伊藤正男 (生理学者)
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伊藤 正男(いとう まさお、1928年12月4日 - )は、日本の生理学者。
人物
愛知県名古屋市出身。小脳研究における世界的な権威である。ジョン・C・エックルスの研究室で研究を行う。小脳がパーセプトロンであるというデビッド・マーとジェームズ・アルブスの仮説を強力に支持する、シナプスの長期抑圧(LTD)を発見した。
略歴
- 1953年に東京大学医学部を卒業。熊本大学医学部助手。東京大学医学部助手、助教授を経て、
- 1970年に東京大学医学部教授。
- 1959年 東京大学 医学博士 論文の題は 「The electrical activity of spinal ganglion cells investigated with intracellular microelectrodes(細胞内微小電極よりしらべた脊髓神経節細胞の電気的活動性)」[1]。
- 1986年に東京大学医学部長。
- 1989年に東京大学名誉教授。日本学士院会員。
- 1994年に日本学術会議会長。
- 1995年に南カリフォルニア大学名誉博士。
- 1996年に文化勲章受章、日本国際賞を受賞。
- 1997年に理化学研究所脳科学総合研究センター所長。
- 2004年に国際科学技術財団会長。
著書
- 『ニューロンの生理学』岩波書店 現代科学選書 1972
- 『脳の設計図』中央公論社 自然選書 1980
- 『脳と行動』旺文社 1983 テレビ大学講座 のち放送大学
- 『脳のメカニズム 頭はどうはたらくか』岩波ジュニア新書 1986
- 『脳と心を考える』紀伊国屋書店 1993 科学選書
- 『脳の不思議』岩波科学ライブラリー 1998
共編・編纂
- 『脳の統御機能』全6 木村裕・小幡邦彦ほか共編集 医歯薬出版 1978-80
- 『脳と認識』編 平凡社選書 1982
- 『脳と運動』編 平凡社選書 1983
- 『脳科学の展開』塚原仲晃共編 平凡社 1985
- 『脳と意識』編 平凡社選書 1985
- 『小脳の神経学』共編 医学書院 1986
- 『新生理科学大系』全22巻 星猛共編 医学書院 1986-91
- 『脳科学の新しい展開 機能地図と記憶のメカニズム』酒田英夫共編 岩波書店 1986
- 『最新脳の科学』桑原武夫共編 同文書院 1988
- 『認識し行動する脳 脳科学と認知科学』佐伯胖共編 東京大学出版会 1988
- 『脳と思考』編 紀伊国屋書店 1991 叢書・脳を考える
- 『脳のはたらき 回路網・遺伝子・機能分子をめぐって』編 講談社 1992
- 『岩波講座認知科学 6 情動』梅本守、山鳥重、徃住彰文、池田謙一、小野武年共編 岩波書店 1994
- 『続・脳のはたらき』編 講談社 1994
- 『精神活動の流れを遡る 機能・構造・物質』早石修共編 メディカル・ジャーナル社 1995
- 『医学書院医学大辞典』井村裕夫,高久史麿共総編集 医学書院 2003
- 『脳の中身が見えてきた』甘利俊一,利根川進共著 岩波科学ライブラリー 2004
- 『ブレインサイエンス・レビュー』2008-12 川合述史共編 クバプロ 2008-12
翻訳
- ジョン・C.エックルス『脳の進化』東京大学出版会 1990
自伝
- 実験回顧録(理研)
- 自伝(英語, PDF) in The History of Neuroscience in Autobiography, Volume 2, Edited by Larry R. Squire, ISBN 0-12-660302-2
脚注
- ↑ 博士論文書誌データベース