宮崎大学
テンプレート:Infobox 宮崎大学(みやざきだいがく、テンプレート:Lang-en)は、宮崎県宮崎市学園木花台西1-1に本部を置く日本の国立大学である。2003年に設置された。大学の略称は宮大(みやだい)。
目次
概要
1949年(昭和24年)に設置の旧宮崎大学と1974年(昭和49年)設置の旧宮崎医科大学が統合し、2003年(平成15年)10月に誕生した。教育文化学部、農学部、工学部は木花キャンパス(宮崎市)、医学部は清武キャンパス(宮崎市清武町)にある。スローガンは「世界を視野に、地域から始めよう」、学長は菅沼龍夫。
旧宮崎大学の前身となる旧制専門学校および師範学校の校地は宮崎市中心部の各所に点在していた。このため、旧宮崎大学は1972年8月にキャンパスの移転・統合を決定し、1980年代後半に宮崎学園都市の主要施設として宮崎市南部の木花地区に移転・統合した。
歴史
教育文化学部
教育文化学部の直接のルーツは、旧制の宮崎師範学校と宮崎青年師範学校に求められる。これらの学校はさらに、1884年(明治17年)設立の宮崎県尋常師範学校と1922年(大正11年)設立の宮崎県実業補習学校教員養成所までその淵源を辿ることができる。
戦後の学制改革の中で、1949年、宮崎師範学校と宮崎青年師範学校をもとに宮崎大学に学芸学部が設置された。1966年(昭和41年)、学芸学部は教育学部に改称し、さらに1999年(平成11年)、教育学部が教育文化学部に改組され現在にいたる。1994年(平成6年)に大学院教育学研究科が設置(修士課程)されている。2008年(平成20年)には教職大学院が設置(専門職学位課程)された。
農学部
農学部のルーツは、旧制の宮崎農林専門学校さらに遡って1924年(大正13年)設立の宮崎高等農林学校がルーツである。この宮崎農林専門学校を母体に1949年、宮崎大学に農学部が設置された。1967年(昭和42年)に宮崎大学の中ではいちばん早く大学院農学研究科(修士課程)が設置されている。
2007年には、農学・工学を連携・融合させた農学工学総合研究科(博士後期課程)を設置し、2010年には、医学・獣医学を連携・融合させた医学獣医学総合研究科(博士課程)を設置した。
1988年(昭和63年)から、九州内のいくつかの大学とともに鹿児島大学大学院連合農学研究科(博士課程)に参加し、1990年(平成2年)には、獣医学科を設置する周辺大学とともに山口大学大学院連合獣医学研究科(博士課程)に参加したが、2007年度より農学工学総合研究科(博士後期課程)の設置に伴い鹿児島大学大学院連合農学研究科から離脱、2010年度より医学獣医学総合研究科(博士課程)の設置に伴い山口大学大学院連合獣医学研究科から離脱した。
工学部
1944年(昭和19年)2月に宮崎県高等工業学校として設立し、同年8月に改称した宮崎県工業専門学校が、工学部のルーツである。1949年に宮崎大学工学部として学芸学部や農学部と同時に設置された。大学院工学研究科は1976年(昭和51年)に修士課程(1997年より博士前期課程)が、1996年(平成8年)に博士後期課程が設置されていたが、2007年博士後期課程は農学工学総合研究科設置に伴い廃止された(これに伴い、博士前期課程は修士課程となった)。
医学部
医学部は、1974年(昭和49年)設立の宮崎医科大学がそのルーツである。設置の前年1973年(昭和48年)に、創設準備室が宮崎大学内に設置されていた。いわゆる1県に1医科大学を設置するという政府方針によって作られた大学である。1977年(昭和52年)に附属病院が、1980年(昭和55年)に大学院医学研究科(博士課程)が設置された(修士課程は2003年に設置)。博士課程は2010年の医学獣医学総合研究科設置に伴い廃止となり、修士課程は医科学看護学研究科へ改称された。
2003年(平成15年)全国的な大学統合の流れの中で、宮崎大学と統合し宮崎大学医学部となったが、部活動などは旧宮崎大学と統合されず、そのまま存続するものがほとんどだった。
