大分県

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テンプレート:基礎情報 都道府県

大分県(おおいたけん)は、日本九州地方東部にある県庁所在地大分市

温泉の源泉数(4,538ヶ所)、湧出量(291,340L/分)ともに日本一[1]で、別府湾に面する別府温泉、県中央部に位置する由布院温泉は全国的に知名度が高い。さらに地熱発電でも日本一を誇り、栽培、養殖などの産業、食文化や美容と医療に至るまで、豊かな温泉の恵みが幅広く活かされていることから、県では「日本一のおんせん県おおいた」と称し、全国に大分の温泉をPRする活動を行っている。

名称

現在の大分県の名は、古来国府が置かれていた大分郡(おおきたのこほり)に由来する。「おおいた」という読みは、「おおきた」が転訛したものである。

さらに、大分郡の名の由来については、『豊後国風土記』によると、景行天皇がこの地を訪れた際に「広大なる哉、この郡は。よろしく碩田国(おおきたのくに)と名づくべし」と感嘆して名づけ、これが後に「大分」と書かれたとされている。しかし、大分平野は広大とは言えないため、実際には、狭くて入りくんだ地形に多くの田が造られている様子を形容した「多き田」が転じて「大分」になったとするのが最近の定説である。

地理・地域

山地の占める割合が大きく、西部には九重連山、南部には祖母山傾山がそびえる。平野部は北部の中津平野、中部の大分平野、南部の佐伯平野など限られた地域に分布している[2]豊後水道を挟んで四国地方に接しており、その最狭部の豊予海峡の幅は10kmほどである。南部の日豊海岸にはリアス式海岸が発達している。

自然公園

瀬戸内海国立公園阿蘇くじゅう国立公園
耶馬日田英彦山国定公園祖母傾国定公園日豊海岸国定公園
国東半島県立自然公園豊後水道県立自然公園神角寺芹川県立自然公園津江山系県立自然公園祖母傾県立自然公園

気候

大分県の気候は全体として温暖で自然災害も比較的少ない。

大分県北部から国東半島中津市北部・宇佐市豊後高田市国東市姫島村
中津市から国東半島にかけては、夏は瀬戸内海式気候の特徴として降水量が少なく晴れの日が多いが、冬は関門海峡からの北西の季節風の影響を受けるため日本海側気候に近く、曇りや雨・雪の日も多く、一冬に数回程の積雪がある。
大分県中部の瀬戸内海側(大分市・別府市杵築市日出町
国東半島以南から大分県中東部は、一年を通して雨量が少なく、瀬戸内海式気候の特徴を見せる。冬は概ね晴れの日が多く、山間部を除き降雪日は少なく、積雪することはほとんどない。
大分県南部の豊後水道沿岸部(津久見市臼杵市佐伯市
県南部は、年中を通して温暖で台風などの影響も受けることが多く、雨量も多くなる。太平洋側気候なので夏から秋を中心に降水量が多い。冬は、山間部では積雪することはあるが、平地での降雪はほとんどなく、積雪することは稀である。
大分県西部の内陸部(中津市南部・日田市竹田市玖珠郡由布市豊後大野市
一年を通して寒暖の変動が大きい。夏は35°Cを越す猛暑になることも多い。高い山が連なるため、夏は夕立や雷雨、冬は冬日が続き、積雪も多い。また、湯布院は、ケッペンの気候区分上日本でも数少ない温帯夏雨気候(温暖冬季少雨気候)Cwa に属しているとされる。
大分県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
北部沿岸部 中部沿岸部 南部沿岸部 内陸部
中津 豊後高田 国東市
国見
国東市
武蔵
杵築 大分 佐伯 佐伯
蒲江
日田 玖珠 宇佐市
院内
由布市
湯布院
竹田 豊後大野市
犬飼
佐伯市
宇目
平均
気温
(°C)
最暖月 26.9
(8月)
26.7
(8月)
26.5
(8月)
25.9
(8月)
26.8
(8月)
26.6
(8月)
26.6
(8月)
26.7
(8月)
25.2
(8月)
25.6
(8月)
24.0
(8月)
25.0
(8月)
26.0
(8月)
24.9
(8月)
最寒月 5.3
(1月)
5.1
(1月)
5.8
(1月)
5.0
(1月)
6.0
(1月)
6.4
(1月)
7.3
(1月)
3.8
(1月)
2.4
(1月)
3.7
(1月)
2.1
(1月)
3.8
(1月)
4.2
(1月)
3.5
(1月)
降水量
(mm)
最多月 296.9
(6月)
278.2
(6月)
283.0
(6月)
287.2
(6月)
294.2
(6月)
304.4
(9月)
359.5
(6月)
379.3
(6月)
391.8
(6月)
315.8
(6月)
370.0
(6月)
336.8
(7月)
294.1
(7月)
376.8
(8月)
最少月 30.7
(12月)
29.0
(12月)
34.5
(12月)
30.0
(12月)
28.1
(12月)
33.9
(12月)
39.7
(12月)
48.0
(12月)
43.1
(12月)
35.2
(12月)
35.3
(12月)
27.5
(12月)
27.0
(12月)
31.7
(12月)

