定禅寺通り
定禅寺通(じょうぜんじどおり)は、仙台市青葉区にある「杜の都・仙台」を象徴する並木道の1つであり、同市で開催される都市イベントの会場となることも多い道路である。仙台市都心部を東西に貫き、西公園通りとのT字路から駅前通りとの変則四叉路までに及ぶ。
概要
1601年(慶長6年)、仙台城の鬼門封じのために「定禅寺」が開基され、その参道として整備されたのが現在の定禅寺通りの始まりとされる[1]。江戸時代は、「定禅寺通」および「定禅寺通櫓丁」が存在していたが、戦後に幅員12mのそれらの道を46mに拡幅し、新たに植栽を施すなどの整備した。その後、両者などを合わせて「定禅寺通」との愛称名が付けられた。
沿道のせんだいメディアテークの建設(1997年12月着工、2001年1月開館)に合わせ、「定禅寺通シンボルロード整備事業[2]」による工事(1999年~2001年8月)が行われた。この事業により、定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台に対応した小ステージが設置された。また、SENDAI光のページェントに対応して中央緑道連続化(スクランブル交差点化)工事が行われて「Starlight Road 光の歩道」が開催可能になり、さらに、電線地中化と中央緑道への電源コンセント設置も行われ、電飾設置費用の圧縮が可能になるなど、定禅寺通りで開催される文化芸術活動をハード面で支える仕組みが整えられた。
構成する路線
- 仙台市道青葉1171号・定禅寺通線 市民会館前交差点から東二番丁定禅寺交差点までの区間
- 国道45号 東二番丁定禅寺交差点から錦町公園前交差点までの区間
- 仙台市道青葉1141号・定禅寺通宮町線 錦町公園から駅前通り連結部までの区間
交差する道路
- 上側が西側、下側が東側。
- 交差する道路の特記がないものは市道。
交差する道路 | 交差する場所 | 路線番号 | 起点から (km) | |
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<西公園通>(元柳町) | <西公園通り>(元常盤丁) | 市民会館前 | - | - |
(木町末無) | - | - | - | |
<木町通り>(本材木町) | <木町通り>(北材木町) | - | ||
<晩翠通>(細横丁) | 春日町 | - | ||
国分町通り(奥州街道)(国分町) | 国分町通り(奥州街道)(二日町) | - | ||
稲荷小路 | - | - | ||
東一番丁通り | - | |||
国道4号<東二番丁通り> | 国道48号<勾当台通> | - | ||
国道45号 | 0.0 | |||
東三番丁通り | ||||
国道45号<愛宕上杉通り>仙台駅方面(東五番丁通り) | <愛宕上杉通り>(上杉山通り) | |||
- | - | |||
中杉山通り | - | |||
駅前通り(光禅寺通) | 光禅寺通 | - |
特徴
ケヤキ並木
東二番丁通りより西側部分(仙台市道定禅寺通線の区間)、すなわち勾当台公園から仙台市民会館にかけては、ケヤキの街路樹が、通りの両脇の歩道にそれぞれ1列ずつ、中央分離帯(定禅寺通緑地)に2列の計4列に並んでおり、枝葉が通りの上部の全てを覆っている。道路標識や信号機が葉に隠れないようケヤキは下枝が刈られており、葉の生い茂る高さは周辺ビルの3-4階辺り(中規模ビル)または4-5階辺り(小規模ビル)となっている。このため、冬季以外は「天井の高い緑のアーケード」のような状態となり、少々の雨では歩いていても濡れることはない。また、冬季のSENDAI光のページェントの際には「光のトンネル」のような状態となる。その景観の美しさから、日本の道100選に選ばれている。
沿道両脇のビルはハーフミラーのガラスを使用している例が多く、ケヤキ並木の緑や、光のページェントの際の電飾が映え、実際の道の広さ以上に視覚的な広がりが出ている。また、沿道のビルでは一部をセットバックしたり、ポケットパークを設置したりしており、定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台の際に街角ステージとしても利用されている。
東一番丁通りより西側には、中央分離帯(定禅寺通緑地)の2列のケヤキ並木の間に遊歩道が整備されている。遊歩道の舗装は、東一番丁通りから国分町通りまでのブロックはウッドデッキ様、それより西のブロックは土である。この遊歩道沿いにはベンチが設置されている他、定禅寺ストリートジャズフェスの際に使われる小さな舞台が複数設置されている。この遊歩道には、他に3体の彫刻(ヴェナンツォ・クロチェッティ作「水浴の女」、ジャコモ・マンズー作「オデュッセウス」、エミリオ・グレコ作「夏の思い出」)[3]が設置され、西端には噴水が設置されている。両脇の歩道には特別なものは設置されていないが、ケヤキを囲む柵がパイプベンチとなっている。
