福島民報

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福島民報(ふくしまみんぽう)は福島県の地方新聞。県下一の発行部数を誇る。毎日新聞社と協力関係にある。

概要

1892年(明治25年)2月17日福島県須賀川市で開かれた自由党の幹部会の席上、幹部の平島松尾が党機関紙の発行を訴え、同年8月1日、創刊号が発行された。以降、「福島民報」の題字を貫いている。初代社長は小笠原貞信自由民権運動の指導者河野広中が率いる福島県の自由党は、選挙運動への妨害に対抗するため機関紙の必要性に迫られていた。その後、政党の離合集散の中で、大正・昭和初期には政友会系の性格を強めた。戦後、政党機関紙からの脱却を宣言した。現存する福島県の新聞で自由党の機関紙として誕生した新聞は福島民報が唯一である。

共同通信社時事通信社の双方に加盟、1面と社会面のトップ記事はともに通信社配信記事に頼らず、自社記事の掲載率が他県の県紙より高いことが特徴。地方版は毎日17個面あり、地域に密着した紙面作りを特徴としている。また、2011年10月現在、中日新聞伊勢新聞などの数少ない一部の新聞と同様に記事中の数字表記が漢数字表記中心の新聞であり(スポーツ面、おくやみ欄など一部除く)、さらに県内記事については原則元号表記となっている(通信社などからの県外、海外ニュースは西暦表記となる)。

福島市JRA福島競馬場があることから、地方紙には珍しく競馬専門の記者が居り、近年は株主である福島テレビ番組で解説を行っている。また春の福島開催の際には福島民報杯というオープン特別競走が行われる。

一連の原発事故報道が評価され2012年度の日本新聞協会賞(企画部門)を受賞した。

本社

福島市太田町13-17

印刷センター

福島市佐倉下字二本榎前10-5

郡山本社

郡山市桑野2-37-24

以前は郡山総支社と称していた。営業関係の部署を郡山へ集約し郡山本社となった。

支社

東京・大阪・仙台・いわき・会津若松・白河・伊達・南相馬・須賀川・喜多方・二本松

支局

飯坂・川俣・本宮・石川・棚倉・田村・猪苗代・会津坂下・会津美里・南会津・勿来・小名浜・富岡・浪江・相馬

東日本大震災の地震と原発事故の影響により勿来・富岡・浪江各支局が被災したため、勿来支局はいわき市勿来町内に暫定社屋を設置、富岡支局は郡山市、浪江支局は福島市のそれぞれの本社内に暫定的に機能を移転していた。2012年3月26日浪江支局は郡山本社内に移転、富岡支局はいわき支社内に移転。

沿革

  • 1892年 自由党機関紙として創刊。
  • 1915年 最新型の輪転機を導入。
  • 1941年 戦時報道統制により、一県一紙体制に。
  • 1950年 政党機関紙からの「脱却」宣言。
  • 1960年 福島市栄町に新社屋完成。
  • 1977年 福島市太田町に新社屋を完成。オフセット輪転機による印刷開始。紙齢3万号(8月12日)。
  • 1981年 発行部数25万部。ニュース写真のフルカラー印刷を開始。
  • 1989年 電子編集システムを導入。福島民報出版文化賞特別大賞に「会津藩家世実紀」。
  • 1992年 創刊100周年。各種記念事業を実施。8月には発行部数30万部を記録。
  • 1995年 新印刷工場完成。
  • 1997年 小針美雄を取締役会で解任。新社長に斎藤範幸
  • 1998年 斎藤範幸が病死。新社長に花田つとむ。
  • 1999年 新聞製作の新システム導入。ホームページ開設。
  • 2000年 夕刊の発行を廃止。i-mode版ホームページ「i-minpo」と公式プロバイダ「@minpo」スタート。
  • 2001年 須賀川市で開催された「うつくしま未来博」で「誕生日新聞サービス」「電子号外発行サービス」を展示。
  • 2002年 福島市、喜多方市など市町村の情報を毎週配信するメルマガ「ふるさとメール」開始。
  • 2003年 CD-ROM縮刷版発売。
  • 2004年 福島で初スチューデントシティに協賛社として出店。
  • 2005年 ふくしま駅伝CD-ROM発売。
  • 2007年 1月15日から伝次郎クラブ会員募集開始。携帯電話向けサイトをリニューアル。auソフトバンクモバイルに対応し3キャリア対応とする。
  • 2008年 6月10日から新しい新聞製作システムを導入。
  • 2009年 3月29日午後11時20分ごろ本社ビル5階から出火。広告局の机などが焼けた。この火事で男性警備員1名が煙を吸って病院に搬送された(軽傷)。10月18日 創刊115周年記念事業として開成山野外音楽堂で「風とロックFES福島」開催。箭内道彦山口隆(サンボマスター)ら首都圏で活動する福島県出身アーティストが出演。
  • 2010年 6月21日有料携帯電話ニュースサービス「NEWSmart(ニュースマート)」に参加。
  • 2011年 3月11日東北地方太平洋沖地震で印刷機が一部損傷したため、16ページに減らして発行。津波で勿来支局が床上浸水、小名浜支局の車両が流されて喪失(小名浜支局長はいわき・ら・ら・ミュウの2階に避難して難を逃れる)。3月12日 県と国から避難指示が出されたため、富岡支局は川内村、浪江支局は南相馬市へ避難。3月13日 twitterで被災者向け生活情報の配信開始。7月25日 NEWSMartアイフォーンアプリに対応。11月25日 下野新聞社と緊急時の新聞発行に関する相互支援協定を締結
  • 2012年 1月23日NTTドコモスマートフォンに対応。1月26日 auスマートフォンに対応。 3月26日 福島市の本社に仮移転していた浪江支局を郡山本社に移転。郡山本社に仮移転していた富岡支局をいわき支社に移転。管内町村の住民や役場機能が移転しているための措置。6月16日ソフトバンクスマートフォンに対応。6月22日 代表取締役社長に高橋雅行。