2005年度の入学試験からは地元枠を設け、地元宮崎県出身者約10人が入学した。
特色
教育文化学部
農学部
応用生物科学科がJABEE認定を受けている。
同窓会の名誉会長に、自民党旧江藤亀井派会長であった江藤隆美氏が、長年の会長職在任を経て、就任している。
工学部
JABEE認定に力を入れており、2005年度までに土木環境工学科、物質環境化学科、電気電子工学科、機械システム工学科、情報システム工学科(情報システム専修コースのみ)で認定をうけ、2010年度に材料物理工学科も認定をうけた。他学科についても認定有効期間を更新しており、すべての学科がJABEE認定されている。
医学部
全国的に進級が厳しい医学部として知られており、1学年38人もの留年生を出した年もある。現在は緩和されたものの留年者は各学年とも毎年のように15人程度出ており依然として進級は厳しいと言える。また、すべての単位が取り消されるという単位取り消し型の留年方式を取っているため、留年した年もすべての講義に出席しなくてはならなかったが、2005年度の2年生からは単位制が導入された。なお、ここ数年でこれらの印象は薄まり、4年以上の臨床科目は卒業試験も含めて落第者がいないとされる(2005年度4年留年生は5名)。
2006年の入試から推薦入学を実施。宮崎県内の高校出身者による地域枠と一般枠とからなる。
組織
学部・学科
2008年に大幅に改組された。2008年度以降の入学生と2007年度以前の入学生にはそれぞれ別のカリキュラムが組まれており、該当学生の卒業まで地域文化課程・生活文化課程・社会システム課程は残存する(農学部の旧学科も同様)。
- 学校教育課程
- 初等教育コース
- 中学校教育コース
- 特別支援教育コース(旧:障害児教育コース)
- 人間社会課程
- 言語文化コース
- 社会システムコース
- 地域文化課程(2007年度まで)
- 生活文化課程(2007年度まで)
- 芸術文化コース
- 生活健康コース
- 生活環境コース
- 社会システム課程(2007年度まで)
※2009年度まで
大学院
- 専門職学位課程
- 教職実践開発専攻(教職大学院)
- 修士課程
- 学校教育支援専攻
- 学校教育専攻(2007年度まで)
- 修士課程
- 生物生産科学専攻
- 地域資源管理科学専攻
- 森林草地環境科学専攻
- 水産科学専攻
- 応用生物科学専攻
- 博士課程
- 修士課程
- 応用物理学専攻
- 物質環境化学専攻
- 電気電子工学専攻
- 土木環境工学専攻
- 機械システム工学専攻
- 情報システム工学専攻
- 博士後期課程
- 資源環境科学専攻
- 生物機能応用科学専攻
- 物質・情報工学専攻
- 修士課程
- 医科学専攻
- 看護学専攻
- 博士課程
- 医学獣医学専攻
- 高度臨床医育成コース
- 研究者育成コース
- 高度獣医師育成コース
- 医学獣医学専攻
別科(農学部)
- 畜産別科
- 畜産専修
附属施設
- 附属図書館
- 医学部附属病院
- 医学部附属病院総合周産期母子医療センター
- 医学部附属病院歯科口腔外科橘通りクリニック
- 農学部附属動物病院
- 農学部附属農業博物館
- 産学・地域連携センター
- 教育・学生支援センター
- 生涯学習教育研究センター
- フロンティア科学実験総合センター
- 情報基盤センター
- 大学教育研究企画センター
- 安全衛生保健センター
- 教育文化学部附属教育実践総合センター
- 教育文化学部附属小学校
- 教育文化学部附属中学校
- 教育文化学部附属幼稚園
- 農学部附属フィールド科学教育研究センター
- 宮崎大学サテライト・オフィス
対外関係
他大学との協定
国際交流協定締結校
- エヴァーグリーン州立大学(アメリカ・ワシントン州)
- カリフォルニア大学アーバイン校・医学部(アメリカ・カルフォルニア州)
- 嶺南大学校(韓国・慶尚北道)
- 順天大学校(韓国・全羅南道)
- 上海交通大学(中国・上海市)
- 浙江大学 農業・生物技術学院(中国・浙江省・杭州市)
- 温州医学院(中国・浙江省)