自治体

以下の14市3郡3町1村を合わせて、18市町村がある。現存するすべての町村名で、町は「まち」、村は「むら」と読む[3]

2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて、いわゆる「平成の大合併」により、別府市、津久見市、姫島村、日出町、九重町、玖珠町を除くすべての市町村が合併し、市町村の数は2004年(平成16年)12月31日までの58から、2006年3月31日東国東郡4町が合併し国東市が誕生した時点で、18へと大幅に減少した。これは九州で最も少なく、全国でも4番目に少ない。なお町の数(3) および町村数(4) は2010年(平成22年)1月現在47都道府県で最も少ない。 テンプレート:Multicol

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消滅した郡町村

「平成の大合併」により消滅した郡町村。郡自体が消滅している場合は、郡名にリンクを付した。

歴史

ファイル:OtomoSorin.jpg
大友宗麟像(大分駅前)

先史時代

1981年(昭和56年)に豊後大野市(旧大野町)の代ノ払遺跡で発掘されたナウマンゾウなどの化石が鋭い刃物のようなもので切断されていた。これは人と動物が遭遇したことを示していると推測できることから、本県において人々が住み始めたのは、3万7000年前であると考えられている[4]

2001年(平成13年)5月には、大分市の横尾遺跡から、約6,000〜7,000年前の縄文時代早期の加工された角柱状の材木(長さ3.4m、一辺18cm)が出土。日本最古の建築部材と考えられている[5]

中世

鎌倉時代から室町時代にかけては大友氏が豊後国の守護となった。大友氏は戦国時代キリシタン大名大友宗麟の代に最盛期を迎え、九州の大半を支配するとともに、ポルトガルなどとの交易を盛んに行い南蛮文化が花開いた。

近世

江戸時代、大分県にあたる地域(旧豊前国の一部と豊後国)には、中津杵築日出府内(大分)、臼杵佐伯(竹田)、(玖珠)の八藩が分立した。さらに、肥後延岡島原藩の飛び領が点在し、日田には九州の幕府領を管轄する西国筋郡代の代官所が置かれた。このため、他県のように大きな都市は形成されなかったが、代わりに各地に特色ある文化が生まれた。各藩の城下町だった地域には、現在も武家屋敷等が残っている所が多い。

近代

- 大分トリニータJリーグヤマザキナビスコカップにおいて優勝した。

人口

テンプレート:人口統計

政治・行政

ファイル:OitaPrefOffice2.jpg
大分県共同庁舎

国政

テンプレート:Main 衆議院小選挙区が3。参議院では、全県で1区を構成。

県政

テンプレート:Main

歴代知事(公選)

  • 初代 細田徳寿(1947年4月12日~1955年4月27日、2期)
  • 2代 木下郁(1955年4月28日~1971年4月27日、4期)
  • 3代 立木勝(1971年4月28日~1979年4月27日、2期)
  • 4代 平松守彦(1979年4月28日~2003年4月27日、6期)
  • 5代 広瀬勝貞 (2003年4月28日~、2期目)

財政

平成24年度
  • 財政力指数 0.33(都道府県平均:0.46)
    • Dグループ(財政力指数0.3以上、0.4未満)12自治体中9位
  • 標準財政規模:3253億5221万円
  • 経常収支比率:95.4%(都道府県平均:94.6%)
  • 将来負担比率:181.2%(都道府県平均:210.5%)
  • 実質公債費比率:15.8%(都道府県平均:13.7%)
  • 人口100,000人当たり職員数:1,352.68人(都道府県平均:1,110.90人)
  • ラスパイレス指数:108.5(都道府県平均:107.4)
    給料部分のみの比較でも国家公務員の給料を上回る給与水準である。
  • 地方債残高
    • 普通会計分の地方債現在高:1兆655億9000万円
    • 上記以外の特別会計分の地方債(企業債)現在高:409億円
平成23年度
  • 財政力指数 0.34(都道府県平均:0.47)
    • Dグループ(財政力指数0.3以上、0.4未満)12自治体中7位

特色のある施策

小児救急電話相談事業
小児救急の電話相談「小児救急電話相談事業」の夜間受付を翌朝8時半まで受け付けている。これは同事業を実施している31都道府県の内、大阪府と並んで最も遅い時間である(2006年(平成18年)7月11日現在)。

経済・産業

平成20年度(2008年)の県内総生産は4兆4724億円である[6]。これは世界の過半数の国の国内総生産 (GDP) よりも規模が大きい[7]。一人当たり県民所得は256.2万円である。

農林水産業

椎茸及びかぼすが特産として知られる。椎茸のうちでも特に、正月のおせち料理などで珍重される身が厚く表層に星型の亀裂が入る干し椎茸のどんこが名産。水産物では関あじ関さば城下かれいがある。

平松守彦前県知事が提唱した一村一品運動によって、各地で特産品を産み出す試みがなされている。

工業

高度成長期に大分市が新産業都市の指定を受けて大分臨海工業地帯が形成された。また、近年は、大分市や大分空港周辺に電子工業等の立地が進む一方、県北部では、隣接する福岡県東部とともに、自動車関連企業が集積している。

