智辯学園中学校・高等学校
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智辯学園中学校・高等学校(ちべんがくえんちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、奈良県五條市にある宗教法人辯天宗を母体とした、学校法人智辯学園による全日制の私立の中学校および高等学校である。
目次
概要
- 兄弟校である智辯学園和歌山小学校・中学校・高等学校(和歌山県和歌山市)と区別する意味で、和歌山側が「智弁和歌山」と呼ばれているのに対し「智辯学園」や「奈良智辯」・「智辯奈良」と呼ばれることが多く、関係者の間では「五條校」と呼ばれる。高校野球では原則として新字体を用いることになっていることから「智弁学園」と表記される。
- 中高一貫6年制課程の中等部と3ヶ年の高等部が存在する。中高一貫の生徒は、平日は1コマ70分の5時限授業、高校3ヵ年の生徒は、平日は1コマ70分の6時限授業で、土曜日は両コースとも、4時限の授業が行われる。
- 所在地は奈良県五條市野原中四丁目1番51号である。
- [[[:テンプレート:座標URL]]34_20_33.9_N_135_42_18.4_E_ 北緯34度20分33.9秒東経135度42分18.4秒]
- 智辯学園和歌山小学校・中学校・高等学校、奈良県香芝市にある智辯学園奈良カレッジ小学部・中学部・高等部は兄弟校。
中学・高校入試
- 高校入試では編入コース・英数コースの2コースで募集している。前者は中学校校長の推薦による書類選考、後者は一般的な学力試験による選抜である。高校3ヵ年は、3年で公立高校の4ヵ年分の授業時間を確保し、徹底した学習指導を実施することを謳っている。
- 中等部(中高一貫6年制)生は東大・京大をはじめとした、旧帝国大学系統や医歯薬系統の大学を志望する生徒が多い。
- 県北部に同法人による智辯学園奈良カレッジが誕生したことや、大阪府と試験が同一日になった影響から、中高一貫の中学受験者は横ばいか減少傾向にはあるが、毎年1回の入試で定員がうまる。奈良県の学校ではあるが、五條市と隣接する和歌山県橋本市から通学している生徒が非常に多い。
卒業後の進路
- 例年東京大学・京都大学をはじめとする国公立大学や、いわゆる関関同立などの私立大学に多数の合格者を輩出する進学校である。
- 東大合格者数は、近年減少傾向にある。
行事
- 4月 入学式
- 4月 始業式
- 10月 高3自由登校
- 2月 高校卒業式
- 3月 中学卒業式
学校方針
- 「愛のある教育」「心の教育」をめざす学校である。
- 中学校では、文化クラブで吹奏楽部・理科部・郷土史研究部、写真部、放送部。体育クラブでは野球部・サッカー部・テニス部・剣道部などがある。高等学校からは部活動は、硬式野球部・陸上部の2つのみとなり、スポーツコースの生徒のみが参加できる。
- 特に硬式野球部は、高校野球・甲子園大会の常連校である。特に、夏の甲子園選手権での奈良県内の高校野球界は、かつて智辯学園のほか天理高校と郡山高校の3校のみが、1971年・第53回大会~2012年・第94回大会の42年間も独占出場の状況が続いていた。近年では2012年3月26日、早鞆高等学校に5-2と逆転勝ちをおさめて、35年振りの春の選抜大会での白星を挙げている。2014年の選抜大会でも初戦で三重高等学校に7-2で競り勝った(2回戦で栃木の佐野日大に4-5でサヨナラ負けした)。
韓国との交流
- 1975年以来、修学旅行先が韓国であるが、これは「日本の植民統治35年を贖罪するという意味で、韓国への修学旅行を少なくとも35年間続けよう」という前理事長・藤田照清の方針[1]。
- 智辯学園理事長が修学旅行など交流続けたことを韓国から評価され、盧武鉉大統領から表彰を受けている。これに関して藤田理事長は「反対の声や不安もあったが、自分が進めたことが間違いなく、広く理解を得られたのがうれしい」とコメントした。[2]
沿革
- 1965年(昭和40年)4月 - 奈良県五條市に高等学校が創立される。
- 1967年(昭和42年) - 6年一貫教育制の中学校が併設となる。
- 1968年夏 全国高等学校野球選手権大会(選手権大会)に初出場
- 1976年春 選抜高等学校野球大会(選抜大会)に初出場
- 1977年春 選抜大会で初のベスト4進出
- 1995年夏 選手権大会で初のベスト4進出
- 2001年秋 国民体育大会高等学校硬式野球で準優勝
主な出身者
- 上田容三 - 元プロ野球選手
- 高代延博 - 元プロ野球選手、現阪神タイガース一軍内野守備走塁コーチ
- 田中昌宏 - 元プロ野球選手
- 柳原隆弘 - 元プロ野球選手
- 山口哲治 - 元プロ野球選手、現東北楽天ゴールデンイーグルスチーフスコアラー
- 辻本弘樹 - 元プロ野球選手
- 福井敬治 - 元プロ野球選手
- 庄田隆弘 - 元プロ野球選手
- 中村真人 - 元プロ野球選手
- 秦裕二 - 元プロ野球選手
- 岡崎太一 - プロ野球選手、現阪神タイガース所属
- 加治前竜一 - プロ野球選手、現読売ジャイアンツ所属
- 枡田慎太郎 - プロ野球選手、現東北楽天ゴールデンイーグルス所属
- 北岡幸浩 - 陸上競技(長距離走・マラソン)選手
- ダニエル・カール - タレント、山形弁研究家 - ハイスクール時代に、交換留学生として1年間過ごしている。
- 森下豊 - 医師、政治家。現橿原市市長、元奈良県議会議員。兵庫医科大学卒業。
- 中林大樹 - 俳優 スターダストプロモーション所属
- 車川知寿子 -音楽プロデューサー、作曲家。ロサンゼルスオリンピック シンクロ銅メダルの楽曲 『雅』作曲。
- 神崎亮平 - 東京大学先端科学技術センター教授
- 中尾恵 - 京都大学大学院情報学研究科准教授
- 青木均 - 愛知学院大学商学部教授
- 原田亮 - 箕面市議会議員、25歳で初当選
関連人物(硬式野球部監督)
- 山本集 - 野球部初代監督。その後、画家に転身。
- 高嶋仁 - 野球部元監督。1980年に智弁和歌山高へ転任。
- 上村恭生 - 1986年野球部監督に就任。2005年12月11日、多臓器不全により46歳で逝去。
- 小坂将商 - 上村前監督逝去後の2005年12月に野球部監督に就任。1995年夏の甲子園ベスト4進出時の主将。