ヒジキ
項目 | 分量 |
---|---|
食物繊維総量 | 60.7 g |
水溶性食物繊維 | 22.5 g |
不溶性食物繊維 | 38.2 g |
ヒジキ(鹿尾菜、羊栖菜、学名:テンプレート:Snamei)は、褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の1種である。波の荒い海岸近くの岩場の潮間帯付近に繁茂し、春から初夏に胞子嚢を付けて成熟する。
「ひじきを食べると長生きする」と古くから言われており敬老の日に因んで9月15日は「ひじきの日」となっている[2]。
特徴
- 分布
日本では北海道から本州、四国、九州、南西諸島(奄美大島、沖縄島)に、日本国外では朝鮮半島及び中国南部に分布する。
- 生育環境
潮間帯下部から低潮線の岩上に帯状分布する。
- 分類
ヒジキは、ヒジキ属 テンプレート:Snamei に含められていたが、吉田(2001)による分子系統学的研究からホンダワラ属 テンプレート:Snamei に含められた[3]。
- 形態
長さは50-100cm。根は匍匐し岩上に付着する。根から1-数本の主枝(茎)を伸ばし、主枝から葉と小枝を出す。主枝は円柱状で太さ3-4mm。葉はへら形で葉縁に鋸歯を持つ。
保全状況評価
利用
食用
ヒジキは主に食材として利用される。干ひじき(ほしひじき)として販売されることが多い。加工の方法は、主に伊勢方式と呼ばれる乾燥原藻を水戻しして蒸乾する蒸乾法と、煮乾法に大別される。煮乾法ではさらに、房州製法に代表される生原藻を煮乾する方法と、乾燥原藻を水戻しして煮乾する製法とに分かれる。生きている間は茶色~褐色だが、加工するにつれ真黒になる。干ひじきは、水で戻してから醤油、砂糖などで煮て食べる「ひじきの五目煮」がポピュラーである。近年はひじきご飯に加え、サラダ、酢の物、天ぷらなど幅広い料理に利用されている。
ひじきは通常3月から5月の大潮の干潮時に漁師や海女が磯にでて鎌などで刈り取って収穫する。地域によっては、寒中(11月から2月)に幼芽を収穫したひじきもある。
ひじきは細長い茎の部分と葉や芽のように出ている部分を分離して製品化されることが多い。茎の部分だけにしたものを長ひじき、茎ひじき、糸ひじきなどという。芽の部分だけにしたものを 芽ひじき、姫ひじき、米ひじきなどという。
健康食品での利用
ひじきに微量に含まれるフコキサンチンは脂肪燃焼効果があることが解明されており、今後その利用が期待される。
無機ヒ素の含有率をめぐる動き
2001年10月、カナダ食品検査庁は、発癌性のある無機ヒ素の含有率が、ヒジキにおいて他の海藻類よりも非常に高いという報告を発表し、消費をひかえるよう勧告した[4]。これは複数の調査によって裏付けられ[5]、イギリス[6]・香港[7]・ニュージーランドなどの食品安全関係当局も同様の勧告を発表した。
一方、日本の厚生労働省は、2004年7月、調査結果のヒ素含有量からすると、継続的に毎週33g以上(水戻しした状態のヒジキ。体重50kgの成人の場合)を摂取しない限り世界保健機関(WHO)の暫定的耐容週間摂取量を上回ることはなく、現在の日本人の平均的摂取量に照らすと、通常の食べ方では健康リスクが高まることはない、との見解を示した。また、海藻中のヒ素による健康被害があったとの報告はないとした[8](その他詳細は「ヒ素」を参照のこと。)。
脚注
参考文献
- 香村眞徳 「ヒジキ」 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2006年、419-420頁。
- 千原光雄著 『標準原色図鑑全集 第15巻 海藻・海浜植物』 保育社、1970年、47頁。
外部リンク
テンプレート:Protist-stub- ↑ 海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究 吉江由美子、日本水産学会誌、Vol.67 (2001) No.4
- ↑ 2007年9月号「3040」
- ↑ 吉田忠生 (2001) 『ヒジキの学名について』 藻類、49:38-39.(香村 (2006) より再引用)
- ↑ テンプレート:Cite web
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