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『'''豆腐百珍'''』(とうふひゃくちん)は、[[天明]]2年([[1782年]])に刊行された100種類の[[豆腐]]料理の調理方法を解説した料理本である。 醒狂道人何必醇(すいきょうどうじんかひつじゅん)の戯号で著されているが、[[大坂]]で活躍した[[篆刻家]]の[[曽谷学川]]の著述とされる。版元は大阪の春星堂藤屋善七。この本は好評を博し、『豆腐百珍続編』、『豆腐百珍余録』などの続編が刊行され、さらには[[こんにゃく|蒟蒻]]や[[鯛]]、[[甘藷]]の百珍本が刊行されるなどのブームとなった。[[画像:Tohu100.jpg|frame|豆腐百珍「絶品」の項]] ==概要== 豆腐百珍では、豆腐料理を以下の6段階に分類・評価している。 *尋常品:どこの家庭でも常に料理するもの。[[木の芽田楽]]、[[飛竜頭]]など26品。 *通品:調理法が容易かつ一般に知られているもの。料理法は書くまでもないとして、品名だけが列挙されている。[[やっこ豆腐]]、[[焼き豆腐]]など10品。 *佳品:風味が尋常品にやや優れ、見た目の形のきれいな料理の類。なじみ豆腐、今出川豆腐など20品。 *奇品:ひときわ変わったもので、人の意表をついた料理。蜆もどき、玲瓏豆腐など19品。 *妙品:少し奇品に優るもの。形、味ともに備わったもの。光悦豆腐、阿漕豆腐など18品。 *絶品:さらに妙品に優るもの。ただ珍しさ、盛りつけのきれいさにとらわれることなく、ひたすら豆腐の持ち味を知り得るもの。湯やっこ、鞍馬豆腐など7品。 [[国立国会図書館]]に所蔵されているほか、現代語に翻訳し注釈を加えたものが[[新書]]版で出版されている(『豆腐百珍 原本現代訳』[[教育社]]新書ISBN 978-4315506846)。 なお、国立国会図書館・近代デジタルライブラリーでは、1889年大坂で発行された、近代仮名遣い「豆腐百珍」という書物のデジタルスキャン画像を閲覧できる。豆腐名の上に四角く囲んだ一、二、と番号を付けて百まで続くところなどは、元祖「豆腐百珍」と同じレイアウトだが、著者は淮南狂道人とあり、前述のような「豆腐格付け」はされていない。内容も、例えば元祖「豆腐百珍」では「叩き豆腐」の56番が「しき味噌豆腐」とあるなど差異が多い。そのため、元祖「豆腐百珍」出版から100年後の豆腐百珍を改めて紹介したものか、もしくは題名をヒット本にあやかったものと推測される。 == 現代版の豆腐百珍 == 日本最大の豆腐メーカーである相模屋食料が、現代版の豆腐百珍「とうふ百珍2011」を公開した。和食以外にも、中華やイタリアンの有名料理人が参加している。 == 参考図書 == *福田浩、杉本伸子、松藤庄平 『豆腐百珍』(新潮社、1998年) ISBN 4106020653 *[[水田紀久]]『日本篆刻史論考』[[青裳堂書店]]<日本書誌学体系43>、昭和60年。 *[[仲田雅博]]『新・からだ思いの「豆腐百珍」―豆腐料理100+α』(淡交社 (2004/11))ISBN 4473031993 : 『豆腐百珍』を現代風にアレンジし、自作できるようレシピブック化した本。 == 関連項目 == *野菜百珍 - [[林春隆]](文人 料理研究家) {{DEFAULTSORT:とうふひやくちん}} [[Category:豆腐]] [[Category:江戸時代の食文化]] [[Category:食に関する書籍]] [[Category:1780年代の書籍]]
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