「デジタル・ドメイン」の版間の差分
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2014年6月27日 (金) 23:04時点における最新版
デジタル・ドメイン(Digital Domain)(略称:DD)は、映画・CM・ミュージックビデオなどのVFXの制作会社である。カリフォルニア州ロサンゼルス・ヴェニスに本社が所在する。IBM、Cox Communications、の融資を受けてジェームズ・キャメロン、スタン・ウィンストン、スコット・ロスが1993年に設立。
歴史
元々は、ウィンストンが『ジュラシック・パーク』のCGI恐竜に感銘した夫人の薦めで自分のスタジオにデジタル部門を設立した事に始まり、当時ILMからの独立を考えていたロスがこれを買収、ウィンストンの盟友であるキャメロンを加えてデジタル・ドメインを設立した。
『トゥルーライズ』『アポロ13』を経て『タイタニック』のVFXで一躍その名を轟かせ、1998年、2001年、2008年にはアカデミー科学技術賞を受賞している。
1998年にキャメロンとウィンストンがオーナーを辞任する。キャメロンはこの辞任でデジタル・ドメインの権利を全て放棄。ウィンストンも再び自分のスタジオにデジタル部門を設立している。
2002年、アカデミー賞受賞の合成ソフト・Nukeを市場で販売するための子会社「D2ソフトウェア」を設立した。
2006年にマイケル・ベイが買収、オーナーに就任。キャメロン時代から社長を務めてきたロスはベイと経営方針が合わず辞任。ベイはILM、マイクロソフトから新しい経営陣を迎えて、新生デジタル・ドメインを構築。
2010年、デジタル・ドメインはカナダのバンクーバーと、アメリカ合衆国フロリダ州のポートセントルーシーにサテライトスタジオ(支社)を開業した。
2011年デジタル・ドメインは3D映画制作会社のイン・スリー社(In-Three Inc )を買収、傘下にした。
2011年4月、フロリダ州立大学のCollege of Motion Picture Artsと提携し、デジタル・ドメイン研究所を設立。
2011年7月、デジタル・ドメインと、映画製作スタジオや映画館チェーンを営むインドのReliance MediaWorks社(RMW)は、英国ロンドンとインド・ムンバイの2拠点に、共同でVFXと3Dステレオスコピックを専門とするポストプロダクションを設立すると発表した。 両社は、今回共同で設立した2拠点のポストプロダクションを含め、DIからデジタルマスタリング、VFXからアニメーションまで全てを扱えるワールドワイドのネットワークを築き、2011年中には年4-5本の大型制作プロジェクトをこなすプロダクションを作り上げた。
2012年9月、デジタル・ドメインは破産。フロリダのスタジオを閉鎖。 北京小馬奔騰影視文化発展(ギャラピングホース)は経営難に陥ったデジタル・ドメインを買収した。買収額は3020万ドル。
2013年6月デジタル・ドメインは、拠点であるベニス本社の映画VFX部門を年内をメドに縮小し、 映画VFX制作業務の大部分を同社バンクーバー・スタジオ(カナダ)へ移管する。 これは、全クルーを対象とした緊急カンパニー・ミーティング(現地時間6月13日16時に実施) で明らかにしたものだ。ただ、テレビコマーシャル向けVFXの受注及び制作は、これまで通りロサンゼルスで継続される。
受賞歴
デジタル・ドメイン(略称:DD)の商業チームは多くの業界トップの組織から受賞されてきたと認識されている。
2009年3月現在、DDはアカデミー賞を7度受賞している。『タイタニック』『奇蹟の輝き』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で3度の最高視覚効果賞。Track(トラッキングソフトウェア)、Nuke(合成ソフトウェア)、Storm(ボリュームメトリック・レンダラー)、Fsim(流体シミュレーションシステム)などの優れた技術で4度の科学技術賞を受賞している。
また、アカデミー視覚効果賞ではそれとは別に3度、『アポロ13』『トゥルーライズ』『アイ、ロボット』でノミネートされている。さらに、DDはそのすぐれたデジタル映像技術によってイギリスのアカデミー賞(BAFTA)も複数受賞し、Prix Ars Electronica と Prix Pixel INA賞も受賞している。
DDのコマーシャル部門は、コマーシャルのトップディレクターとともに仕事をし、テレビコマーシャルにデジタル映像とアニメーションを制作している。今日までに34度のクリオ賞、8度のカンヌ国際広告祭、その他多数の広告賞を受賞している。
主な作品
1990年代
- 1994年『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』
- 1994年『トゥルーライズ』 (アカデミー視覚効果賞にノミネート)
- 1995年『アポロ13』(アカデミー視覚効果賞にノミネート)
- 1995年『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』
