ボルゲーゼ美術館
ボルゲーゼ美術館(ボルゲーゼびじゅつかん、イタリア語:Museo e Galleria Borghese)は、ローマにある美術館。イタリア・ルネサンスおよびバロック美術を中心としたボルゲーゼ・コレクション (en) を所蔵することで知られる。
英語では Borghese Gallery、もしくは、イタリア語に準じて Galleria Borghese などと呼ばれる。
概要
ローマ市内、広大なボルゲーゼ公園 (en) の一画にあるこの美術館には、ボルゲーゼ家 (en) 歴代の美術コレクション(ボルゲーゼ・コレクション)が展示されている。ボルゲーゼ家はシエナ出身の貴族で、教皇パウルス5世を出した名門である。
美術館の建物は、シピオーネ・ボルゲーゼ(en、1576- 1633年)が夏の別荘として建てたもので、1613年ごろ着工。完成は1616年(1621年とする資料もある)。設計者はオランダ人のヤン・ファン・サンテン (Jan van Santen) である。シピオーネ・ボルゲーゼは枢機卿であり、当時の芸術家に多くの作品を注文したパトロンでもあった。
建物の完成から約2世紀を経た19世紀初頭、ナポレオン・ボナパルトが、ボルゲーゼ家の多くの美術品をフランスに持ち出し、ルーヴル美術館に移してしまうという事件があった(当時、ボルゲーゼ家は経済的危機にあって所蔵の美術品を手放しつつあった。加えて、当時のボルゲーゼ家当主カミッロ・フィリッポ・ボルゲーゼの妻はナポレオン・ボナパルトの妹ポーリーヌであった)。こうした事件を経てもなお、当館にはルネサンス・バロック期のイタリア美術の優品が数多く伝えられている。イタリアの国立美術館として公開されるようになるのは1903年のことである。1階には彫刻、2階には絵画を展示する。
主な収蔵品
- ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 『アポロンとダフネ』(Apollo and Daphne) (1622- 1623年)
- ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 『プロセルピーナの略奪』(テンプレート:Sname) (1621- 1622年)
- コレッジオ 『ダナエ』(Danaë) (1530- 1532年)
- ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 『聖愛と俗愛』 (1515年頃)
- ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ 『病めるバッカス』 (1593年頃)
- ドメニキーノ(ドメニコ・ザンピエーリ) 『狩りをする女神ディアナ』 (1617年)