このため、全国平均に比べ第二次産業の占める割合が高い県内総生産は1999年度で約4兆4,000億円で、そのうち、第一次産業が3.1%、第二次産業は36.9%、第三次産業は61.0%となっている。

エネルギー

大分県の自然エネルギー自給率は、25.2%で全国一高い[8]。これは、八丁原発電所をはじめ3か所の商用地熱発電所が立地するなど、地熱利用が進んでいるためである。

県内に拠点のある主要企業

県内に本社を置く主要企業

建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
卸売業・小売業
宿泊業・飲食店
金融業

県内に拠点事業所のある主要企業

生活・交通

警察

交通

航空

鉄道路線

JR線4路線がある。私鉄は存在しないが、別府市に近畿日本鉄道(近鉄)グループの近鉄別府ロープウェイが運営する別府ロープウェイ線と、岡本製作所が運営するケーブルカー別府ラクテンチケーブル線の2路線がある。

過去の鉄道路線(廃線

バス事業者

大分市を中心として県北部は大分交通、県南部は大分バス、別府市周辺は亀の井バス、日田市周辺は日田バスとこれらの子会社が路線網を持っている。これら会社は西日本鉄道と資本的関係がある。

県外からは熊本県から九州産交バス九州横断バスなど)、福岡県から西鉄バス(日田市周辺。以前は中津市にも)がある。

道路

  • 有料道路
大分自動車道東九州自動車道宇佐別府道路日出バイパス
  • 地域高規格道路
中津日田道路大分空港道路大分中央幹線道路中九州横断道路
  • 国道
国道10号国道57号国道197号国道210号国道211号国道212号国道213号国道217号国道326号国道386号国道387号国道388号国道442号国道496号国道500号国道502号
  • 県道
大分県の県道一覧を参照

海上

県域東側は海に面しており、多くの港が設置されている。また、豊後水道を横断し四国と九州を結ぶ旅客航路や、瀬戸内海を通り本州と九州を結ぶ航路が県内に発着している。

医療・福祉

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災害拠点病院
保育所

教育

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大学
短期大学

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高等専門学校
専修学校
特別支援学校
高等学校
中学校
小学校
幼稚園

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学校教育以外の施設

マスメディア

新聞
ラジオ局
テレビ局

大分県のテレビ事情については大分県のテレビ事情参照。大分県は民放3社の内 OBS と OAB に出資している。

ケーブルテレビ局

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文化・スポーツ

方言

大分県の大部分では豊日方言が話される。このうち、県中南部の方言は大分弁、県北部の方言は中津弁、県西部の方言は日田弁と呼ばれる。日田弁は豊日方言に分類されるものの、筑後弁などの肥筑方言の影響が大きい。

食文化

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郷土料理

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伝統工芸

経済産業大臣指定伝統的工芸品
伝統工芸品

テンプレート:Main

スポーツ

プロスポーツ/全国リーグ参加チーム

テンプレート:See also

定期開催されるスポーツイベント

過去に開催されたスポーツイベント

その他

公営競技

観光

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名勝 耶馬溪
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国宝・特別史跡 臼杵磨崖仏
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重要文化財 熊野磨崖仏

名所・旧跡

神社仏閣・仏像

温泉

祭事

大分県を舞台とした作品

大分県が主な舞台になった作品のほかに、大分県が一部シーンに登場した作品を含む。

映画

ドラマ

小説

音楽

漫画

アニメ

ゲーム

大分県出身の人物

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脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:ウィキポータルリンク テンプレート:Multimedia

外部リンク

テンプレート:Commons&cat テンプレート:Sister テンプレート:Sister テンプレート:Wikinewscat

行政

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テンプレート:Navbox

テンプレート:Navbox
  1. テンプレート:PDFlink 環境省
  2. 大分県の自然と風土 地形・地質 大分県
  3. なお、「平成の大合併」で消滅した町村のうち、香々地町(現豊後高田市)、庄内町、挟間町、湯布院町(以上、現由布市)、蒲江町(現佐伯市)は「ちょう」、直川村(現佐伯市)は「そん」と読み、それ以外は、町は「まち」、村は「むら」と読んでいた(角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 44 大分県』角川書店、1980年1月)。
  4. 後藤宗俊「豊国の形成と展開」 豊田寛三・後藤宗俊・飯沼賢司・末廣利人『大分県の歴史』山川出版社 2002年(平成14年) 10ページ
  5. CiNii 論文 - ホゾ穴かキツツキの穴か?日本最古の「建築部材」の謎に迫る : 大分市横尾貝塚周辺の発掘調査より(遺跡漫遊 第6回)
  6. 平成20年度県民経済計算
  7. 世界の名目GDP(USドル)ランキング
  8. 自然エネルギー自給率:大分県がトップ 地熱・温泉熱の利用盛ん - 毎日jp(毎日新聞)、2010年(平成22年)1月4日