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[[経済学]]において'''不平等'''('''ふびょうどう''' inequality)とは、[[所得]]あるいは[[資産]]が人々の間で「等しくない」状態を指す。逆に、平等(equality)とは所得あるいは資産が人々の間で「等しい」状態である。 平等か不平等かは、客観的な事実を述べたに過ぎないことに注意を要する。ある状態が[[社会正義]]に照らして正しいか否かを判断する場合には'''公平'''(fairness)という言葉を用いる。 ある状態を見て平等か不平等かは客観的な基準で判断するが、公平か不公平かは道徳的基準がなければ判断できない。なお、[[パレート効率性]]は一種の価値基準であるが、公平性の議論は含んでいない。 経済学では、'''インセンティブと平等のトレードオフ'''という概念がある。これは[[契約]]などにおいて[[インセンティブ (経済学)|インセンティブ]]を強化すると必ず[[平等]]性が失われるというものである。例えば、雇用契約において出来高払いの部分を大きくするとインセンティブは強化されるが、結果として従業員間の給与の平等性は失われる。この概念は、経済学の様々な場面で必要になる考え方である。なお、このインセンティブと平等のトレードオフは、平等性が高まるほどリスクが減少するという関係にあるため、インセンティブと[[リスク]]のトレードオフとも関連している。 最近では、世代ごとに[[年金]]等の負担と給付のバランスを計算した[[世代会計]]という概念を用いて、異なる世代間の不平等性を唱える議論がさかんに行われている。 == 経済成長との関係 == 経済学から見た場合、一般には、報酬が業績と結びついている[[インセンティブ]]の度合が大きいほど、総産出量がより高くなる<!--経済成長-->反面、より不平等が拡大するものと考えられる。このことはインセンティブ・平等のトレードオフincentive-equality trade offと呼ばれる。 ただし個人の業績は、当人の能力や努力の違いだけでなく、幸不幸をはじめとした、当人には帰せられない外部的な条件の違いによっても異なるものと考えられる。また急速な経済成長がつねに不平等の拡大を伴うとは限らず、かつての[[東アジアの奇跡]]におけるような貧困の著しい減少がもたらされる場合もある<!--スティグリッツ入門経済学-->。 == 関連項目 == * [[トレードオフ]] * [[ジニ係数]] * [[国の所得格差順リスト]] * [[社会的不平等]] * [[経済的不平等]] {{DEFAULTSORT:ふひようとう}} [[Category:不平等|*]] [[Category:社会経済学]] [[Category:社会問題|ふひようとう]] [[Category:貧困|ふひようとう]]
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