悪戯
テンプレート:出典の明記 悪戯(いたずら、あくぎ、prank, mischief, practical joke)とは、悪ふざけ、人を担ぐこと。度を超した悪戯を「悪ふざけ」という。
子供の悪戯
子供たちは、発達の過程の中で、親や学校、地域社会のルールとして禁じられた悪戯、悪ふざけをしたりすることがある。時には、危険を伴ったりすることであっても、彼らは成長の中での自分の力試しとしてタブーに挑戦することがあった。例えば、よその畑から農作物を失敬する、他人の家の敷地を通り抜ける、爆竹で遊ぶなど。
ジークムント・フロイトの用語では、タブー破りと呼ばれている(『トーテムとタブー』)。猥褻行為を、俗にいたずらと呼ぶのも、猥褻行為が性道徳のタブー破りと考えられるためであろう。
子供に限らず悪戯が広く許されるのは、毎年4月1日のエイプリルフール(四月馬鹿)、あるいはハロウインの仮装やトリック・オア・トリート(「Trick or Treat お菓子をくれないなら、悪戯しますよ」の意)である。もちろん、それを許容する文化、習慣への理解が前提となっている。
若者の悪戯
高校生、大学生レベルでの悪戯は、とかく試験、宿題で絞られる学校に対して行われるものが、目を引く。戦前の旧制高校生のストーム、今日では京都大学の毎年、春の恒例の悪戯になった折田先生像、アメリカではMITのハック[1]が有名。
悪ふざけの例
悪ふざけの失敗例として、日本の四条天皇の悪戯がある。仁治3年(1242年)、12歳の少年君主であった四条天皇は、正月の祝いに参内する公卿や女官達を困らせようと、御所の廊下に滑石を撒いたところ、誤って自らが転倒してしまい、崩御した(『百練抄』・『五代帝王物語』)。その結果、深刻な政治空白を引き起こす事となった。
大学の学生寮などでは、誕生日や卒業・学位取得のお祝いに、当人を着のみ着のまま学内の池に投げ込んだり、あるいは独身最後の夜のバチェラー・パーティー (bachelor party)や、結婚式の新郎新婦に教会の出口でお米や花びらのシャワーを浴びせたりするものもあり、相手が真剣に怒れば失敗となる。
報道におけるイタズラ
報道やマスメディアなどで「悪質な悪戯」と表現する場合は、多くの場合において他人の名誉を毀損したり、器物を損壊したり(落書きや、窓ガラスを割る行為など)、業務を妨害したり(脅迫電話や、電子掲示板への犯罪予告の書き込みなど)、場合によっては結果として人の生命・身体に危害が及びかねない行為(鉄道線路への置き石行為や、道路にロープを張る行為等)など、犯罪行為であることが多い。また、「誰々にいたずら」という表現は、通常わいせつ行為をぼかした表現である。これらはいずれも、本来の「悪戯」とは性格が大きく異なり、逮捕や補導される可能性がある。誰もが楽しめる「良質な悪戯」は、歳時記的な話題のトピックス以外では、通常報道されることは稀である。
悪戯をテーマにした作品
ノンフィクション
- H.アレン・スミス『いたずらの天才』
児童文学
- 椋鳩十編『いたずらわんぱくものがたり』童心社
- ダイアナ・W・ジョーンズ『いたずらロバート』ほるぷ出版 1992年
- ハインリッヒ・ホフマン『もじゃもじゃペーター』
- ヴィルヘルム・ブッシュ『マックスとモーリッツ』
- マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』
- ルードヴィヒ・トーマ『悪童物語』
小説
音楽
- フランツ・ヨセフ・ハイドン「ビックリ交響曲」
- プロコフィエフ「ピーターと狼」
映画