4コママンガ

ラテ欄

番組表10段に対して広告5段。

最終面

地上デジタルの完全移行が東日本大震災の影響で2012年3月31日まで延期になった為、福島県内における完全移行まで各放送局ごとのカットには、デジタルのIDを大きく掲載するだけでなく、アナログ放送のチャンネルも放送局名の下に掲載されていた[1]

中面

2012年3月31日まで、福島県とBSアナログ局の番組表にGコードが記載されていた。

ステレオ放送は、番組表内の文字表記(略記号)で[立]と表記されている。立体音声の略と思われるが、この表記は全国でも福島民報と沖縄タイムスのみである。

かつてはテレビ欄に山形放送新潟放送の番組表が掲載されていた。

ちなみに、このテレビ欄中段には郡山市の百貨店・うすい百貨店の広告が大きな催事やセールに関わらず毎日掲載されている。

2012年1月時点で仙台民放はキーIDもアナログのチャンネルも記載されていない。

  1. 掲載都市は福島・郡山(親局)、(会津)若松、(いわき)平、原町、白河の6都市5送信所である。

スポーツ欄

日本プロ野球・Jリーグの出場メンバー成績の登録名は、文字幅調節を行わず、3文字以内に略している。

連載小説

はなとゆめ(冲方丁)

縮刷版

一か月分をA4サイズに縮小した一冊の書籍を発行していたが、2003年に終了し、それ以降CD縮刷版を発行している。

2009年にDVD縮刷版も選択できるようになった。

イメージキャラクター

  • 伝次郎

関連項目

  • 箭内道彦
  • 藤村多加夫 (文化欄俳句選者。出版文化賞審査員も務め長く県内の文学における密な関係があった。2011年逝去)
  • ラジオ福島2007年まで民報社屋に本社と一部の部署があった。ラジオ番組表=中面では同局の番組を大サイズで掲載し、放送局名を同局のロゴマークで表示している)
  • ふくしまFM(ふくしまFMの株主)
  • テレビユー福島(筆頭株主はTBSHDであるが、民報も主要株主となっている。ふくしま駅伝などのイベントを共催している)
  • 福島テレビ(テレビユー福島同様、民報社の主要株主。但し筆頭株主は福島県である)
  • ふくしま駅伝 - 正式名称は「市町村対抗福島県縦断駅伝競走大会」。毎年11月に行われている
  • 萬代宏樹(サッカー選手。民報イメージキャラクター)
  • ペ・ヨンジュン(2004年12月14日、福島空港に彼が極秘来日した際、偶然空港内の水墨画展を取材中だったため全国の新聞で唯一写真つきで報道した)
  • DASH村(2003年1月19日、通称「村役場」建物が火事で全焼。偶然近くでゴーカートレースを取材中だったため全国の新聞で唯一消火中の写真つきで報道した)
  • 新潟日報上毛新聞(2011年3月の東日本大震災で、多くの福島県の被災者が他県に避難した。新潟県と群馬県内の避難所にも多くの福島県民が避難したため、新潟県の県紙である新潟日報と群馬県の県紙である上毛新聞は、福島県からの避難者を取材した記事を福島民報に提供している。一方、福島民報も両県の福島県人避難者むけの記事を新潟日報と上毛新聞に提供している。)
  • 毎日新聞(上記の通り、主要株主、協力関係にあり、毎日新聞、スポーツニッポンの委託印刷を受け持っている。毎日新聞から福島民報への記事提供は無いが、福島民報から毎日新聞への記事提供が行われている。福島民報は、県外、海外記事は自社取材の記事以外は原則通信社(共同通信社時事通信社など)配信の記事を掲載している。さらに、ホームページにも毎日新聞へのリンク等は一切ない。これは福島民報と同様に毎日新聞の関連会社である下野新聞も同様である)
  • 山形新聞(「福島だより」「米沢だより」コーナーを設け、記事交換を行っている。)
  • 小針暦二(この福島民報社の他にも、福島交通グループなどの関連会社の社長・会長にも就任。「東北のドン」と呼ばれる人物であった)
  • 小針美雄(小針暦二の長男。父の跡を継ぎ、グループの総帥となるが事業家としての才能に乏しく、相次ぐ社内クーデターですべての役職を失い、失意の内に世を去った)

主なOB

外部リンク

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