イベントの中心地
通り沿いには駐車場を営む業者もいるので、交通規制は即座に補償問題と直結するが、「杜の都・仙台」の象徴でもある定禅寺通りは、仙台の都市イベントの際には交通規制が敷かれ、舞台装置として用いられている。
5月の仙台青葉まつり、8月の仙台七夕祭り、10月のみちのくYOSAKOIまつり、12月のSENDAI光のページェントにおいては、路上パフォーマンスやパレードの舞台となり、9月の定禅寺ストリートジャズフェスでは、この通りを中心に小さな街角野外ライブが市内中心部の至るところで多数開かれる。SENDAI光のページェントでは、ケヤキ並木に電飾が施される。
また、春の仙台国際ハーフマラソンのランナー、秋の大学女子駅伝(杜の都駅伝)のアンカーが最後に走る区間としても利用されている。
沿道の様子
東二番丁通りより西
- 仙台の都市イベントが行われる定禅寺通りの中心区間である。仙台の中心部商店街である一番町との交差点から歓楽街の国分町通りとの交差点までは、道路愛称名命名前の元々の「定禅寺通 」、それより西は「定禅寺通櫓丁 」と呼ばれた。現在は、「定禅寺通」を中心に、沿道・周囲には飲食店が多い。「定禅寺通櫓丁」には宮城県民会館やオフィスビルが並ぶ。晩翠通りよりも西は、以前は店舗があまり無かったが、元々芸術系の専門学校(服飾・デザイン・エンターテインメントなど)や美術大学の予備校が近くにあってその通学路になっていることや、沿道に仙台美術協会[4]のギャラリーやせんだいメディアテークが出来たことで芸術系のハイセンスな商品を売る店舗やデザイン系の事務所が集まりだし、周囲にはカフェや飲食店も出店し始めた。芸術系の専門学校の学生は、この地区で行われる様々なイベントにボランティアで参加し、イベントの質向上に寄与している。
- 西公園
- 仙台市民会館
- せんだいメディアテーク
- (NHK文化センター仙台)
- 東京エレクトロンホール宮城
- Date fm定禅寺通りスタジオ
- 一番町アーケード
- 仙台三越・定禅寺通り館
東二番丁通りとの交差点周辺
東二番丁通りより東
- 仙台市電循環線が走っていた区間であるため、西側の区間と趣を異にする。小さい河岸段丘となっており、東二番丁から東三番丁にかけて上りとなる段丘崖の坂の部分(西側は「仙台中町段丘」、東側は「仙台上町段丘」と呼ばれ、東側が高い)、東三番丁から東六番丁までは段丘面の平地となっている。沿道は、ホテルやオフィスビルの間に旧来からの地元商店が並ぶ形となっている。こちらの区間は、両側歩道の街路樹がイチョウ並木であるため、通りの上部は樹木の枝葉で完全には覆われてはいない。中央分離帯のケヤキは市電廃止後に植えられた。
- 仙台第二合同庁舎(東北総合通信局など)
- 錦町公園
関連番組
- 定禅寺通りから名称をとった番組
- 定禅寺通り自体を題材にした番組
- 東日本放送『杜の都 定禅寺通り物語[5]』(2006年7月1日)
- NHK『並木 誇らしく ~宮城県仙台市 定禅寺通~[6]』(「小さな旅」の特集。NHK総合:2008年1月6日、1月12日。BShi:1月10日)
定禅寺通りで行われるイベントの番組については、SENDAI光のページェント、定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台などを参照。
脚注
関連項目
- ケヤキ
- 青葉通り(仙台駅前から続く、3列のケヤキの並木道)
- 仙台七夕
- 定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台
- SENDAI光のページェント
- 仙台国際ハーフマラソン
- 勾当台公園
- 養賢堂
- 大通り
- 日本の通り一覧
外部リンク
- 杜の都 緑の名所100選(仙台市建設局)
- 定禅寺通利活用方策検討委員会(ライブカメラの映像あり)
- 仙台市役所「仙台の四季」(各号ともその時の定禅寺通りの風景写真を表紙にしている)
- 1954年の定禅寺通り(東向きに撮った写真)
- ↑ 規範事例集【街路編】(国土交通省国土技術政策総合研究所)p.14-15
- ↑ 定禅寺通シンボルロードの完成について(仙台市)
- ↑ 彫刻のあるまちづくり事業(仙台市)
- ↑ 仙台美術協会
- ↑ 杜の都 定禅寺通り物語(東日本放送)
- ↑ 特集 冬 小さな旅 「並木 誇らしく」~宮城県仙台市 定禅寺通~