肉弾
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肉弾(にくだん)は、桜井忠温が日露戦争後に実体験をもとにして描いた戦記文学。1906年に英文新誌社出版部から出版された。副題は旅順実戦記。
作者は陸軍中尉として旅順作戦に参加、「銃創八箇所、骨折三箇所」の重症を追い、帰国後、左手で執筆した作品。
言葉としての肉弾
肉弾という言葉は、「肉体によって銃弾の様に敵陣に飛び込む攻撃」という意味合いの、「肉を以て弾と為す」という言葉を縮めて作者が戦地で口癖としていたことが起源。
十五年戦争期を通して、物資の不足や技術力の低さを精神と肉体でカバーするという日本軍の勇敢さを表す合言葉として広く用いられ、一般名詞として認知されるに至る。
爆弾三勇士は、肉弾三勇士とも呼ばれた。
第二次大戦中には対戦車火器の不足から日本兵によるバンザイ突撃がしばしば行われた。 爆薬や地雷を抱いて飛び込んだり、爆弾や砲弾の信管を叩きつけたりして自爆していった。 これもその様から肉弾攻撃と呼ばれる。