- 1996年『ターミネーター2:3-D』(ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのアトラクション。日本では2003年にUSJで上映)
- 1997年『ダンテズ・ピーク』
- 1997年『タイタニック』(アカデミー視覚効果賞を受賞)
- 1997年『フィフス・エレメント』
- 1998年『奇蹟の輝き』(アカデミー視覚効果賞を受賞)
- 1998年『アルマゲドン』
- 1999年『エドtv』
- 1999年『ファイト・クラブ』
2000年代
- 2000年『グリンチ』
- 2000年『X-メン』
- 2000年『レッド・プラネット』
- 2000年『オー・ブラザー!』
- 2001年『ロード・オブ・ザ・リング』
- 2001年『ビューティフル・マインド』
- 2001年『バニラ・スカイ』
- 2002年『ワンス・アンド・フォーエバー』
- 2002年『タイムマシン』
- 2002年『トリプルX』
- 2002年『アダプテーション』
- 2002年『ネメシス/S.T.X』
- 2003年『デアデビル』
- 2003年『ミニミニ大作戦』
- 2003年『ピーター・パン』
- 2004年『デイ・アフター・トゥモロー』(アカデミー科学技術賞を受賞)
- 2004年『アイ,ロボット』(アカデミー視覚効果賞にノミネート)
- 2004年『フライト・オブ・フェニックス』
- 2005年『ステルス』
- 2005年『シンデレラマン』
- 2005年『ダーク・ウォーター』
- 2005年『チャーリーとチョコレート工場』
- 2005年『イーオン・フラックス』
- 2006年『Gガール 破壊的な彼女』
- 2006年『テキサス・チェーンソー ビギニング』
- 2006年『父親たちの星条旗』
- 2006年『硫黄島からの手紙』
- 2007年『ルイスと未来泥棒』
- 2007年『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
- 2007年『トランスフォーマー』
- 2007年『ゾディアック 』
- 2007年『アンダーカヴァー』
- 2007年『ライラの冒険 黄金の羅針盤 』
- 2008年『ジャンパー』
- 2008年『スピード・レーサー 』
- 2008年『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 』
- 2008年『グラン・トリノ』
- 2008年『ベンジャミン・バトン 数奇な人生 』(アカデミー視覚効果賞を受賞)
- 2009年『スター・トレック』
- 2009年『トランスフォーマー: リベンジ』
- 2009年『G.I.ジョー』
- 2009年『2012』
2010年代
- 2010年『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』
- 2010年『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
- 2010年『トロン: レガシー』
- 2011年『マイティ・ソー』
- 2011年『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』
- 2011年『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(アカデミー視覚効果賞にノミネート)
- 2011年『リアル・スティール』(アカデミー視覚効果賞にノミネート)
- 2011年『フライトナイト/恐怖の夜』
- 2011年『ドラゴン・タトゥーの女』
- 2012年『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』
- 2012年『ロック・オブ・エイジズ』
- 2012年『アベンジャーズ』
- 2013年『エイリアン バスターズ』
- 2013年『ジャックと天空の巨人』
- 2013年『G.I.ジョー バック2リベンジ』
- 2013年『オブリビオン』
- 2013年『アイアンマン3』
- 2013年『エンダーのゲーム 』
- 2013年『47RONIN』
- 2014年『X-MEN: フューチャー&パスト』
- 2014年『マレフィセント』
関連項目
- 坂口亮 - DD社所属の日本人VFXクリエイター、アカデミー科学技術賞受賞
外部リンク
- デジタル・ドメイン
- 鍋潤太郎☆ハリウッド映像トピックス デジタルドメイン関連記事 http://nabejun.blog.shinobi.jp/Entry/300/
- PRONEWS デジタル映像制作Webマガジン ttp://www.pronews.jp/
- ttp://www.pronews.jp/news/1104251610.html
- ttp://www.pronews.jp/news/1107151420.html
- ttp://eiga.com/news/20120914/17/
- ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASGM27017_X20C12A9EB2000/テンプレート:Asbox