- 延辺大学・医学院(中国・吉林省・延辺朝鮮族自治州)
- 南京農業大学(中国・江蘇省・南京市)
- 中国農業大学(中国・北京市)
- 青海大学・畜牧獣医科学院(中国・青海省・西寧市)
- 国立成功大学・医学院(台湾・台南市)
- 東呉大学・外国語文学院(台湾・台北市)
- モンゴル国立農業大学(モンゴル)
- カセサート大学(タイ王国)
- プリンス・オブ・ソンクラ大学(タイ)
- チュラーロンコーン大学・獣医学部(タイ)
- 王立モンクット工科大学・生物資源技術学部(タイ)
- ブラウィジャヤ大学・工学部(インドネシア共和国)
- ボゴール農業大学(インドネシア)
- ハサヌディン大学(インドネシア)
- フィリピン大学ロス・バニョス校(フィリピン共和国)
- セントラル・ルソン国立大学(フィリピン)
- ハノイ農業大学(ベトナム)
- スターリング大学・養殖研究所(イギリス)
- シュフィトクジスキーアカデミー(ポーランド共和国)
- リュブリャナ大学(スロベニア共和国)
- メルボルン大学・獣医学部(オーストラリア)
- オタゴ大学・教育学部(ニュージーランド)
- ブエノスアイレス大学・農学部(アルゼンチン共和国)
イベント
学園祭
宮崎大学の学園祭は清花祭(きよかさい、清武と木花の合成語)と称され、11月中旬の3日間に渡り開催される。2005年に旧宮崎大学の宮大祭と旧宮崎医科大学のすずかけ祭を統合して開始された。初日(金曜日)は旧宮崎大学時代から続くみこしパレードが宮崎市中心部の橘通りなどを練り歩く。2日目・3日目(土曜日・日曜日)は各キャンパスで模擬店や展示発表が行われる。最後は打ち上げ花火(木花キャンパス)で学園祭を締める。
交通アクセス
宮崎交通のバスを利用する。木花キャンパスの最寄りバス停は宮崎大学、清武キャンパスの最寄りバス停は大学病院前。宮崎駅・宮交シティからのバスは大きく分けて3経路が運行されているが、早朝の便を除きいずれも宮崎大学・大学病院前のバス停に停車する。
- 811木花台経由 宮崎駅-宮交シティ-南部病院前-木花-木花台2丁目-宮崎大学-大学病院前
- 822まなび野経由 宮崎駅-宮交シティ-南部病院前-まなび野センター-清武総合支所前-大学病院前-宮崎大学
- 821番は大学病院前止まり(平日早朝1本のみ)
- 832清武経由 宮崎駅-宮交シティ-産経大入口-清武駅前-大学病院前-宮崎大学
- 835番は大学病院前から宮崎大学の間に熊野-木花台2丁目を経由
所要時間は宮崎駅から40~55分、宮交シティから25~40分。
鉄道駅からは、木花キャンパスへは日南線木花駅より2.2km、清武キャンパスへは日豊本線清武駅より2.8kmの距離となる。
大学関係者と組織
大学関係者一覧
不祥事
2012年3月末に退職した教育文化学部の40歳代の男性准教授が、複数の女子学生に対し半裸写真を撮影させ、卒業論文に掲載させ提出させるなどのセクハラ行為をしていたことが、同年6月28日に公表された。この准教授が既に退職していて懲戒処分ができなくなっているため、懲戒解雇に相当するとして、退職金の不支給を決めた[1][2]。准教授側は当案件について否定し、退職金と慰謝料を求めて大学側を提訴する意向を示している[3]。元准教授は2012年4月より都留文科大学にて教授として勤務しているが、同大学は7月18日に当案件を理由に同月31日付での解雇を決定した[4][5]。
関連項目
脚注
- ↑ 宮崎大:元准教授セクハラ 学生の半裸写真撮影など 毎日新聞 2012年6月29日
- ↑ 宮崎大学元職員の懲戒処分相当について 宮崎大学ニュースリリース 2012年6月28日
- ↑ 『西日本新聞』2012年7月19日朝刊35面(宮崎大元准教授 学内誌にも女学生写真 浴衣姿など09年に掲載「不適切」抗議受ける)
- ↑ 職員の解雇について 都留文科大学公式ウェブサイト、2012年7月19日
- ↑ 『毎日新聞』2012年7月24日、山梨版(セクハラ不祥事:相次ぐ 都留文大、40代教授を解雇へ 市民団体「学生に不安、モラル高めて」)