枚)
- 第七の予言 - Seventh Son Of A Seventh Son (1988年、218,056枚)
- ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング - No Prayer For The Dying (1990年、213,745枚)
ヒットチャート
イギリスでの年間ヒットチャートの第1位を記す。
(イギリスThe Official UK Charts Company調べによる)
- アルバム
- 魔力の刻印 - The Number Of The Beast (1982年、2週TOP)
- 第七の予言 - Seventh Son Of A Seventh Son (1988年、1週TOP)
- フィア・オブ・ザ・ダーク - Fear Of The Dark (1992年、1週TOP)
- シングル
- Bring Your Daughter To The Slaughter (1991年、2週TOP)
脚注
外部リンク
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」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ IRON MAIDEN (アイアンメイデン)のプロフィールローソンネットショッピングロッピー
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- ↑ IRON MAIDEN公式サイト・バイオグラフィー
- ↑ IRON MAIDEN公式サイト・THE FINAL FRONTIER WORLD TOUR 2011記念企画!!
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