虚血性心疾患
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テンプレート:Infobox Disease 虚血性心疾患 (きょけつせいしんしっかん, IHD: Ischemic Heart Disease)とは、冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害され、心臓に障害が起こる疾患の総称である。
概要
狭心症や心筋梗塞がこの分類に含まれる。これらは冠動脈疾患と同義であるが、冠動脈自体に病変が無い疾患、例えば脳血管疾患による急激なストレスから来るタコツボ型心筋症や中枢性肺水腫などは特に本症に含まれる。
アメリカ合衆国では1950年代から心臓病患者の増加が問題となっていたが、朝鮮戦争で死亡したアメリカ人兵士を解剖した医師が冠動脈に動脈硬化症を発見したことから、虚血性心疾患と動脈硬化症との関連が明らかとなった。
症状に応じて、薬物治療・冠動脈バイパス術(CABG)・経皮的冠動脈形成術(PCI、PTCA)が行われる。
危険因子
- 加齢:男性は45歳以上、女性55 歳以上
- 冠動脈疾患の家族歴(両親、祖父母、兄弟、姉妹)
- 喫煙
- 高血圧:収縮期血圧140以上あるいは拡張期血圧90mmHg以上
- 肥満:BMI25以上かつウエスト周囲径が男性85cm、女性90cm以上
- 耐糖能異常(境界型および糖尿病型)
- 高コレステロール血症(総コレステロール220mg/dL以上あるいはLDLコレステロール140mg/dL以上)
- 高トリグリセリド血症(トリグリセリド150 mg/dL以上)
- 低HDLコレステロール血症(HDLコレステロール40 mg/dL未満)
- メタボリックシンドローム[3]
- 精神的、肉体的ストレス
脚注
- ↑ 北畠顕ほか「虚血性心疾患の一次予防ガイドライン」2006年改訂版日本循環器学会公式webページ
- ↑ 三田充男、庄司優「薬剤師のための治療ガイドライン第四回:虚血性心疾患の一次予防ガイドライン」『Credentials』2009年、2巻、2号、p9
- ↑ 内臓肥満蓄積(ウエスト周囲径が男性85 cm、女性90 cm 以上)必須で、次の(1)(2)(3)のうち2項目以上を持つもの、(1)高トリグリセリド血症150 mg/dL以上かつ/または低HDLコレステロール血症(40 mg/dL 未満)、(2)収縮期血圧130mmHgかつ/または拡張期血圧85mmHg以上、(3)空腹時高血糖110 mg/dL以上
関連事項