大韓民国の鉄道
テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox 大韓民国の鉄道(だいかんみんこくのてつどう)では、大韓民国(韓国)で運行されている鉄道について記す。
- 日本統治時代の朝鮮の朝鮮総督府が経営していた鉄道は、朝鮮総督府鉄道を参照。
- 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の鉄道は、朝鮮民主主義人民共和国の鉄道の項を参照。
概要
2013年3月現在、韓国の鉄道にはごく一部(ソウル市メトロ9号線・新盆唐線・釜山-金海軽電鉄など)を除いて私鉄が存在せず、 (1) 「韓国鉄道公社」の運営する一般鉄道路線・広域電鉄(旧・韓国国鉄)と、 (2) 各都市の公社・公団が運営する地下鉄に二分できる。幹線は標準軌で建設され、第二次世界大戦・朝鮮戦争の後に建設された地下鉄もそれを踏襲し、すべての路線が標準軌で建設されることとなった。テンプレート:-
沿革
韓国初の鉄道は、1899年9月にソウル南部の漢江西岸にある鷲梁津と、仁川の済物浦の間で開業した。これは現在の京仁線であり、アメリカ人実業家モールスによって建設が開始されたが、その途中で日本の渋沢栄一らに鉄道敷設権が譲渡され、京仁鉄道合資会社によって工事が完成した。翌1900年には、漢江を渡る橋梁が初めて完成し、南大門駅(現:ソウル駅)まで延伸した。
その後、旧国鉄線のうち京釜線(1905年開業)・京義線(1906年開業)など多くの幹線は、日本統治時代に日本の技術と資金によって建設された。これらの路線は、日韓併合(1910年)を経て朝鮮総督府鉄道局が経営する朝鮮総督府鉄道となった。 テンプレート:Main
太平洋戦争で日本がポツダム宣言を受諾して降伏した後、朝鮮半島は北緯38度線を境に北部をソビエト連邦・南部をアメリカ合衆国が占領した事により、京義線・京元線は分断され、土海線は38度線以南のみの運行となり、甕津線は南北共に運行中断となり、1948年の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)・大韓民国(韓国)の成立、1950年 - 1953年の朝鮮戦争による軍事境界線を挟んでの対峙によって分断は決定的となった。朝鮮戦争で鉄道も荒廃したが、韓国側では1955年からは釜山 - ソウル間に特急「トンイル号」を運転開始し、1960年には特急「ムグンファ号」も運転を開始した。
1965年には日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約)によって日本との関係が正常化され、それに伴い1969年には日本から輸入された客車によって特急「観光号」が運行を開始、1974年に「セマウル号」と改称された(1980年 - 1984年は愛称なしとなった)。1984年には、それまでの「セマウル号」・「優等」・「特急」・「普通」が「セマウル号」(超特急相当)・「ムグンファ号」(特急相当)・「トンイル号」(急行相当)・「ピドゥルギ号」(普通相当)の体制となる。
また、1974年には北朝鮮の平壌地下鉄に1年遅れ、日本のODAでソウル地下鉄が開通、以後韓国各地で地下鉄の建設が進められていくことになる。
2000年に各駅停車「ピドゥルギ号」を廃止、2004年には紆余曲折がありつつも高速鉄道の韓国高速鉄道(KTX)が無事に開業したが、同時に「トンイル号」が全廃された。2005年には国有鉄道の列車運営がそれまでの「鉄道庁」から公社の「韓国鉄道公社」に、施設の保有・管理は「韓国鉄道施設公団」に改められた。
2007年3月23日に大韓民国初の私鉄であるKORAIL空港鉄道が金浦空港 - 仁川国際空港の間で暫定開業した。
近隣国の鉄道との関連
日本
韓国の鉄道は、かつて日本統治下に日本資本により鉄道が開通した経緯や、前述の日本からの支援、又は日本製車両を輸入していた影響もあり、複線区間では左側通行であり、各駅停車では動力分散式がほとんどであるなど、日本の鉄道システムによく似ている。韓国でも近年、日本のジョイフルトレインに類似した運行サービスも、ソウル夜景観賞用に開始されている。しかし2004年のKTXは、日本の新幹線でなくフランスのTGVを移入した。(なお、韓国と同じく日本の統治下だった台湾では、高速鉄道の電気系統等はフランスの技術を利用しているが車両は日本製である。)日韓共同きっぷが発売されていたり、特急列車の外国語放送に英語・中国語と並んで日本語が流れているなど、日本と地理的に近く日本人観光客が多いために日本市場を意識した動きも見られる。
北朝鮮
韓国はBRICsのロシアや中華人民共和国と交流するために自国の鉄道を北朝鮮経由でシベリア鉄道、中国国鉄と貨物列車の直通運転を計画しており、2006年に半世紀ぶりに北朝鮮と直通列車が走ったが、後に北朝鮮側から運転再開は中止された。テンプレート:要出典範囲
なお、韓国の鉄道は北朝鮮と直通運転可能になれば中国に通じ、さらに台車交換を行うことにより、ロシアやヨーロッパとの直通運転が可能となる。
分類
韓国鉄道公社
地下鉄
- ソウル特別市 - ソウルメトロ・ソウル特別市都市鉄道公社の2公社によって運営。広域電鉄とも直通運転、詳しくは各路線記事、首都圏電鉄、ソウル地下鉄を参照。
- 仁川広域市 - 仁川広域市地下鉄公社が運営。
- 釜山広域市 - 釜山交通公社が運営。
- 大邱広域市 - 大邱都市鉄道公社が運営。
- 光州広域市 - 光州広域市都市鉄道公社が運営。
- 大田広域市 - 大田広域市都市鉄道公社が運営。
関連項目
- 韓国鉄道公社
- 韓国の地下鉄
- 朝鮮民主主義人民共和国の鉄道
- 京義線・東海線鉄道及び道路の連結事業
- 朝鮮総督府鉄道
- KORAIL空港鉄道 - ソウル特別市と仁川国際空港を結ぶ
- 金剛山電気鉄道
- 東海線
- ソウル市電
- 釜山市電